かんちゃん 音楽のある日常

yaplogから移ってきました。日々音楽を聴いて思うことを書き綴っていきます。音楽評論、想い、商品としての音源、コンサート評、などなど。

今月のお買いもの:オーケストラ・ダスビダーニャ第16回定期演奏会2

今月のお買いもの、平成27年2月に購入したものをご紹介しております。2月分はすべて、平成27年2月8日に東京芸術劇場へ聴きに行きました、オーケストラ・ダスビダーニャ第22回定期演奏会の会場にて購入しました、オーケストラ・ダスビダーニャの過去の演奏会のCDとなっており、今回はそのうち第16回の2枚目をご紹介します。収録されている作品は、交響曲第10番。

過去、神奈川県立図書館所蔵CDのコーナーでバルシャイの全集を取り上げた時に、以下のエントリを立てています。

神奈川県立図書館所蔵CD:ショスタコーヴィチ 交響曲全集6

ykanchan.hatenablog.com

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この中でも言いましたが、この作品はショスタコーヴィチのドグマ全開の作品です。それだけ、スターリンの時代が抑圧に満ちていたということを表現しているとも言えます。

この第16回定期演奏会は、1プロが1枚目に収録されている「森の歌」であり、メインがこの交響曲第10番である訳です。この組み合わせを見れば、ダスビが少なくとも、現代という時代をどのように捉えているのかが、明確であるように思います。つまり、抑圧の時代。

え、20世紀は民主主義が広がって、自由が謳歌された時代ではないのか?と思う方も多いと思います。しかし、皆様の周りを見回した時、本当に自由ですか?自らが健康的に開放されていますか?

ソ連という社会主義国も、民主主義国だったのです。少なくとも、皇帝はいません。にもかかわらず、ソ連独裁国家となりました。冷戦を勝ち抜いた自由主義陣営でも、9.11以後はアメリカも国防の観点から自由を制限しました。そして、今わが日本も・・・・・

いや、そんな国家レヴェルではなく、もっと身近で考えましょう。今の自分の人生は、果たして自分が考えた通りになっていますか?希望通りでなかったとしても、囚われるようなことはない状態になっていますか?

決してそうではないんじゃないかという問題意識が、私には強く伝わってきます。政治の状況などどうでもいいのです(いや、多分団員はどうでもよくはないと思っているでしょうけど、ここでは論じません)。

なぜならば、演奏にかける情熱というか、鬼気迫るものが、隅から隅までに備わっており、特に吠える金管や、美しいアンサンブルは、本当にアマオケなのかと思わんばかりですし、勿論それはいつも通りだと思いますが、そのいつもどおりが、私の心を揺り動かすからなのです。

一番よく分かるのが、アンコールで、第10番の第2楽章が繰り返されるのです。でも、その演奏レヴェルは金管がひっくり返る分、下がります。でも、本番ではひっくり返らず、しっかりとアンサンブルで来ています。これが何を意味するのか。

え、そんなことは特段大事ではないでしょ?と思うかも知れません。でも、私は元アマチュア合唱団員です。音楽は人間が奏でるのです。しかも、これはプロではなく、他に仕事をもっているアマチュアなのです。本番にかける集中力、情熱、意識と言ったものが最大級となったのが本番であり、その本番を大成功に終わらせるために、団員たちは精進し、努力し、エネルギーを使っているということが、明確にわかる部分なのです。

2度目演奏するには、エネルギーを使い果たしている・・・・・それだけの力をもっている作品が、第10番であることを、この演奏は明確に教えてくれるのです。

弦が奏でる強烈なリズム。それが生み出す凶暴な世界・・・・・しかし、美しさを保とうとする旋律。そのバランスを取ろうとすると、人が持つエネルギーを使い果たしてしまう・・・・・ダスビ程のオケでも、アンコールで演奏するとなると、大変な作品であるということを、この演奏は明確に私たちに示しています。

ダスビというオケは決して特別な人たちが集まり、特別に何かをしているのではなく、普通の人たちが、普通に生活している中で感じているものを、音楽で最大級に表現するために、練習という場で、必死に精進していることを、この演奏は教えてくれるのです。




聴いているCD
ドミトリー・ドミトリエヴィチ・ショスタコーヴィチ作曲
交響曲第10番作品93
長田雅人指揮
オーケストラ・ダスビダーニャ

地震および津波により被害にあわれた方へお見舞い申し上げますとともに、亡くなられた方のご冥福をお祈りいたします。同時に原発の被害を食い止めようと必死になられているすべての方に、感謝申し上げます。




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