かんちゃん 音楽のある日常

yaplogから移ってきました。日々音楽を聴いて思うことを書き綴っていきます。音楽評論、想い、商品としての音源、コンサート評、などなど。

今月のお買いもの:オーケストラ・ダスビダーニャ 第22回定期演奏会2

今月のお買いもの、平成30年2月に購入したものをご紹介しています。今回は東京芸術劇場にて購入しました、オーケストラ・ダスビダーニャ第22回定期演奏会のCDの、2枚目です。

ダスビのCDの2枚組2枚目は、その定期演奏会のメインが収録されていることになる訳で、この第22回は交響曲第8番であるのは、以前エントリを立てた通りです。

コンサート雑感:オーケストラ・ダスビダーニャ第22回定期演奏会を聴いて
http://yaplog.jp/yk6974/archive/1273

この時、私はその演奏を評して、以下のように書いています。

「そして、最後に交響曲第8番です。これは以前、神奈川県立図書館のコーナーで作品はご紹介していますから作品紹介は省きますが、作品が持つ悲愴さや、その彼方にある希望などが、存分に表現されていたのは本当に素晴らしかったと思います。

まず、第1楽章の低音弦楽器群の出だしは重くそして荘重で、悲劇がすでに起こっていることを聴衆に知らせ、悲劇の地平におろすには十分でした。とにかく毎度のことでアンサンブルは素晴らしく、私達を曲が持つ世界へとぐいぐい引き込んでいきます。

まるでショスタコーヴィチの慟哭とも言えるこの作品、とくに圧巻は第3楽章以降であり、第3楽章冒頭はとにかく凶暴で、おどろおどろしく、戦争という暴力が持つ不条理を、これでもかと表現されていました。ダスビは本当にその点素晴らしいと思います。

ffの部分はもう音が塊となって四方八方から飛んできます。それゆえに、作曲者の想いや演奏者達の感情が此方にも伝わってくるようで、最後静かに終わった時には感動でホールがつつまれ、なかなか拍手が始まらないくらいでした。しかし、万来の拍手!情熱が前面に押し出されているにも関わらず、冷静さを微塵も失わないそのバランス感覚は、毎度舌を巻きます。」

ですが、これがCDになりますと、かなりヴォリュームを大きくしないと、再現できないんです。始め近所に配慮していつものレヴェルでヴォリュームを設定しましたら、どこか物足りないんです。おかしいなあ、こんなはずではないんだけどなあ、と。

それで、ふと気が付いたんです。これはレコーディング・エンジニアが絞ったな、と。

録音というのは物理的なものですから、当然ながら記録できる容量と言うものは決まっています。録音レベルを超えてしまうと音は割れてしまいますし、録音と言うものは実に繊細なものなのです。

この時のダスビの演奏は鬼気迫るもので、恐らく針が振りきれる寸前か、あるいは振り切れていると思います。となれば、録音レヴェルを絞ってやらないと、きれいな録音は出来ないってことなのです。だからこそ、戦後間もなく、恐らくカラヤンがなくなるくらいまでは、殆どのレコーディング・エンジニアが(それは介入したカラヤンも含め)イコライザをいじりまくっているんです。ですから、それが果たして大指揮者が本来しようとした演奏かどうかなんて、わからないわけです。あるいは、カラヤン同様、当時の技術が未熟だったからこそ、レコーディング・エンジニアに注文を付けることもあったはずです。

しかし、ダスビのこの演奏は21世紀。録音機器と録音のそれぞれの技術も進歩しました。あまりレコーディング・エンジニアがいじる余地はなくなりました。かろうじて残っているのが、録音レヴェルが適切かという点なのです。

ですから、わたしは2度目はヴォリュームを上げてみたのです。そうすると、3年前のコンサートが彷彿と甦ってきました。ダスビのCDにしては珍しいことで、それだけこの演奏はダスビに熱が入っていたものであると言えるでしょう。是非とも今度ダスビの演奏会に足をはこばれる方は、会場にて見かけましたら購入をお奨めします。ちょっとだけヴォリュームを上げてやれば、彼等の想いが詰まった、熱い演奏が部屋中を包み込むことでしょう。




聴いているCD
ドミトリー・ショスタコーヴィチ作曲
交響曲第8番作品65
長田雅人指揮
オーケストラ・ダスビダーニャ
(TMHD-20152)

地震および津波により被害にあわれた方へお見舞い申し上げますとともに、亡くなられた方のご冥福をお祈りいたします。同時に原発の被害を食い止めようと必死になられているすべての方に、感謝申し上げます。




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