かんちゃん 音楽のある日常

yaplogから移ってきました。日々音楽を聴いて思うことを書き綴っていきます。音楽評論、想い、商品としての音源、コンサート評、などなど。

今月のお買いもの:オーケストラ・ダスビダーニャ第21回定期演奏会2

今月のお買いもの、平成27年2月に購入したものをご紹介しておりますが、今回は2月8日のオーケストラ・ダスビダーニャ第22回定期演奏会の会場である東京芸術劇場にて購入いたしました、オーケストラ・ダスビダーニャ第21回定期演奏会のCDの2枚目をご紹介します。収録されているのは、ショスタコーヴィチ交響曲第13番「バビ・ヤール」です。

第13番「バビ・ヤール」については、このブログでもご紹介しております。

神奈川県立図書館所蔵CD:ショスタコーヴィチ 交響曲全集9

ykanchan.hatenablog.com



一応、もう一度このエントリでもウィキのページをご紹介しておきましょう。

交響曲第13番 (ショスタコーヴィチ)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%BA%A4%E9%9F%BF%E6%9B%B2%E7%AC%AC13%E7%95%AA_%28%E3%82%B7%E3%83%A7%E3%82%B9%E3%82%BF%E3%82%B3%E3%83%BC%E3%83%B4%E3%82%A3%E3%83%81%29

ものすごい「毒」である、社会批判や風刺は、とてつもないエネルギーを持っています。それをダスビは、全力で表現しています。私はこの作品をマーラーからの系譜と言いましたが、時代的にそれだけとは考えられないなと、このダスビの演奏から教えられたような気がします。それは、オルフの影響です。

カール・オルフカルミナ・ブラーナ。それも、社会批判や風刺を多分に含んでいますが、なおかつ動きを重視していて、そのためか強いエネルギーを持つ作品ですが、まるでカルミナ・ブラーナかと思わんばかりのリズミカルな部分も重視した演奏は、この第13番「バビ・ヤール」にしっかりと生命が宿っていることを、私達聴き手に教えてくれます。

特にそれが印象的なのは、第1楽章、第2楽章、第5楽章で、バルシャイが端正さを重視したのとは少し異なり、さらに生命力を重視したものとなっています。

まるで、今回聴きに行った第22回の様に、弦パートの団員が、体を揺らして弾いているのが目に見えるようです。ダスビの団員たちの想い、情熱と言ったものが音楽に乗り移り、確実に聴き手に伝わってくるのです。

勿論、私はこの演奏会には行っていません。どうしても動かせない用事があって、断念したのです。にも関わらず、まるでその場にいるような感覚がするのです。録音がいいせいもあるのでしょうが、それだけではなく、演奏レヴェルの良さが反映している、団員一人一人の、「バビ・ヤール」という作品に込めた想いというものが、そうさせているのだと思います。

演奏会のプログラムを転用したブックレットには、今だからこそバビ・ヤールを演奏するのだという文言がありますが、まさにその想いが、演奏をして私達一人一人に語りかけていると言っていいでしょう。日本もバビ・ヤールが作曲された時代と似た状況にあることを、団員も、そしてその場にいた人たちも共有し、その場が作り出す一種の雰囲気というものを、この演奏はしっかりと伝えてくれています。

これはライヴ音源の妙味でしょう。なかなかそれだけの熱気というか、雰囲気というものを伝えるCDはないものです。それが、このダスビのはいとも簡単に実現しています。バビ・ヤールを扱ったCDも国内盤はあまり見かけず輸入盤が多いという中で、国内盤であるこのダスビのCDが果たす役割は大きいでしょう。解釈、演奏様式、その他もろもろ。他の団体に及ぼす影響は決して小さくないと思います。

日本において、バルシャイのものと双璧を成すと思われるこのCDは、いずれ日本におけるショスタコーヴィチ演奏の基準となることでしょう。勿論、バルシャイ以外の指揮者、例えば全集を出している中ではハイティンクがそれに当たりますが、彼らの解釈や演奏が後退し、聴かれなくなるという事ではありません。その列に、ダスビが列せられ、むしろハイティンクよりも基準になるであろうという事なのです。

それだけのレヴェルを実現しているダスビというオーケストラを、我が国の誇りとして応援しないわけには、愛国者である私にはできない話です。これからも、しっかりと応援し続けていきたいと思います。

さて、次回のこのコーナーもダスビの演奏を取り上げますが、日本では今やCDを探すことも困難になりつつある作品をご紹介します。察しのいい方なら、あれかな〜とすでに予想しているはずですし、おそらくあっていると思いますが、それが何なのかは、次回までのお楽しみです!




聴いているCD
ドミトリー・ドミトリエヴィチ・ショスタコーヴィチ作曲
交響曲第13番「バビ・ヤール」作品113
岸本力(バス)
コール・ダスビダーニャ
長田雅人指揮
オーケストラ・ダスビダーニャ

地震および津波により被害にあわれた方へお見舞い申し上げますとともに、亡くなられた方のご冥福をお祈りいたします。同時に原発の被害を食い止めようと必死になられているすべての方に、感謝申し上げます。




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