かんちゃん 音楽のある日常

yaplogから移ってきました。日々音楽を聴いて思うことを書き綴っていきます。音楽評論、想い、商品としての音源、コンサート評、などなど。

今月のお買いもの:飯森範親と日本センチュリー交響楽団によるハイドン・マラソン17

今月のお買いもの、令和5(2023)年11月に購入したものをご紹介します。今回は毎度おなじみ、飯森範親指揮日本センチュリー交響楽団によるハイドン・マラソンの第17集です。オクタヴィア・レコードさんの通販での購入です。

はい、すでに第20集までエントリを立てておりますが、第18集を取り上げた時、このように述べました。

「あれ?第17集が抜けてません?というア・ナ・タ。おっしゃる通り、抜けております。というのも、実はe-onkyoネットストアでは第17集が取り扱われていないんですorz

何度も確認しましたが、取り扱いはないのです。そのため、まず第18集を先に購入した、というわけなのです。ですが第17集はCDで購入しましたので、今後取り上げる予定であります。」

ykanchan.hatenablog.com

そこで、第17集だけはCDを購入した、というわけです。現在、e-onkyoさんはQuobozとの統合を控えており、その影響なのかもしれません。なお、この統合に関しては、別途エントリを立てたいと思っております。おそらく年明けかな。

オクタヴィア・レコードさんの音源に関しては結構このようなケースがあります。例えば、久石譲指揮旧ナガノ・チェンバー・オーケストラのベートーヴェン交響曲全集も、第4番と第6番だけはCD・ハイレゾ双方とも全集でなければ購入できません。ブラームス交響曲全集にしても同様となっています。この辺りは、ハイドン・マラソンの購入が追い付いた場合、予算と相談して購入したいと思っています。おそらくハイレゾになると思います。ただ、この二つの全集に関しては、実は府中市立図書館でも分売分の取り扱いがあるんです。かなり被ることになるとは思うんですが・・・背に腹は代えられません。つまり、すでに借りてきている、ということになりますが・・・おそらく、エントリもハイレゾ分とCD分とで立てると思いますが、その際はご容赦くださいませ。

さて、今回の第17集には、2020年8月7日開催の第20回ハイドン・マラソンで演奏された曲が収録されています。いくつかの演奏会で演奏されたものを組み合わせてアルバムにするこのシリーズでは珍しいと思います。そのブックレットではっきりと、この第20回からはコンサート会場がザ・シンフォニーホールに移ったと記載がありました。やはりそうだったかと思いました。おそらくですが、2020年8月という時期が関係していると思います。いずみホールでも良かったのでしょうが、大きなホールで開催することで、少しでも感染拡大を防ごうという狙いがあったものと思います。そのうえで、人気も出てきていたシリーズだったと思われます。でなければ、安易にホールを変えることはしないはずです。いずみホールが改修に入ったという話も聞きませんし(改修はされていますがすでに2018年に終了済み)。

ザ・シンフォニーホールという大きなホールに移った最初の演奏会を収録したアルバムなわけですが、むしろ大きなホールに移ったからこその、ダイナミックな演奏が冒頭から始まります。収録されている曲は収録順に第33番、第48番「マリア・テレージア」、第36番の3曲。第33番も第48番も、第1楽章ではかなりダイナミックな作品ですが、それを思いっきりダイナミックに演奏し、生命が躍動する演奏になっているのは素晴らしい!気負ったところがなくむしろ自然で、感情が思わず湧き上がってくるかのようです。どこか、演奏できる喜びすら感じます。なるほど、これ以降の演奏で生き生きとしているのは、最初からだったんだなと思います。やはり、感染症対策と人気が出てきたというのが、ホールを変えた理由であると結論付けて間違いないでしょう。正確には訊ねてみないとわかりませんが、おそらくそれほど間違っていないと思います。演奏が物語っています。

ザ・シンフォニーホールという大きなホールで演奏できる喜び。それが爆発したかのような演奏が、すべての曲、楽章で随所に見られます。演奏している団員たちの喜び、楽しさが、ひしひしと伝わってきます。ともすれば、音楽で表現することが犯罪かの如く言われていた時期です。楽器で演奏することは必ずしも感染拡大の理由ではないんですが、何分ソーシャルディスタンスが叫ばれ始め、まだウイルスがどんなものなのかもあまりわかっていない時期です。そんな時期において、集まって演奏することへの不安は、社会に蔓延していた時期です。そんな時期に、演奏ができる喜びは、とてつもなく大きいものだったに違いありません。

加えて、この3曲は、ハイドンエステルハージ家に奉職した初期の作品です。当然、日本センチュリー交響楽団というオーケストラが、ザ・シンフォニーホールという新たなフィールドでの活動を、ハイドン・マラソンで始めたという意味合いもあったはずです(なお、ハイドン・マラソン以外は、すでにザ・シンフォニーホールでの演奏)。演奏がさらに生き生きしたものになるのも、当然と言えましょう。

今回はハイレゾではなくCDなわけですが、実はCDを直接聞いているのではなく、一旦Music Beeによりflacリッピングし、Tune Browserで192kHz/32bitにリサンプリングして聴いています。そのほうが、いつも聴いているflac192Hz/24bitに近いのでは?と思ったからです。たしかに、ハイレゾそのものに比べますと劣る部分もありますが、しかししっかりと臨場感が出ているように聴こえます。さすがTune Browserの実力だなあと思います。特にスピーカーの後ろで聴いていますと明確です。CD音質とハイレゾおよびハイレゾ相当の演奏は、スピーカーの裏で聴いて明確に差が出ます。この経験をしますと、CD音質には戻れませんね~。192kHzという周波数が必要かという議論は常にありますが、私自身は仮に44.1kHzであっても、24bitにはした方がいいと考えています。できれば、48kHz以上/24bitですね。実際、JPOPでも48kHz/24bitという音源が増えてきています。なのでCDでいいじゃないかというのは、かなり時代遅れになってきていると言えましょう。

特に私自身、それを突き付けられたのが、この飯森範親指揮日本センチュリー交響楽団ハイドン・マラソンでした。はじめ96kHz/24bitで買い始めましたが、192kHzを購入して目を見開されました。その経験が、私にはありますので、CDでいいよという人は、オーディオの音で満足してしまっているんだろうなあと思います。コンサートに足を運び始めますと、そのうちCD音質では満足しなくなると思います。そのあたり、実はこのハイドン・マラソンのCDはSACDハイブリッドのDSDでの記録なので、初めからハイレゾ音源であると言えます。BCJでもそうですが、明らかに海外進出を念頭に置いているのでは?と思います。特に大阪ですと、海外からLCCで多くの観光客が訪れます。耳の肥えたお客様も、コンサート会場に足を運ぶ可能性があり、そのお客様が気に入って音源を購入するなんて、容易に想定できますから。私もSACD対応のデッキを持っていたら、もっと早くハイレゾへ移っていたと思います。持っておらず私自身もCD音質で満足していた一人ですが、確かにそれは安価ですが、ではどこまでCDを買って持っておけるのか、場所はあるのか?という問いの中で、ハイレゾへの移行を決断しましたが、今となってはそれでよかったと思っています。デッキ等で多少の制限はありますが、かといってとても狭いわけではありません。すでにスマートフォンはほとんどがハイレゾ対応のデッキとなっていますし、時代は急速に変わってきていると思います。この辺りはまた、Quobozとr-onkyoの統合を扱ったエントリで語りたいと思います。

その意味では、祝うべき第20回を収録した第17集が、CDだけというのは、なんだかもったいないなあとも、思っています。やはり、ハイレゾ192kHz/24bitもそろえるほうがいいと私はおもいます。是非とも、オクタヴィア・レコードさんやe-onkyoさんに、翻意を願います。

 


聴いているCD
ハイドン・マラソン17
フランツ・ヨーゼフ・ハイドン作曲
交響曲第33番ハ長調Hob.I:33
交響曲第48番ハ長調Hob.I:48「マリア・テレージア」
交響曲第36番変ホ長調Hob.I:36
飯森範親指揮
日本センチュリー交響楽団
(EXTON OVCL00798)

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