かんちゃん 音楽のある日常

yaplogから移ってきました。日々音楽を聴いて思うことを書き綴っていきます。音楽評論、想い、商品としての音源、コンサート評、などなど。

コンサート雑感:Orchestra HAL 第23回定期演奏会を聴いて

コンサート雑感、今回は令和5(2023)年9月2日に聴きに行きました、Orchestra HAL 第23回定期演奏会のレビューです。

Orchestra HALさんは、このブログでも何度か取り上げているアマチュアオーケストラです。病気になり経済的に苦しくなったこともあり、しばらくはコンサートへ足を運べなかったのですが、ようやく足を運ぶことが出来ました。特に今回は、直前まで行くかどうか迷いました。なぜなら、場所がティアラこうとうだったから、です。

HALオケさんは実力もあるので、ぜひとも聴きに行きたいアマオケの一つですが、何分私は現在足が悪いので・・・・・歩くのがつらいこともしばしばなんです。ただ、ようやく寛解状態にはなってきましたので、状態がいいこともあり、思い切っていってみようと、今回は足を運びました。実は、前日に宇都宮まで行ってきたのですが、その経験から帰りの車内でチケットを取るという・・・・・実は、これできついなら今回はあきらめて別の団体を聴きに行くことも検討していましたが、多少疲れた程度だったので、翌日行くことを決断しました(実際、本当に辛ければもう一方もあきらめるつもりでいました)。ティアラこうとうは、東京都江東区の区民ホールです。最寄り駅は地下鉄住吉駅。案内では駅から4分とあるのですが実際にはホームからホールまでは15分くらいは見ておく必要があります。つまりはそれだけ歩くのですね・・・・・そのため、場合によってはあきらめるというつもりでいた、というわけです。

今回のプログラムは、以下の通り。

ウェーバー 歌劇「魔弾の射手」序曲
②ドリーブ バレエ音楽コッペリア」抜粋
ベートーヴェン 交響曲第5番「運命」

聞きなれた曲ばかりでは?という方もいらっしゃるかと思いますがおっしゃる通りです。しかし、それをHALオケさんが演奏し、しかもホールはティアラこうとう。これは見事な演奏になるに違いない!と半ば確信めいたものを感じたので、足を運ぶことにしました。特に、メインはベートーヴェンの「運命」ですから。

まずは1プロの「魔弾の射手」。超有名曲と言ってもいい作品ですが、それだけにアラも目立つ作品だと言えます。実際、pで柔らかく響かせなくてはならない金管アインザッツは遅れ気味。実に難しい曲であることを意味しています。それでもHALオケさんなので、見事な熱のこもったアンサンブル。これってアマオケなの?と思わんばかりの演奏が繰り広げられます。こういう演奏が聴けるからこそ、HALオケさんの演奏会って行きたくなるんですよね~

2プロの「コッペリア」。知らないよという人もいらっしゃるかもしれませんが、2曲目の「ワルツ」はCMとかで聴いたことがあるという人も多いかと思います。聴けば「ああこれ!」と思い出す人もいるのでは?そのワルツでは弦パートはノリノリ!楽しんでいる様子がこちらにも伝わってきます。そもそもがこの曲、原作はちょっと怖い作品なのですが、そこからユーモラスな部分を抜き出して、楽しい作品にしているもので、その楽しさが十分に表現されていると思います。実は楽しいだけではなく、楽しさということで伝えたいものも内包している作品ですが・・・・・

そして、メインの「運命」。いやあ、指揮者の石毛さん、いいテンポで振ってくださいます!私の好みど真ん中!フェルマータはちょっと短めですがしかし全く気になりません。この辺りはさすがの譜読みだなあと思います。ただ、「運命」も実は難しい曲で、第1楽章第1主題の「だだだだーん!」では、ちょっとだけアインザッツが合わないことも。しかし目立つほどではありませんし実はプロオケでも時として発生します。やせた音とかが目立つわけでもないですので、全く問題なかったと言って差し支えないです。

第2楽章の美しさと言ったら!いや、第2楽章だけではありません。全楽章において美しい!それでいて、第3楽章から第4楽章にかけては力強さもあり、私が「勝利の音楽」と呼ぶ第4楽章に入ったとたん、金管のファンファーレで思わず泣いてしまいました。美しく力強い勝利の音楽!難病に罹患し、人生が変わった私にとって、まさに魂が揺さぶられる演奏です。最後まで美しさと力強さが存在したまま疾走し、フィナーレ!皆さん、感動してしばらく余韻を楽しんだうえで、万来の拍手が鳴り響きました!

今回のコンサートでは、どの曲でも素晴らしい演奏なのに、聴衆の皆さんはすべて残響まで味わったうえで拍手されていました。それは単に力強いだけではなく、美しさも兼ね備えた演奏だったからこそだと思います。ホールをしっかり楽器として使いつつ、自分たちが音楽を楽しんでいることを表現しているその様は、聴衆に共感を与えていたように思われます。私自身、音楽を楽しむ喜びを感じていました。この演奏が、無料なんです。嘘のようですが本当です。ただ、次回からは有料になるとのことですがそれでも500円。いやあ、1000円取っても全く不思議はない演奏ですが。とはいえ、実は無料だととても安く演奏会が開けるのですが、むしろ何か私たちにその分フィードバックしたいことがあるのかな?と思っています。それなら喜んでチケット代払います!500円なら、おそらく何とかなるはず・・・・・

次回はホールがなんとアプリコ!私も舞台に立ったホールです。あのアプリコで、どんな演奏を聴かせてくれるのか、今から楽しみです。

 


聴いてきたコンサート
Orchestra HAL 第23回定期演奏会
カール・マリア・フォン・ウェーバー作曲
歌劇「魔弾の射手」序曲
クレマン・フィリベール・レオ・ドリーブ作曲
バレエ音楽コッペリア」より
前奏曲マズルカ
②ワルツ
③スラヴの主題による変奏
ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン作曲
交響曲第5番ハ短調作品67「運命」
アンコール
クレマン・フィリベール・レオ・ドリーブ作曲
バレエ音楽コッペリア」より「チャルダッシュ
石毛保彦指揮
Orchetra HAL

令和5(2023)年9月2日、東京江東、ティアラこうとう大ホール

地震および津波、水害により被害にあわれた方へお見舞い申し上げますとともに、亡くなられた方のご冥福と復興をお祈りいたします。同時に救助及び原発の被害を食い止めようと必死になられているすべての方、そして新型コロナウイルス蔓延の最前線にいらっしゃる医療関係者全ての方に、感謝申し上げます。