かんちゃん 音楽のある日常

yaplogから移ってきました。日々音楽を聴いて思うことを書き綴っていきます。音楽評論、想い、商品としての音源、コンサート評、などなど。

コンサート雑感:アンサンブル・コンソルテ第30回演奏会を聴いて

コンサート雑感、今回は平成31年2月11日に聴きに行きました、アンサンブル・コンソルテの第30回演奏会を取り上げます。

結構前から、この団体の名前は知っていましたが、ここもなかなか聴きに行く機会に恵まれませんでした。今回その機会に恵まれた一つの理由は、MAXさんかオルケストル・デ・ベルさんどちらかの演奏会でチラシが入っていたことだったと思います。

いや、それだけでも行くとなるとなかなか叶いません。行けることになったのは、そのプログラムが私をして優先すべきと判断するに至ったからです。そのプログラムとは、ベートーヴェンの第九。

ちょうど、私自身、2月2日に第九を歌うことになり、さらに強く第九という作品に惹かれていたときです。確かこの団体、室内オケだったはずだと思い、ぜひとも行きたいと思った次第なのです。

最近、アマチュアでも室内オケは優れた団体が出てきています。それだけ日本のクラシック音楽の裾野は広がっていると言えるかと思います。室内オケの第九もアマチュアながらも聴きに行ってもいます。そんな中で再び室内オケで第九、しかも自分も歌う作品をということで、ぜひともとなった次第なのです。

しかもです、これは後からわかったことですが、2月2日にいっしょに歌う仲間が参加しているというではありませんか!不思議なめぐり合わせです。

アンサンブル・コンソルテは、優れたアンサンブルの実現を自立ということで確立しようという、アマチュアとしてもかなり高い理想を掲げて出来上がった団体です。途中かなり紆余曲折はあったようですが、しっかりとできているようにコンサートを聴いた限りでは思いました。

http://econ.sakura.ne.jp/consorte.htm

相互の対話も重視し、かなり意欲的な団体だなって思います。まあ、これだけでもプロオケとの比較で一つエントリが書けるのでそれは横においといて・・・・・

当日のプログラムは以下のとおりです。なかなか最近体調が思わしくなく、1プロが聴けずにいるのですが、このときも同様で、ハイドンは聴けずじまい。しかし、彼らの理想を知りますと、1プロもぜひ聴きたかったなあと思います。

ハイドン 交響曲第26番ニ短調「ラメンタチオーネ」
ベートーヴェン 交響曲第9番ニ短調 Op.125 「合唱付き」

ハイドンは彼らのライフワークとなっているそうで、調べてみると本当にモーツァルトのオペラをやったとき以外はすべてハイドン交響曲を取り上げているんです。こういった団体、私は好きです。基本をしっかりとやろうというところからしか革新的なものは生まれませんから。

で、第九です。編成は両翼配置で、最近の流行りだなあって思いますが、それがアマチュアでも一定の優れた演奏になっているのは本当に時代の移り変わりを感じます。こういった点で、私はどうもクルレンツィスの熱狂には参加できないんですよねえ・・・・・

このアンサンブル・コンソルテさんもすばらしいアンサンブルで、痩せた音などどこにもありません。これのどこがアマチュア?と思わんばかりです。まあ、ホールの良さも手伝ってはいると思います。ロケーションはティアラこうとう大ホール。

このティアラこうとうは、見た目シューボックスなので音が塊で飛んでくるように思うんですが、じつにマイルドな音に仕上がるホールです。当日もオケが力強く弾いてもそれが天井から降ってくる感じなんですよね。それはホールもさることながらオケがそもそも実力があることを示しています。

一つアマチュアらしい部分があったとすれば、第1楽章では多少ごちゃごちゃした部分がヴァイオリンにあったかなって思います。これ、聴いていてちょっと残念だなあって思っていました。体をもっと動かせばいいのにって思いましたが、まだノッていなかったのかもしれません。楽章が進むに連れて目立たなくなり、第4楽章のナポレオン・マーチの後のあのオケが動く部分では細かい部分すら聴き取れて、これぞ室内オケの醍醐味!と思いました。

決して芳醇とまではいかないのに、しかししっかりと力強く生命力があり美しい演奏。じんわりと感動で潤んでいるのが自分でもわかります。特に合唱が入ってからはもう・・・・・涙涙、です。

その合唱ですが、本当にすばらしい!特にソプラノはまったくぶら下がっていないんです。これ、あたりまえのように思いますけれどアマチュアで高いレベルで実現させるのは本当に大変なんですよ!男声も数で劣っているにもかかわらずしっかりと響かせていましたし、テノール・ソロもすばらしい!そのすばらしい男声合唱に入る前の、私が常に問題にするVor Gott!の部分は変態演奏を噛ましてくれましたからなおさらです!Vor1拍に対しGott!はなんと5拍!さらに残響は1秒多い2秒で、全体で7秒!いやあ、指揮者大河内氏、やってくれますねえ。

その後での男声合唱のすばらしいこと!もう、完璧です。感動するというよりも、喜びが体の中に入ってきて、その中から溢れ出てくるって感じなのです。聴いている時間がとても満ち足りていて、正直言って私にはクルレンツィスとムジカ・エテルナは必要ないって思いました。

テンポは速めで筋肉質。ティンパニはぶっ叩いてくれますし、本当に第1楽章のごちゃごちゃした部分以外は非のうちようがない!2月2日に自分が歌っただけに、喜びはなおさら満ちていたのかもしれません。

さらに全体を言えば、テンポと解釈の中に現代的な部分と19世紀的な部分とが散見され、それが見事にアウフヘーベンし、美しい演奏へと結実していたように思います。アマチュアの演奏でそんな高いレベルのものが聴けるなんて思いもよりませんでした。これも自分がクルレンツィスとムジカ・エテルナなど必要ないって思った理由でした。これほどすばらしい団体なのに、募金箱がおいてあるんですよ、会場に・・・・・活動が継続できるために、と。皆さん、どこ向いているんですかって思いました。もちろん、クルレンツィスとムジカ・エテルナの演奏はすばらしいと私も思います。けれども匹敵するようなアマチュアがいるのに、そこを目をつぶるってどういうこと?って思います。

それは私自身への反省でもあります。これほどのオケをほったらかしにしてきたんですから。できるだけ定期的に足を運びたいと思います。次回は7月14日。演目はまだ発表になっていませんが、どんな作品でもこの団体ならばすばらしい演奏を魅せてくれることでしょう。




聴いてきたコンサート
アンサンブル・コンソルテ 第30回演奏会
フランツ・ヨーゼフ・ハイドン作曲
交響曲第26番ニ短調「ラメンタチオーネ」Hob.I-26
ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン作曲
交響曲第9番ニ短調作品125「合唱付き」
工藤志州(ソプラノ)
杣友恵子(アルト)
角田和弘(テノール
大塚雄太(バリトン
アンサンブル・コンソルテコーア
大河内雅彦指揮
アンサンブル・コンソルテ

平成31(2019)年2月11日、東京江東、ティアラこうとう大ホール

地震および津波、水害により被害にあわれた方へお見舞い申し上げますとともに、亡くなられた方のご冥福と復興をお祈りいたします。同時に救助及び原発の被害を食い止めようと必死になられているすべての方に、感謝申し上げます。




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