東京の図書館から、今回は小金井市立図書館のライブラリである、ヴィヴァルディのヴァイオリン協奏曲集「ラ・ストラヴァガンツァ」作品4を収録したアルバムをご紹介します。
このアルバムは2枚組ですが、今回は一つとして扱います。それはこの作品が12のヴァイオリン協奏曲集であるからです。
二つでわけてもあまり意味がないので、通して聴いたうえで書いています。
上記ウィキの説明通り、古い様式が入っている協奏曲集ですが、基本的には3楽章制の協奏曲集となっています。合奏協奏曲の様式となっているのは第7番だけです。
おそらく、「ラ・ストラヴァガンツァ」という名称になっているのはその新旧の様式が混ざっているが故なのでしょう。言いえて妙だと思います。
演奏は古楽オケのエンシェント室内管弦楽団。ですので指揮者はホグウッド。とはいえ古楽のように聴こえないのが不思議です。生命力もある生き生きとした演奏は、バロックの協奏曲らしい楽しさが全面に出ています。
もちろん古楽の響きはもっているのですが、そう聴こえないのが不思議なのです。そのうえでの生命力ある演奏は、ヴィヴァルディの作品がまるで現代的なものであるかのように錯覚します。
バロックの作品で意外ですがヴィヴァルディほど軽く扱われる作曲家はいないようにおもわれます。しかしバロック期においてヴィヴァルディほど前衛的な作曲家もおらず、こういったヨーロッパのオケはその歴史的な意義をしっかりと踏まえた上でスコアリーディングをしているように思います。
ヴィヴァルディは精神性が・・・・・とか言うのは聴衆としては自由だと思いますが、しかし一方で日本の団体がそれに引きずられるようでは、むしろ欧米という市場を失いかねない暴挙だと言えるでしょう。
聴いている音源
アントニオ・ヴィヴァルディ作曲
ヴァイオリン協奏曲集「ラ・ストラヴァガンツァ」作品4
協奏曲第1番変ロ長調RV383a
協奏曲第2番ホ短調RV279
協奏曲第3番ト長調RV301
協奏曲第4番イ短調RV357
協奏曲第5番イ長調RV347
協奏曲第6番ト短調RV316a
協奏曲第7番ハ長調RV185
協奏曲第8番ニ短調RV249
協奏曲第9番ハ長調RV284
協奏曲第10番ハ短調RV196
協奏曲第11番ニ長調RV204
協奏曲第12番ト長調RV298
モニカ・ハジェット(ヴァイオリン)
クリストファー・ホグウッド指揮、ハープシコード、チェンバーオルガン
エンシェント室内管弦楽団
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