かんちゃん 音楽のある日常

yaplogから移ってきました。日々音楽を聴いて思うことを書き綴っていきます。音楽評論、想い、商品としての音源、コンサート評、などなど。

東京の図書館から~小金井市立図書館~:ノイマンとチェコ・フィルによるマルチヌー交響曲全集3

東京の図書館から、3回シリーズで小金井市立図書館のライブラリである、ヴァーツラフ・ノイマン指揮チェコ・フィルハーモニー管弦楽団の演奏によるマルチヌーの交響曲全集を取り上げていますが、今回はその第3回です。

最後3枚目には、第5番と第6番が収録されています。特に第5番は、チェコ・フィルに献呈された作品で、第2回「プラハの春」音楽祭で初演された作品です。つまり、チェコ・フィルにとてもゆかりのある作品なのです。

そのせいなのか、むしろこの全集では第5番こそ戦争後の明るい雰囲気を感じるものになっています。他の演奏と比べても、単なる愉悦だけではない、マルチヌーらしい複雑な部分もしっかりと表現されており、まるで音の織物です。

第6番はロジェストヴェンスキーが「豊かな音楽」と評したように、さらに複雑な音楽を持つ作品ですが、その複雑なことを楽しんでいる様子が目に浮かびます。精神性を力いっぱい・・・・・という多少肩ひじがはるようなこともなく、自然体な演奏からは、作曲者へのリスペクトと共感が見て取れます。

そして、その指揮者とオーケストラの「愉悦」と「共感」は、私の魂を喜びで満たしてくれます。こういう不思議な作用が、マルチヌーを聴く魅力なんです。

さて、最近はマルチヌーではなくマルティヌーと表記するようにもなってきたようですが、あえてCDの表記通りマルチヌーとしています。そもそもチェコ語の発音だと日本語にすればマルチヌーですし。ただ日本の協会が国際協会の支部になったついでにマルチヌーからマルティヌーに変えたとのこと。そうなると今後はマルティヌーのほうがいいのかもしれません。

いずれにしても、マルチヌーの音楽が国際的な広がりを見せてのことなので、その広がりは歓迎したいと思います。マルチヌーの芸術は崇高というものではないですがしかし自由で自在で洒脱です。聴いていて魂が喜びを感じるものです。音楽とは何か?を突き詰めた作品であるともいえるのです。そんな芸術が広がっていることはとても喜ばしいことです。

実はこの全集、私はflacに変換してスマホに入れてあります。勿論聴く時にはDSEE HXを動作させてとしていますが、ブリリアント・クラシックスのものもあるのになぜこちらを選んだのかと言えば、この全集の総括になるかと思いますが、何よりもチェコ・フィルの細部までしっかりとした表現と、複雑性を楽しんでいる姿勢です。マルチヌーの芸術が何たるかをしっかりと認識しているこの演奏は、聴いているうちに自然と楽しくなってくるから不思議なものです。

スプラフォンにしてはDSEE HXを動作させて聴きますと感じる空気感。そしてチェコ・フィルの細部までに行き届いた繊細で力強い、生命力を感じる演奏。マルチヌーの交響曲という芸術を雄弁に語っている、優れた全集です。おお!小金井やるな!と思うライブラリです。

 


聴いている音源
ボフスラフ・マルチヌー作曲
交響曲第5番
交響曲第6番「交響的幻想曲」
ヴァーツラフ・ノイマン指揮
チェコ・フィルハーモニー管弦楽団

地震および津波、水害により被害にあわれた方へお見舞い申し上げますとともに、亡くなられた方のご冥福と復興をお祈りいたします。同時に救助及び原発の被害を食い止めようと必死になられているすべての方、そして新型コロナウイルス蔓延の最前線にいらっしゃる医療関係者全ての方に、感謝申し上げます。