かんちゃん 音楽のある日常

yaplogから移ってきました。日々音楽を聴いて思うことを書き綴っていきます。音楽評論、想い、商品としての音源、コンサート評、などなど。

東京の図書館から~小金井市立図書館~:ノイマンとチェコ・フィルによるマルチヌー交響曲全集1

東京の図書館から、今回から3回シリーズで、小金井市立図書館のライブラリである、ヴァーツラフ・ノイマン指揮チェコ・フィルハーモニー管弦楽団の演奏によるマルチヌーの交響曲全集を取り上げます。

以前、マルチヌーの作品に関しては交響曲とピアノ協奏曲を取り上げています。マルチヌーは多少マイナーな作曲家ですので、その時に紹介したCDだけでも十分だとも言えます。ところがです、小金井市立図書館に交響曲全集を見つけてしまったんです。

それなら、どうせデータで済むわけですし、別な演奏を持ってもいいかな、と思ったのが借りた動機です。しかも、マルチヌーの祖国チェコを代表するオーケストラ、チェコ・フィルの演奏ですし、タクトは巨匠ノイマン。これは面白そうだと思ったのです。

クレジットを見てみると、たとえば今回ご紹介する1枚目に収録されている第1番と第2番の録音は1977年、プラハ、芸術家の家。そんな時期に、我が国ではそれほど有名とは言えないマルチヌーの交響曲全集を収録していたのか!と目からうろこでもあります。

第1番からマルチヌーの特徴的な和声が前面に出ており、その和声が織り成す幻想世界がなんとも言えず魅力的。チェコ・フィルの弦と金管のバランスの良さも、作品の生命を引き出すのに適切な役割を果たし、マルチヌーの「世界」がすぐそばにあるかの如くです。

マルチヌーは20世紀チェコを代表する作曲家です。ですので音楽はいわゆる20世紀音楽。そのごった煮でしかし個性が強烈な音楽が私にとっては何より魅力なのですが、その点を全く外していないのがこの演奏なのです。元レーベルはスプラフォンだったと思いますが、いやいやどうして、初めて聴いたブリリアント・クラシックスのものとどちらがいいか、迷うくらいです。

マルチヌーもわが国のプロオーケストラのコンサートピースとしては珍しいというか、まず乗らない作曲家だと言えます。でもそろそろ、スメタナの「我が祖国」だけでなく、マルチヌーがコンサートピースとして乗ることがあってもいいように思います。その意味では、この1枚目は導入編として及第点以上のものをもっていると言えましょう。

 


聴いている音源
ボフスラフ・マルチヌー作曲
交響曲第1番
交響曲第2番
ヴァーツラフ・ノイマン指揮
チェコ・フィルハーモニー管弦楽団

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