かんちゃん 音楽のある日常

yaplogから移ってきました。日々音楽を聴いて思うことを書き綴っていきます。音楽評論、想い、商品としての音源、コンサート評、などなど。

想い:仙台育英高校野球部 須江監督のコメントから考える事

想い、今回はコロナ禍における音楽活動を考えます。

第104回全国高校野球選手権大会は、仙台育英高校の優勝で幕を閉じました。深紅の大優勝旗が「白河の関」を初めて越えるという、歴史的結果となりました。

一方で、優勝した仙台育英高校野球部監督である、須江監督のコメントは、私にとってとても感動的なものでした。

「(高校の)入学どころか、おそらく中学校の卒業式もちゃんとできなくて、高校生活はなんというか、僕たち大人が過ごしてきた高校生活と全く違うんですが、青春ってやっぱり密なので、(行事など)そういうことは全部ダメだダメだと言われて、活動していてもどこかでストップがかかって。どこかで止まってしまうような苦しいなかで、本当に諦めないでやってくれた。でもそれをさせてくれたのは僕たちだけじゃなくて、やっぱり全国の高校生のみんなが、本当によくやってくれた。例えば今日の下関国際さんもそうですが、大阪桐蔭さんとか、そういう目標になるチームがあったから、どんな時でも諦めないで、暗い中でも走っていけた。本当にすべての高校生の努力の賜物で、ただただ僕たちが最後にここに立ったというだけなので、ぜひ全国の高校生に拍手してもらえたらなと思います」

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動画はこちら。

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ここで須江監督が言われている「全国の高校生」とは誰を指すのだろうか、と考えてしまったのです。高校球児?それはあるでしょう。しかし球児だけだったのだろうかと思うのです。それは以下の部分に表れていると私は考えます。

「(行事など)そういうことは全部ダメだダメだと言われて、活動していてもどこかでストップがかかって。どこかで止まってしまうような苦しいなかで、本当に諦めないでやってくれた。」

これは、たとえば応援に来ている吹奏楽部などを念頭にも置いているのではないだろうかという気がするのです。特に合宿などは密になりますから、やめになったという例は吹奏楽部においては全国的に普通に聞かれることでした。甲子園は1年だけだったけれど、吹奏楽部のコンクールなどはいまだに開催されておらず、今年ようやく開催となっているようです。

スポーツだけではなく、文化的な部活動も多大な影響を被った、新型コロナウイルスによる感染拡大。特に吹奏楽部にとってはコンクールだけではなく、甲子園での応援すらかなわなかったのです。それが今年になってようやく解禁された・・・・・その思いを須江監督はもっておられたのではないかと、私は想像するのです。

須江監督は現役時代、控えで公式戦に出ておられません。そういった「弱きものの気持ち」がわかる監督だからこその結果が、決勝戦の岩崎君の試合を決める満塁ホームランに出たように、どこか苦しんでいる人に対する優しいまなざしを感じるのです。

試合をテレビで見ていて、仙台育英高校の学校での応援にサッカー部も来ていたことも、この監督の人柄を感じさせるシーンでした。部活動の垣根なく、応援したいと思わせる、苦労人だからこその人柄を感じます。それが「全国の高校生に拍手を」という言葉につながっているのだろうなと思います。

この辺りはぜひとも、インタビューの機会があれば尋ねてみたいところです。そしてさらに印象に残ったのがこのコメント。

「例えば今日の下関国際さんもそうですが、大阪桐蔭さんとか、そういう目標になるチームがあったから、どんな時でも諦めないで、暗い中でも走っていけた。本当にすべての高校生の努力の賜物で、ただただ僕たちが最後にここに立ったというだけ」

例えば、吹奏楽部に所属する高校生にとって、目標とするものがなんであるかも、重要ではないかと思います。コンクールであれば有力校と言われる学校でしょうし、其れ以外であれば、地元で活躍するアマチュアオーケストラや、プロの団体、ソリストたちではないかと私は思うのです。

どんな形であれ、演奏活動をし続ける・・・・・そのことが、次世代にとってとても大事な灯台であるのだと、改めて思うところです。仙台育英高校の優勝は改めて、高校野球の歴史を塗り替えただけでなく、文化を受け継いでいくのには何が大事なのかを考えさせていただいた、とてもいい機会であったと思います。とにかく、優勝されたことをお祝いしたいと思います。仙台育英高校、優勝おめでとうございます!


地震および津波、水害により被害にあわれた方へお見舞い申し上げますとともに、亡くなられた方のご冥福と復興をお祈りいたします。同時に救助及び原発の被害を食い止めようと必死になられているすべての方、そして新型コロナウイルス蔓延の最前線にいらっしゃる医療関係者全ての方に、感謝申し上げます。