かんちゃん 音楽のある日常

yaplogから移ってきました。日々音楽を聴いて思うことを書き綴っていきます。音楽評論、想い、商品としての音源、コンサート評、などなど。

今月のお買いもの:聖ヶ丘教会聖歌隊 讃美歌集

今月のお買いもの、令和4(2022)年6月にe-onkyoネットストアにて購入したものをご紹介します。聖ヶ丘教会聖歌隊が歌う讃美歌集を収録したハイレゾアルバム、flac196kHz/24bitです。

東京渋谷にある、プロテスタントの教会である、聖ヶ丘教会。佛教徒の私であればなかなかご縁がなかった教会なのですが、実はこの教会、一度だけ行ったことがあるんです。Setagaya Quodlibetさんの第2回演奏会を聴きに行った時です。

ykanchan.hatenablog.com

この時は聖堂で聴いたのですが、その時の響きの記憶と、今回の響きの記憶とがかみ合わないんです・・・・・この演奏のロケーションが教会なのか別の場所なのかがわかりませんので断言できないんですが、聴くだけではほかの場所なのかしらん?と思ってしまいます。けれど多分、聖堂だと思うんですけど。よく響いています。もしかすると、これが本当の聖ヶ丘教会聖堂の響きなのかもしれませんね。

www.hijirigaoka.jp

さて、収録されている曲は比較的私たち日本人になじみ深いものが多いように思われますが、しかし多くの人がこのように首をかしげるかもしれません。あれ?讃美歌ってカトリックじゃないの?と。

私も最初そう思ったのです。バッハだとコラール、つまり「聖歌」なので。しかし調べてみると、むしろカトリックこそ「聖歌」であり、「讃美歌」はプロテスタントでも団体別で異なることが分かったのです。まあ、基本仏教徒、しかも曹洞宗の私であれば知らなくて当然であったともいえますが。

gimon-sukkiri.jp

聖ヶ丘教会は日本基督教団です。なので「讃美歌」なのですね。おそらく、ドリフターズも「全員集合」の有名ネタ「ドリフの聖歌隊」はこの聖ヶ丘教会が渋谷にあることが理由だったのかもしれません。あの時も「讃美歌」でしたから。

疑問がすっきりしたところで、聴き進めていくと・・・・・あれ?これどこかで聞いたことがあるんだけどという曲がクラシックファンであれば4曲出てきます。第9曲目の讃美歌2編第152番「古いものはみな」、第13曲目の讃美歌2編第59番「すべてのもの統らすかみよ」、第15曲目の讃美歌第298番「やすかれ、わがこころよ」、そして最後の第25曲目の讃美歌第136番「血しおしたたる」の4曲です。

それぞれ、グリーンスリーヴズ、ブラームス交響曲第1番第4楽章、シベリウスフィンランディア、そしてバッハマタイ受難曲です。それぞれ原曲から讃美歌になっています。いや、第136番はそもそも讃美歌が原曲では?と思いがちですが、原曲はバッハというよりはコラールです。ですからコラールから転じて讃美歌になったと言えるでしょう。それぞれyoutubeにアップされていますから、音楽が聴きたい方はそれぞれの名前をコピペして検索して、聴いてみていただきたいと思います。ちなみに、第16曲目の讃美歌2編第167番「われをもすくいし」は「アメイジンググレイス」ですが、これは元々讃美歌です。

この演奏は日本の聖歌隊なので、すべて歌詞は日本語です。そんなもの買ってどうすんの?やはり原語だろ?という方もいらっしゃるかもしれません。しかし日本の教会で原語で歌われることはほとんどありません。これは仏教とは異なるのですが、なぜだと思いますか?それは、宗教活動の一環だからです。つまり、主の教えを門徒に伝えるという目的を持っているがこそ、なのです。実は仏教においても、書き下しや現代語にお経がかかれていることも最近では多くなりました。それでこそ生きている信仰だと思います。

確かに、原語の讃美歌を聴くことも大切だと思います。しかし、同じ民族で、すぐ隣に住むかもしれない同じ市民である、日本基督教団の信徒たちが、教会でどのような歌を、どのように歌っているのかを知るには、やはり彼らが日頃歌っている日本語の歌詞のものを聴くのが最も適しています。ここに収録されている讃美歌すべてを聴いていますと、私は実際キリスト者ではなく曹洞宗であるにも関わらず、心に染み入る曲ばかりです。

それはおそらく、日本語であるのと同時に、聖歌隊が歌っているということにもあるのだと思います。聖歌隊は通常プロではなく、常に練習こそすれ信徒たちですからアマチュアなのです。勿論中にはプロだけど信徒として参加しているという方もいらっしゃるかもしれませんが。いずれにしてもアマチュアなのです。それだけに同じ市民が歌っているという意識があり、魂に伝わってくるものがあります。

実際、私は仏教徒なのに聖歌隊として駆り出されたことがあります。川崎市宮前区にある、鷺沼サレジオ教会の聖歌隊がどうしても数が足りないので、手伝ってほしいと、当時合唱団で一緒だった信徒の団員から頼まれて、一日聖歌隊を務めさせていただいたことがあります。非常に喜ばれたことを思い出します。そのため何度かその手伝いを引き受けたことがあります。仏教でも、阿弥陀如来はすべての衆生を救い給う仏です。ならば、たとえその対象がキリスト教徒であろうとも、人助けをすることになんの迷いがあらんや、と判断したが故です。或いは大日如来薬師如来です。その法力ですべての衆生をお救い下さるのです。目の前に人が足らずに困っている人がいる。ならば、助けよう、自然な流れでした。

そして、教会はそんな私を受け入れてくださり、お礼までしてくださったのです。いまでも感謝してもし尽くせません。でもその経験があったればこそ、信じる宗教こそちがえど、おなじ市民、おなじ日本人であるという感覚が私の中に育っていきました。

だからこそ、この演奏が聖ヶ丘教会聖歌隊だと知って、ぜひともと思ったのです。しかもflac192kHz/24bitのハイレゾ。まるであの日聖堂で聴いたような、生きている信仰が聴こえてきます。魂が癒されるというか、温かいものが魂のなかに入ってくるような感覚すらします。それはプロが歌詞の意味をその都度勉強して歌うのとは異なる、アマチュアが毎週歌い継いでいるという、生きている信仰がなせる業であると言えるでしょう。

私自身の病気平癒のため、薬師寺に行きたくなりました・・・・・オンコロコロスンダリマトウギソワカ薬師如来の御名)、とあの奈良西ノ京の境内で、三回唱えたく・・・・・この聖歌隊のように。

 


聴いているハイレゾ
讃美歌~心を穏やかにしてくれる安らぎのハーモニー
いつくしみ深き(讃美歌第312番)
みたまなるきよきかみ(讃美歌第500番)
うたごえたからに(讃美歌2編第25番)
かみともにいまして(讃美歌第405番)
カルバリ山の(讃美歌2編第185番)
たえなるみちしるべ(讃美歌第288番)
きょうありて(讃美歌2編第82番)
主よ、おわりまで(讃美歌第338番)
古いものはみな(讃美歌2編第152番、原曲:スコットランド民謡「グリーンスリーヴズ」)
さまようひとびと(讃美歌第239番)
みどりもふかき(讃美歌第122番)
主われを愛す(讃美歌第461番)
すべてのもの統らすかみよ(讃美歌2編第59番、原曲:ヨハネス・ブラームス作曲 交響曲第1番ハ短調作品68第4楽章第2主題)
ナルドのつぼ(讃美歌第391番)
やすかれ、わがこころよ(讃美歌第298番、原曲:ジャン・シベリウス作曲 「フィンランディア」)
われをもすくいし(讃美歌2編第167番、「アメイジング・グレイス」)
キリストにはかえられません(讃美歌第2編第195番)
まぼろしのかげをおいて(讃美歌第510番)
ああしゅのひとみ(讃美歌第243番)
夕日はかくれて(讃美歌第359番)
主の真理は(讃美歌第85番)
わがたましいを(讃美歌第273番)
うるわしの白百合(讃美歌第496番)
しゅよみてもて(讃美歌第285番)
血しおしたたる(讃美歌第136番、原曲:ヨハン・セバスティアン・バッハ作曲 ヨハネ受難曲コラール)
小島策朗指揮
日本基督教団聖ヶ丘教会聖歌隊
(キングレコード flac192kHz/24bit)

地震および津波、水害により被害にあわれた方へお見舞い申し上げますとともに、亡くなられた方のご冥福と復興をお祈りいたします。同時に救助及び原発の被害を食い止めようと必死になられているすべての方、そして新型コロナウイルス蔓延の最前線にいらっしゃる医療関係者全ての方に、感謝申し上げます。