東京の図書館から、今回は小金井市立図書館のライブラリである、ドヴォルザークのスラヴ舞曲集を収録したアルバムをとりあげます。
スラヴ舞曲に関しては、以前ドヴォルザークのピアノ作品を取り上げたときにエントリをアップしているかと思いますが、今回はその原曲ではなく広く知られている管弦楽へ編曲された管弦楽版が収録されているのが特徴です。作品46の第8曲は特に有名ではないでしょうか。
私としては、実はブラームスのハンガリー舞曲集と同様に、このスラヴ舞曲集も民族的で好きな作品です。むしろハンガリー舞曲と銘打ちながらもその実はロマの音楽が中心であるブラームスのハンガリー舞曲よりも、このドヴォルザークのスラヴ舞曲のほうがよほど作品名を正確に表している点でも好きなのです(とはいえ、ブラームスのハンガリー舞曲を貶めるつもりはありません)。
この管弦楽版をこのアルバムで指揮するのはラファエル・クーベリック。オーケストラはバイエルン放送交響楽団。ステディな演奏で定評のあるバイエルン放送響をスラヴ民族であるクーベリックが振るなんて、ワクワクしかありません。そして実際、生き生きとした楽しい演奏を聴くことができるのは幸せです。
確かに、スラヴ民族はヨーロッパのほかの民族と比べれば違う部分もあるでしょう。しかしドヴォルザークはそれでも、しっかりとクラシック音楽の芸術として成立することを証明して見せているのです。そんな共感が、演奏には満ち満ちています。
こういう演奏を聴きますと、プーチン氏の論文はいかにも妄想の域を出ないと思うわけなのです。その妄想を根拠として、他国に攻め入るとは、もう戦前の大日本帝国陸軍の関東軍よりも愚かとしか言いようがありません。大日本帝国陸海軍が戦前の日本の芸術を押しつぶしたように、ロシア軍やFSBも自国の芸術を押しつぶしていくんだろうなとしか予測できません。折角素晴らしい芸術が、特にクラシック音楽に数多く存在するというのに・・・・・
この演奏を聴けば聴くほど、残念な気持ちにしかなりません。いかにして、ロシアのクラシック音楽という芸術を守りえるのか・・・・・全世界が考えるべき時に来ているかもしれません。
聴いている音源
アントニン・ドヴォルザーク作曲
スラヴ舞曲集作品46
スラヴ舞曲集作品72
ラファエル・クーベリック指揮
バイエルン放送交響楽団
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