かんちゃん 音楽のある日常

yaplogから移ってきました。日々音楽を聴いて思うことを書き綴っていきます。音楽評論、想い、商品としての音源、コンサート評、などなど。

東京の図書館から~府中市立図書館~:ダウランド 作品集

東京の図書館から、今回は府中市立図書館のライブラリである、ジョン・ダウランドの作品を収録したアルバムをご紹介します。

ダウランドはそれほど広く知られている作曲家ではないかもしれませんが、ヨーロッパではよく知られた作曲家だと言えます。スティングがカバーするなんて、日本じゃ考えられません。

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スティングと言えば、イギリスを代表するロック歌手。ロックなのになぜダウランド?と思ってしまいそうですが、クラシックという意味は古典という意味なんです。つまり、ベートーヴェンなどの音楽を意味し、具体的にはハイドンモーツァルトなどの音楽が主に対象になることが多いわけです。だからこそ、アンチとしてダウランド、となるわけです。

意外と日本ではこういう「反骨精神」って見られないなあと思います。悲しみの音楽を書くと言われるダウンランド。確かに音楽を聴けば楽し気というよりは悲しげです。しかしそれは、後世の音楽家からすれば必ず明るくなければならないという音楽の「オチ」へのアンチテーゼにも聞こえる、というわけです。

古いものから新しいものを作り出すというアンチテーゼ。歴史の古さは自慢しても、その歴史から新しいものを作り出そうという意識は日本人は少ないように思います。勿論ダウランドはその時要求された作品を書いただけでしょうが、その作品達が後世においてアンチテーゼとして扱われるなど、思いもよらなかったことでしょう。

素朴ながらも決して温かみを失わない作品達。そして演奏するエクステンポレ弦楽アンサンブルも、その音楽が持つ生命を大切に楽しんでいる様子も聴いていて楽しいのです。のびのび演奏している様子は、ダウランドの作品が決して悲しげという一言だけで片付けられるものではないということを示してもいます。それがこの演奏を聴く楽しみでもあるように思います。

音楽は精神性がと言われますが、人間の感情が精神、あるいは魂からいずるものであることを、結構な割合で理解していない日本人が多いように思いますが、この演奏からは楽しむことは喜びであり、それは魂が求めることなのだという印象を強く受けるものです。

 


聴いている音源
ジョン・ダウランド作曲
①Sir Henry Guilford, his Almain
②Lachrimae Pavan, P 15
③Lachrimae or Seaven Teares: Sir John Souch his Galiard
④Shoemaker's Wife, a Toy, P 58
⑤Susanna Fair Galliard, P 91
⑥Lachrimae or Seaven Teares: Captaine Piper his Galiard
⑦Lachrimae or Seaven Teares: M. George Whitehead his Almand
⑧My Lady Hunsdons Puffe, P 54
⑨Lachrimae or Seaven Teares: Sir Henry Umptons Funerall
⑩Lachrimae or Seaven Teares: M. Thomas Collier his Galiard
⑪Winters Jomps, P 55
⑫Fortune my foe
⑬Sir John Smith, his Almaine, P 47
エクステンポレ弦楽アンサンブル

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