私にとってシュニトケは、最近ようやく聴けるようになった作曲家です。ショスタコを同じように語られることが多いシュニトケですが、実際の音楽は全然違います。まだショスタコのほうが全然聞きやすいです。
それでも、このヴァイオリン協奏曲に関しては、とても聴きやすい作品ではないかって思います。ネットでは作品解説は以下しかなかったのですが・・・・・・
シュニトケ[協奏曲その1]
https://www.ujaku-recreation-room.jp/index/schnittke/schconcerto1.htm
ようやくいろんな作品が録音され始めており、BISからの全集も出始めているシュニトケです。実はこのアルバムもそのBISのものなんです。
ですから、上記サイトで紹介されているCD番号のものが、今回ご紹介するアルバムと言うことになります。
さて、作品の説明はもう上記サイトにゆだねてしまいます。そこで視点は演奏へと移る訳なのですが、多分、シュニトケという作曲家を難解って思っていると、虚を突かれたような感覚になると思います。
まず第3番ですが、実際は連続して演奏される作品。しかも抑揚があまりなく、どこで楽章が切れているかもあまり明確でないまま音楽が過ぎて行きます。明確なのは多分に12音階的であると言う点。ヴァイオリンのクルイサもその和声を十分「カンタービレ」させています。そのためなおさら不可解な雰囲気が漂います。
次の第4番ですが、作曲年代が198年代なのでもう12音階にはこだわらず、多様式の時代に入っていますから何でもござれなんですね。そもそも20世紀という時代の音楽が、何でもござれって時代であり、そしてそれは21世紀に入りたての今であっても変わりありません。その時代を反映しての作品であることを、これまたソリストもオケも十二分にわかっていて、目まぐるしく音楽は変るのですが、だからと言って上記サイトの言う通り、騒々しくはなくいい感じで変化しているって感じです。
それが分かると、これら二つの作品はがぜん聴きやすくなるから不思議です。BGMのように何度も繰り返し聴いていますと、演奏の中にいくつもの驚きを発見があり、実に楽しませてくれます。特に大4番はダイナミックレンジが演奏自体で大きく、それだけ表現として幅広く、難解と言うよりも万華鏡の様なんだと言う事をしっかり示してくれているのは嬉しいなって思います。
そういった意思表示も表現の一つだと思います。シュニトケの音楽が肝としてショスタコと同じものを持っているのは時代として当然でありつつも、違う面もしっかりあるんだと言うことがこれほど明確にできるものなのだと感動します。シュニトケの作品がこれをきっかけにしてさらにコンサートピースの常連になればいいなと思います。
聴いている音源
アリフレド・シュニトケ作曲
ヴァイオリン協奏曲第3番(1978)
ヴァイオリン協奏曲第4番(1984)
オレフ・クルイサ(ヴァイオリン)
エリ・クラス指揮
マルメ交響楽団
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