かんちゃん 音楽のある日常

yaplogから移ってきました。日々音楽を聴いて思うことを書き綴っていきます。音楽評論、想い、商品としての音源、コンサート評、などなど。

今月のお買いもの:ジョヴァンニ・アントニーニとバーゼル室内管弦楽団によるベートーヴェンの第九

3か月ぶりに復活した「今月のお買いもの」、令和4年1月にe-onkyoネットストアで購入したハイレゾベートーヴェンの第九を取り上げます。

この3か月は新しく何かを買うとかそういう余裕が全くなく、手のしびれなどがずっと強い状態が続いてきたこともあり、新しいものを買うのを控えてきました。ようやくいろんなヘルプなどがあるようになってようやくなら久しぶりにと思い買いましたのがベートーヴェンの第九です。

指揮はジョヴァンニ・アントニーニ。オーケストラはバーゼル室内管弦楽団バーゼル室内管は器用なオケだそうで、古楽でもモダンでも演奏可能とのこと。これは面白そうだなと思い購入を決めました。特に決め手は、この音源をオーディオ評論家である麻倉怜士氏が紹介していたことです。

96kHz/24bitなので、スペックとしては多少落ちますが、私はそもそもソニーのDSEE HXを動作させて聴いていますので、192kHz相当にはなります。ああ、こういう聴き方ありだなと思いました。とはいえ、192kHzがあればそちらを選びますが・・・・・

さて、この音源、麻倉氏は「音調はまことにクリアーで清涼」と述べておられますがその通り、各パートの音がしっかり聴こえつつ、全体としての音の塊が飛んでくるという感じで、とても熱い!舞踏的と麻倉氏もおっしゃっていますがまさに舞踏的。そもそも、楽譜をよーく見てみれば第九という作品は舞踏的な作品なんです。

ベートーヴェンの第九は、そもそもフランス革命の影響を受けているため、フランス風の行進曲のリズムが多用されている作品でもあります。ですから本来舞踏的になるのが普通なんです。そのうえで指揮者のアントニーニはそもそもリコーダー奏者であることもあり、フレージングもしっかりしており、とても音が豊かに聴こえます。

とはいえ、この演奏は第4楽章vor Gott !の部分はvor1拍に対してGott !は4拍。残り2拍は残響という変体演奏。しかし、その変体振りは全く気にならずむしろ静謐なほど。合唱は力強くしなやか。連帯の喜びがひしひしと伝わってきます。

まさに爽快な演奏です。それでいて熱いものが詰まってもいます。合唱はしゃべっているというよりは徹底的に歌っていますが、それもまた気になりません。とても高いレベルの演奏で、これが室内オケで実現されているということが、21世紀という時代であろうとも感じます。特にウィズ・コロナということを考えたときに、こういった演奏はますますその重要度を増していくことでしょう。

 


聴いているハイレゾ
ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン作曲
交響曲第9番ニ短調作品125「合唱付き」
レグラ・ミューレマン(ソプラノ)
マリー・クロード・シャピュイ(メゾ・ソプラノ)
マクシミリアン・シュミット(テノール)
トーマス・E・バウアー(バリトン)
ヴロツワフフィルハーモニー合唱団
ジョヴァンニ・アントニーニ指揮
バーゼル室内管弦楽団
(Sony Classical 96kHz/24bit)

地震および津波、水害により被害にあわれた方へお見舞い申し上げますとともに、亡くなられた方のご冥福と復興をお祈りいたします。同時に救助及び原発の被害を食い止めようと必死になられているすべての方、そして新型コロナウイルス蔓延の最前線にいらっしゃる医療関係者全ての方に、感謝申し上げます。