かんちゃん 音楽のある日常

yaplogから移ってきました。日々音楽を聴いて思うことを書き綴っていきます。音楽評論、想い、商品としての音源、コンサート評、などなど。

東京の図書館から:小金井市立図書館~:バレンボイムが弾くメンデルスゾーンの「無言歌集」2

東京の図書館から、小金井市立図書館のライブラリである、ダニエル・バレンボイムが弾くメンデルスゾーンの「無言歌集」を2回シリーズで取り上げていますが、今回はその第2回目。第2集を取り上げます。

第2集には、「無言歌集」の後半と、子供のための小品 作品72、ヴェネツィアの舟唄、アルバムの綴り 作品117が収録されています。作品72は「ヴェネツィアの舟唄」をはさんで収録という形を取っています。

メンデルスゾーンがピアノで表現しようとした「歌」、無言歌集。その「歌」の情景まで聴き手に想像させるような演奏をバレンボイムはしています。むしろバレンボイム自身がまず聴き手になっているのではないかと思うような表現で、歌となっているのにどこか絵画や動画を想起してしまいます。

その点で、以前取り上げた全集とはちょっとだけ視点が異なっているように思われます。徹底的に「無言歌集の本質」を突き詰めている演奏だと言えるでしょう。歌うとは?表現とは?聴いていてとても考えさせられる演奏です。

全集の二つ目で、とても優れた解釈の演奏に出会えたのはラッキーでした。もしかすると、購入で考えていたら出会えていなかったかもしれません。バレンボイムと言えば最近は指揮者ですから。しかしバレンボイムのキャリアはピアニストから始まっており、そのピアニストとしての演奏はやはり1970年代あたりに集中しています。この演奏も1973年のもの。そんな時代の録音は、さすがのばれんぼいむとはいえ、廃盤になっていてもおかしくないですから。

しかし、図書館ならあるわけです。リッピングすればいつでも自分で聴くことができます。こういうちょっと古いけれどいい演奏を保有するというのも、図書館の大切な役割でもあります。その最たるものが、我が国では国立国会図書館。その役割が、いつまでも続くことを願ってやみません。

さて、1973年の録音ですから、今回もソニーのMusic Center for PCでDSEE HXを動作させて聴いています。しっかりと臨場感も出ており、技術の高さは素晴らしいものです。1970年代の録音だからこそ、動作させて聴いていたいものです。

 


聴いている音源
フェリックス・メンデルスゾーン・バルトルディ作曲
無言歌集 第5集 作品62
無言歌集 第6集 作品67
無言歌集 第7集 作品85
無言歌集 第8集 作品102
子供のための小品 作品72
ヴェネツィアの舟唄
二つの小品(作品72)
アルバムの綴り 作品117
ダニエル・バレンボイム(ピアノ)

地震および津波、水害により被害にあわれた方へお見舞い申し上げますとともに、亡くなられた方のご冥福と復興をお祈りいたします。同時に救助及び原発の被害を食い止めようと必死になられているすべての方、そして新型コロナウイルス蔓延の最前線にいらっしゃる医療関係者全ての方に、感謝申し上げます。