かんちゃん 音楽のある日常

yaplogから移ってきました。日々音楽を聴いて思うことを書き綴っていきます。音楽評論、想い、商品としての音源、コンサート評、などなど。

東京の図書館から~:府中市立図書館~:シェドヴィル「忠実な羊飼い」

東京の図書館から、府中市立図書館のライブラリをご紹介します。古典派の作曲家シェドヴィルの作品「忠実な羊飼い」をご紹介します。

シェドヴィルは古典派の作曲家なのですが、この作品はバロック期のソナタの形で書かれています。時代的にバロック的なものも残っていないわけでもないのですが、18世紀後半という時代だと、いささか様式的には古い感じになります。なのになぜ?

それは実は、当時ヴィヴァルディの「四季」が大人気だったことに起因します。ヴィヴァルディの「四季」は様式的にはバロックですが、3楽章制を取るなど、古典派的な協奏曲の要素を持つ先進的な作品でした。その意味では、18世紀後半という時代は、時代が「四季」という作品に追いついた時代だともいえるのです。

この「忠実な羊飼い」という作品は、そういったヴィヴァルディの作品を分解したうえで再構築した作品で、かつてはヴィヴァルディのフルート・ソナタ作品13とされていた作品なのです。

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上記サイトはシェドヴィルの別の作品「春、または楽しい四季」という、ヴィヴァルディの「四季」を同じように分解して再構築した作品のものですが、「忠実な羊飼い」も同じような作品なのです。

こういう作曲手法は結構Jpopで作曲の基礎として教えられているのと似たものですが、18世紀でも同じようにしていた作曲家がいた、ということになります。おそらくこのような手法は、ハイドンベートーヴェンも研究手法として使っていたはずです。

演奏は、そんな細かいことは気にせずに作品を楽しんでいるのが印象的。バロック的な作品をバロックの作品として味わっているのが伝わってきます。それだけ、シェドヴィルが作曲家としても有能だった証左でしょう。

 


聴いている音源
ニコラウス・シェドヴィル作曲(伝アントニオ・ヴィヴァルディ
「忠実な羊飼い」(全6曲)~フルートと通奏低音のためのソナタ
イレーナ・グラフェナウアー(フルート)
ブリギッテ・エンゲルハルト(チェンバロ、オルガン)
ベルリン・フィルハーモニー・デュオ
 イェルク・バウマン(チェロ)
 クラウス・シュトル(コントラバス

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