かんちゃん 音楽のある日常

yaplogから移ってきました。日々音楽を聴いて思うことを書き綴っていきます。音楽評論、想い、商品としての音源、コンサート評、などなど。

今月のお買いもの:アダム・フィッシャー指揮デンマーク室内管弦楽団によるベートーヴェン交響曲全集9

今月のお買いもの、令和4(2022)年1月に購入したものをご紹介しています。9回シリーズで取り上げております、e-onkyoネットストアにて購入しました、アダム・フィッシャー指揮デンマーク室内管弦楽団の演奏によるベートーヴェン交響曲全集、今回はその第9回目です。

第9回目は第九、ということになります。どれだけ激しいものになるのかと思いきや・・・・・

確かに、第1楽章は激しさを持っており、演奏時間も13分台。しかし、そのあとはそれほど速さを感じません。第2楽章はスウィトナー指揮シュターツカペレ・ベルリンとあまり変わりませんし、第3楽章は12分台ですがこれくらいで演奏するものも従来からあります。

第4楽章も23分台で、それほど速いわけではありません。そして全体の演奏時間は62分台。それほど新しさを感じる演奏ではないんですが、しかし全体的に引き締まった感じを受ける、清廉な演奏です。これが不思議。

第4楽章Vor Gott!もそれほど短いわけではないんですが、残響で1拍以上。これは変態演奏と言っていいと思いますがその変態さを感じないんです。ここは新しさだと思います。というよりも、こういった工夫というか、解釈は当たり前になってきているとも言えましょう。

変態さが全体の中で全く変態ではない、つまり不自然ではなく自然である演奏。これがこの演奏の「新しさ」だと言えるでしょう。合唱団も力強くかつ美しく素晴らしいですし、ソリストたちも絶品!何を不満に思いましょうや!

室内オケで、ここまで自然な演奏ができることを証明した録音・・・・・その意味で、やはりこの演奏は新しい時代のベートーヴェンにふさわしいと思います。ベートーヴェンまでは室内オケでも十分演奏できますよということを、ナクソスはいろんな録音で証明してきたとも言えるでしょう。まさに、ウィズ・コロナの時代にふさわしい演奏だとも言えるでしょう。

また、全集でここまで楽しめたものも久しぶりです。9曲すべてなんの不満もない優れた演奏。その意味でも、「あたらしいオーケストラの時代」にふさわしい全集だと言えるでしょう。

 


聴いているハイレゾ
ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン作曲
交響曲第9番ニ短調作品125「合唱付き」
サラ・スヴィトリツキ(ソプラノ)
モーテン・グローヴェ・フランゼン(アルト)
イルケル・アルジャユレク(テノール
ラーシュ・ムラー(バス)
デンマーク国立コンサート合唱団
アダム・フィッシャー指揮
デンマーク室内管弦楽団
(Naxos 96kHz/24bit)

地震および津波、水害により被害にあわれた方へお見舞い申し上げますとともに、亡くなられた方のご冥福と復興をお祈りいたします。同時に救助及び原発の被害を食い止めようと必死になられているすべての方、そして新型コロナウイルス蔓延の最前線にいらっしゃる医療関係者全ての方に、感謝申し上げます。