かんちゃん 音楽のある日常

yaplogから移ってきました。日々音楽を聴いて思うことを書き綴っていきます。音楽評論、想い、商品としての音源、コンサート評、などなど。

今月のお買いもの:アダム・フィッシャー指揮デンマーク室内管弦楽団によるベートーヴェン交響曲全集3

今月のお買いもの、令和4(2022)年1月に購入したものをご紹介しています。e-onkyoネットストアにて購入しました、アダム・フィッシャー指揮デンマーク室内管弦楽団の演奏によるベートーヴェン交響曲全集、今回はその第3回目です。

第3回目は第3番「英雄」を取り上げます。まずズバリ言います、こういう「英雄」を待っていた!

疾走感がありつつも決して雑ではなく、勢いだけでもない生命力あふれる、まさに英雄的な第1楽章。葬送行進曲であるにも関わらずどこかに希望すら見出しているかのような第2楽章。荒々しさも見いだせるスケルツォ第3楽章。そして英雄とはこういうものだ!とベートーヴェンが「プロメテウス創造物」から引用してきた、バロック的であってバロックでは決してない、メッセージ性の強い第4楽章。どれをとっても興奮と適度な酔いを与えてくれる、アグレッシヴな演奏です。

室内管なので、多少アンサンブル的に物足りない部分も第4楽章では散見されますが、しかしそれは全く気になりません。むしろ、室内管という小ささを存分に利用した、21世紀のスタンダードであるかのようにすら聞こえます。いや、私はこれが21世紀のスタンダードだと思っていますが・・・・・・

第2楽章を過度に悲観的に演奏しないもの好印象です。いや、そういった悲愴感あふれる演奏が嫌いというわけではありません。しかしこの楽章にまつわるエピソードを見事に演奏で表現して見せたともいえるのです。ナポレオンが皇帝に即位したと聞いたときのベートーヴェンの・・・・・・なかなかそれを踏まえた演奏はないものです。しかしこの演奏は見事に踏まえて見せたのです。これはあっぱれ!

もちろん、そのエピソードが本当であったかは現代では疑問符がついていますが、この演奏を聴きますとあながち嘘ではないのでは?とすら感じられるから不思議です。そもそもはベートーヴェンは共和主義者ですから・・・・・

いずれにしても、室内オケで第3番も十分に演奏できることを証明して見せたということになります。そりゃあ、タッシェン・フィルハーモニックだってもっと少人数でもやれるのでは?と考えるよなあと思います。21世紀のオーケストラがどのようにあるべきか、一つの回答を示していると思います。

 


聴いているハイレゾ
ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン作曲
交響曲第3番変ホ長調作品55「英雄」
アダム・フィッシャー指揮
デンマーク室内管弦楽団
(Naxos 96kHz/24bit)

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