かんちゃん 音楽のある日常

yaplogから移ってきました。日々音楽を聴いて思うことを書き綴っていきます。音楽評論、想い、商品としての音源、コンサート評、などなど。

想い:右翼作曲家たちの怠慢~現代日本のクラシック音楽シーンを考える

想い、今回はこの国が本当に「左寄り」なのかを、クラシック音楽という視点から考えたいと思います。

よくネット上で言われるのが、この国は左寄りになってしまった、というものです。しかし本当にそうでしょうか?それは何をもってそのように言われるのか、たいていデータがそろっていないので印象だけで語っているケースが多いのです。

今だ日本は象徴天皇制であり、国民主権ですが元首としては天皇も指すことを、どれだけの人が知っているのでしょうか。その意味では、日本は立憲君主制の民主主義国であると言えます。

そう、立憲君主制なのです。「君主制」なのですよ?制度としては民主主義国においては究極の右寄り国家です。それが左寄りである証拠を、ネット右翼といわれる人たちは示すべきでしょう。

クラシック音楽のシーンにおいては、確かに左寄りの人たちが自らの表現の場として有効に使い、素晴らしい創作をしているのは事実です。しかし右寄りの作曲家たちが表現できていないのかと言えばそんなことはないわけですが、バロック時代の作曲家のように「誰かのために」しか作曲をしていないような気がするのです。

今の日本では、右だろうが左だろうがどっちの表現をしても受け入れられます。支持されるかは別として、「受け入れられる」以上、何の障壁もありません。犯罪を犯さない限り、何をしても自由です。なのに、右寄りとしての自らの足でしっかり立った表現が、右寄りの作曲家に見られないのはなぜでしょうか?欧米を追いかけるだけが能じゃないとか言うのであれば、なぜ我が国の歴史を、近代だけではなくもっと古い時代までさかのぼり、そこから題材を得るということをしないんでしょうか。

それも欧米の亜流だ、と言えばそうかもしれません。しかし日本の旋律が欧米の亜流なんでしょうか?違いますよね。日本の旋律を管弦楽でやってみるだとか、むしろ戦後日本の作曲家たちは早い段階でやっていましたが、続いている人が誰もいないのです。黛氏や、あるいは伊福部に続く人は一体誰なんですか?

それをしないで、左翼を叩くのはいい気分かもしれません。しかし、その分我が国の文化は薄っぺらくなり、結局それを支えるのは左寄りの人たちに限定されています。ギリギリのところで我が国のクラシックシーンは支えられていると言っても過言ではありません。

レスピーギの作品を収録したアルバムをご紹介した時にも触れましたが、あまりにも我が国の右翼作曲家たちは、左翼を叩くことにご執心で、自らがやるべきことを放棄し続けています。それは怠惰という一言に集約されます。なぜなら、自らがやるべき表現を放棄し続けているから、です。そんなにこの国が左寄りだと言えば、右寄りである自らの表現を突き詰めていく作業が必要なはずです。しかし残念ながら、それを追求している作曲家が少なくとも私の目に見えないのはなぜでしょう?

なぜいまだに黛さんなんですか?なぜいまだに伊福部なのですか?「あなた」がしっかりと表現すればそれでいいはずはないんですか?それが後世まで残るかどうかは神だけが知っています。しかし何も残さなければ何も残りません。当然のことです。違いますか?

それで左翼を叩いて、一体何が残るんでしょうか。おそらく、批判があったという事実だけです。それはそれで重要かもしれませんが、それだけの批判を受けるものは大抵後世まで残るものです。で、左寄りの作品ばかり残るのを恨み節で言い続けるのですか?それが恥ずかしいことだと思わないのであれば、この国の右寄りの創作はどんどん先細りになることでしょう。ダイナミズムが失われていくからです。歴史を見れば当然のことです。

これは預言です。すでにそのようになっているのですから。気が付かないのであれば、私の預言が当たるだけなのです。当たってうれしいのですか?それならもうこれ以上言いうことは何もありません。私は左寄りだろうが右寄りだろうが、素晴らしい作品を聴いていたい。それだけです。右も左も創作が豊かな国こそ、真に文化が花開き豊かな国です。それを意識しない右寄り作曲家たちは我が国の文化を亡ぼす怠惰な人間たちだと、断言せざるを得ません。

嫌なら、奮起してください。温故知新のいい作品を書いてください。それだけのことです。レスピーギにできて、あなたにできないはずはないと思うのですが。

 

地震および津波、水害により被害にあわれた方へお見舞い申し上げますとともに、亡くなられた方のご冥福と復興をお祈りいたします。同時に救助及び原発の被害を食い止めようと必死になられているすべての方、そして新型コロナウイルス蔓延の最前線にいらっしゃる医療関係者全ての方に、感謝申し上げます。