今月のお買いもの、2回シリーズで令和2(2020)年7月にe-onkyoネットストアにて購入した、トーマス・ツェートマイアー指揮ヴィンタートゥール・ムジークコレギウムによるブラームスの交響曲全集をとりあげます。
ブラームスの交響曲全集は、CDでは持っておらず、図書館で借りてきたものをリッピングしてあるものしか私の手許にはありません。しかしそのラインナップは結構充実しているため、これを購入するかは結構迷った記憶があります。私自身はあまり知らないオケだったということもあります。
ただ、このヴィンタートゥール・ムジークコレギウムというオーケストラ、只者ではありません。17世紀半ばからの伝統を持つ由緒あるオケであり、コンサートマスターもシフなどそうそうたる面々が勤めているんですね。
そのうえで、現首席指揮者は、ヴァイオリニストのトーマス・ツェートマイアー。私としてはモーツァルトのヴァイオリン協奏曲で評価しているヴァイオリニストです。
そんなコンビでブラームスを演奏すれば、一体どうなるのか、ちょっとだけ興味がありました。しかもその当時、全集購入で700円!いくらDLだとしてもバジェットプライスすぎます!なら買って見よう!ということで購入したのがこの全集でした。
楽章間のギャップの少なさはさすが安物と思いましたが、演奏を聴いてみると・・・・・え?これで700円は安すぎる!という結論に。
ハイレゾなので、第1集もなにもないはずですが、一応CDの分け方に従い、まずは第1曲目と第2曲めで第1回としたいと思います。その第1回は、第1曲目の第1番と、第2曲目の第3番です。実は初めて聴いたとき、第2番ではなく第3番が流れてきたので、間違いじゃないか?と思いましたが、これ、検索してみるとCDによる全集がそうなっているんですね。つまりはそのまま。
まあ、演奏時間の都合上、ということになりますが、しっかし、聴いているうちにその違和感は吹っ飛びます。その爽快かつ情熱的な演奏で。
とにかく、テンポが速い!ブラームスの交響曲の演奏にありがちな重厚感などどこへやら。しかし、それが全く気にならないんです。むしろ、思いっきり速いテンポが、作品の魂を引き出しているかのよう。ブラームスが苦節10年をかけて完成させた第1番も、42分ほどで駆け抜けます。この曲、こんなに爽快だったんだ!と目からうろこ。
そして、第3番もそうですが、そもそもブラームスの作品に溌溂とした生命力があったんだ、と気づかせてくれます。こういう演奏を待っていた!むしろこの演奏に慣れてしまうと、今までの演奏が重々しく聴こえないかのほうが心配です。
こういう演奏こそ、プロの仕事だと思います。
聴いているハイレゾ
ヨハネス・ブラームス作曲
交響曲第1番ハ短調作品68
交響曲第3番ホ長調作品90
トーマス・ツェートマイアー指揮
ヴィンタートゥール・ムジークコレギウム
(Claves)
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