かんちゃん 音楽のある日常

yaplogから移ってきました。日々音楽を聴いて思うことを書き綴っていきます。音楽評論、想い、商品としての音源、コンサート評、などなど。

東京の図書館から~府中市立図書館~:朝比奈隆と大フィルによるブラームス交響曲全集1


東京の図書館から、今回から4回に渡りまして、府中市立図書館のライブラリである、朝比奈隆指揮大阪フィルハーモニー交響楽団の演奏によるブラームス交響曲全集を取り上げます。

4枚組のCDになっているこのアルバムは、朝比奈隆が大阪フィルとの蜜月の中で紡ぎあげた芸術であると言えるでしょう。まず第1回は交響曲第1番です。

朝比奈隆と言えば、3つのBの指揮で代表的な指揮者だと言えるでしょう。ベートーヴェンブラームス、そしてブルックナーです。つまりこのアルバムは、その朝比奈氏が得意としたブラームス交響曲を収録したといえるものですし、その中でも特に有名な第1番は、朝比奈節全開だとも言えましょう。

どっしりとしたテンポが作り出す、重厚な響き。さらにはゆったりとした時間の流れによる、心地ち良さ。ブラームスと言えば必ずしも美しいとはいいがたい響きを持っていますし、それが魅力だったりもします。そのブラームスを、美しくうっとりする世界、空間に買えてしまう朝比奈隆という才能は本当に素晴らしいと思います。

それと、その朝比奈氏と一緒に作り出す、大フィル。世界を見回しても、このかつての朝比奈氏と大阪フィルとの関係くらい、長く濃ゆいものもないでしょう。普通ならなあなあの関係もあるはずなのに、緩い関係性などみじんも感じさせない、あうんの呼吸による高い芸術性を生み出す力も素晴らしいと言えるでしょう。

朝比奈節全開であるため、演奏時間は53分ほどとほかの指揮者やオーケストラとの演奏に比べれば長いんですが、不思議なことにその長さを感じさせないんです。長いことには訳があるんだと、納得させてしまうだけの説得力を持つが故なのでしょう。こういう演奏こそ、個性だと言えるでしょう。大フィルからこのような個性が失われてしまったのは残念の極みです・・・・・

 


聴いている音源
ヨハネス・ブラームス作曲
交響曲第1番ニ短調作品68
朝比奈隆指揮
大阪フィルハーモニー交響楽団

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