かんちゃん 音楽のある日常

yaplogから移ってきました。日々音楽を聴いて思うことを書き綴っていきます。音楽評論、想い、商品としての音源、コンサート評、などなど。

東京の図書館から〜小金井市立図書館〜:ブルックナー ミサ曲集2

東京の図書館から、小金井市立図書館のライブラリをご紹介しています。ブルックナーのミサ曲集の2枚目です。

この2枚目には第3番が入っているため、どうしても朝比奈隆指揮大フィルとの聴き比べになってしまいます。

今日の一枚:ブルックナー ミサ曲ヘ短調WAB28(原典版
https://yaplog.jp/yk6974/archive/53

このほかにデイヴィス指揮バイエルン放送交響楽団のものともってことになりますが。

今日の一枚:ブルックナー ミサ曲第3番(オリジナル版)
https://yaplog.jp/yk6974/archive/193

さすがヨッフム。オケはデイヴィスと一緒なんですが、緊張感は朝比奈さんとほぼ一緒ですし、特に合唱団の思い切りの良さは、デイヴィスをかすめさせます。

となると、私の中ではこのヨッフムか朝比奈かってことになります。実際、何度も演奏を繰り返して聴いていても、バイエルンがもつ豊潤さを存分に活かしながら、合唱団の浅い発音も活かし、しっかりしゃべらせ、演奏全体が神への賛美で満ちるようにタクトを振っているのがわかります。これはいいわ〜

特に秀逸なのは、ソプラノソロ。ポルタメントしてしまってもそれすら演奏に生かすのはさすがヨッフムだなあって思います。ポルタメントする、させるってことはそれだけ甘い旋律を甘く歌うってことですし、それは愛だとかにつながっていきます。そう、神の愛だったり、神への愛だったり。それをストレートに出させるのもこれまた素晴らしい!

そのうえで、演奏も筋肉質であり、そこに乗るオケがもつ豊潤さ。もう極上のディナーです。夕ご飯を食べたくてもおなかいっぱいでつ。

これぞプロの演奏だと思います。ようやく朝比奈さんの指揮を凌駕する演奏に出会えることができました。それはまた、日本において朝比奈隆という人が実に大きい存在だった、あるいはタレントだったということを、如実に物語るものだと思います。多分こういう演奏を聴いて、コーホーさんは朝比奈氏を評価していたんだろうなあと思うと、コーホーさん叩きはどうもなあって思います。まあ、色付けはしていると思いますけどね、録音時あるいはそのあとで。

だからこそ、ほとんど色付けをしない日本の収録で、ヨッフムに比肩する録音を残した朝比奈隆の能力は高かったと、私は思うんです。このヨッフムの指揮で感動すればするほど、なんです。しかもその朝比奈の高い能力に反応し、素晴らしい録音を残した大フィルとT.C.F.合唱団も。特に合唱団はアマチュアですよ?

この演奏では合唱団はバイエルンですからプロですし、ドイツの素晴らしい放送合唱団の一つですが、TCFがそのドイツの放送合唱団に全く引けを取りません。けれども、やはりしなやかさという意味ではさらにヨッフムが上を行くと思います。こういった演奏に出会うことが、クラシックを聴いていて幸せだなあって思う瞬間です。




聴いている音源
アントン・ブルックナー作曲
ミサ曲第2番ホ短調(続き)
ミサ曲第3番ヘ短調
マリア・シュターダー(ソプラノ、第3番)
クラウディア・ヘルマン(アルト、第3番)
エルンスト・ヘフリガー(テノール、第3番)
キム・ボルイ(バス、第3番)
アントン・ノヴァコフスキー(オルガン)
オイゲン・ヨッフム指揮
バイエルン放送交響楽団・合唱団(合唱指揮:ヨーゼフ・ミットフーバー【第2番】、クルト・プレステル【第3番】)

地震および津波、水害により被害にあわれた方へお見舞い申し上げますとともに、亡くなられた方のご冥福と復興をお祈りいたします。同時に救助及び原発の被害を食い止めようと必死になられているすべての方に、感謝申し上げます。




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