かんちゃん 音楽のある日常

yaplogから移ってきました。日々音楽を聴いて思うことを書き綴っていきます。音楽評論、想い、商品としての音源、コンサート評、などなど。

今月のお買いもの:ファジル・サイが弾くベートーヴェンのピアノ・ソナタ全集5

今月のお買いもの、令和2(2020)年5月に購入したものをご紹介しています。シリーズで取り上げているファジル・サイのピアノによるベートーヴェンのピアノ・ソナタ全集から、今回は第13番から第15番までをとりあげます。e-onkyoネットストアでの購入です。

ハイレゾなので本当に空気感は断然違いますが、そもそも演奏に個性が出ているのが第13番と第14番ではないかと思います。特に第13番がそうなのですが、この取り上げる3曲では、リズムが際立っていることが特徴的です。そしてそれが全く嫌味ではない!

これは素晴らしいなあと思います。第14番「月光」も、そして第15番も、同様にリズムがきわだっているせいで、聴きなれた作品の別な世界が覗けている感じがたまりません。

本当に奇をてらっているわけではないんですが、リズム感だけ際立たせるだけでまるっきり世界が変わる・・・・・これがクラシック音楽を聴く醍醐味ですが、まさにサイの演奏はそんなイロハのイを思い出させてくれる演奏です。

こういう演奏に、サイの才能を感じます。そんなのだれでも思いつくと思うでしょ?でもクラシック音楽って、一応ヨーロッパでは伝統芸能でもあるわけです。そんな保守的な世界で、ちょっと変えるだけで本当に変わるということを実践するというのは、実は並大抵のことではありません。むしろ、ビートルズやクィーンなどのロックスターたちのほうが楽なくらいかもしれません。世界が別なので(そういう彼らも大変な人生でしたが)。しかし、同じ世界で別なものを見せるというのは、たいてい抵抗にあうことが多いわけなんです。

なのに、こうやってアルバムが出ている・・・・・そう思いますと、サイの強靭な精神すら、演奏からは感じられるのです。繊細な部分だって本当に多いのですけれど。

しかしよく聴きますと、ダイナミックな部分は本当に強く弾いており、その差も激しいことに気が付きます。その激しい差を、私たちはどのように受け止めるのか・・・・・キャッチボールをしているような気にすらなります。こういう対話は、本当に私好みです。これは後半に行くにつれ、かなり興味がわき楽しそうだなと思えてきます。こういう全集に当たるのは幸せですね~。

 


聴いているハイレゾ
ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン作曲
ピアノ・ソナタ第13番変ホ長調作品27-1「幻想風」
ピアノ・ソナタ第14番嬰ハ短調作品27-2「月光」
ピアノ・ソナタ第15番ニ長調作品28
ファジル・サイ(ピアノ)
(Warner Classical)

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