かんちゃん 音楽のある日常

yaplogから移ってきました。日々音楽を聴いて思うことを書き綴っていきます。音楽評論、想い、商品としての音源、コンサート評、などなど。

今月のお買いもの:ファジル・サイが弾くベートーヴェンのピアノ・ソナタ全集8

今月のお買いもの、令和2(2020)年5月に購入したものをご紹介しています。シリーズで取り上げているe-onkyoネットストアにて購入しましたハイレゾの、ファジル・サイが弾くベートーヴェンのピアノ・ソナタ全集をとりあげていますが、今回はその第8回目です。

この第8回目では、第22番から第24番までをとりあげます。特に第22番は中期の作品に入ってくるだけあって、陰影などが深い作品ですが、サイはさらに深みを覗き、その結果を弾いているような、ダイナミックかつ雄弁な演奏をしています。

特にその傾向が強いのが第23番です。ロマンティックさを前面に出すその演奏は、古典美であるはずのベートーヴェンの作品に、内面性が込められていることを示しています。こういった演奏を待ってましたという感じです。

ここまで、図書館で借りるなどして、いくつものベートーヴェンのピアノ・ソナタ全集を借り、リッピングし、聴いてきましたが、本当に満足する全集はわずかです。このサイの演奏のものはその僅かの中の一つです。

どんどん雄弁になるサイのピアノ。どこまで語るのだろうとワクワクドキドキしつつ、聴いているとふと過ぎ去った時間をふり返っていたりする・・・・・そんな時間を過ごすことができる演奏です。

こういう演奏にたどり着くために、図書館で借りまくってきたと思っています。CDを買うだけではなかなかたどり着けないこの地点まで、とうとうやってきたのかと感慨無量です。本当に神奈川県立図書館と小金井市立図書館、そして府中市立図書館の司書の皆さんには感謝の言葉しかありません。

サイの演奏は雄弁で縦横無尽、自由闊達。それでいて古典美も失わないという、まさに理想的な演奏だといえるでしょう。しり上がりによくなっていく演奏、一体どこまで行くんだろうと、さらに今後が期待できます。

 


聴いている音源
ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン作曲
ピアノ・ソナタ第22番ヘ長調作品54
ピアノ・ソナタ第23番へ短調作品57
ピアノ・ソナタ第24番嬰ヘ長調作品78「テレーゼ」
ファジル・サイ(ピアノ)
(Warner Classics)

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