かんちゃん 音楽のある日常

yaplogから移ってきました。日々音楽を聴いて思うことを書き綴っていきます。音楽評論、想い、商品としての音源、コンサート評、などなど。

神奈川県立図書館所蔵CD:シェークスピア劇の音楽

神奈川県立図書館所蔵CDのコーナー、今回はシェークスピアの劇の上演で使われた音楽を収録したアルバムをご紹介します。

え、シェークスピアの時代に、音楽などあったのですか?という人もいるかもしれません。しかしこのアルバム、じつは前に借りてきた古代ギリシャの音楽を収録したアルバムが伏線になっています。

古代ギリシャの音楽、実は演劇のための音楽だったことを覚えておいででしょうか?ということは、ルネサンスの時代を経ているわけですから、当然シェークスピアの時代にも劇音楽があった、ということになります。

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ですから、驚くには値しないのです。こういった音楽が、古典派の時代にベートーヴェンの「エグモント」に結実するわけですから。しかし、音楽はエグモントからすれば素朴すぎます(特に有名な「グリーンスリーヴス」は!)。

ルネサンス期の音楽らしく、リュートに声楽、といった作品がほとんどですが、その中でも「我ら3人の兵士(作者不詳)」は勇壮な音楽。時にはコミカルな音楽もあり、シェークスピアの演劇の多彩さを物語ります。

作曲家は知らない人も多いのですが、当時の有名作曲家たちが手掛けているものが多く、特に最後の曲などはウィリアム・バード!バードは英国国教会が強い英国において、カトリックだった人。そういう人に作曲を頼むという、シェークスピアの人となりは驚きます。

そうなると、音楽だけではなく、演劇そのものも楽しみたくなりますが、意外と名前だけ知っているけれど劇は見たことないというケースは、シェイクスピアに関しては多いような気がするのです。後世において、オペラにすらなった作品もあるというのに・・・・・

ちなみに、私は中学校の時、文化祭だったと思いますがベニスの商人の中の牧師を演じており、ちょっとした失敗談もあります・・・・・ですので、シェークスピアはなじみある劇作家ですが、とはいえ、そもそも演劇はそれほど興味があるわけでもないので、名前だけ知っているというケースも本当に多いのです・・・・・

ですが、このアルバムを聴きますと、演劇を見たくなります。この音楽、実際に劇中で流れるとどうなるんだろう?とか。意外と音楽が鳴っている部分って報道されないんですよねえ。報道すれば、もっと興味を持つ人だって出るはずだって思うのですが・・・・・

このアルバム自体はかなり古い時代のものらしく、最近はナクソスからなど比較的いくつかのアルバムが出ていますけれど、それ以前はこのアルバムしかないような状況だったそうです。けれど、このアルバムを出すだけだって相当素晴らしいことだと思いますけれど・・・・・時はロマン派交響曲演奏全盛の時代に、ルネサンス期の音楽に真正面から向き合うなんざあ、歴史家である私好みド直球のアルバムです。

 


聴いている音源
シェイクスピア劇の音楽
①若い衆と、好きな娘が(T.モーリー)
②去れ、偽りの脣(J.ウィルソン)
③いとしの君よ(T.モーリー)
④太鼓を打ちならせ(T.ウィールクス)
⑤棚の歌(作者不詳)
⑥蜂に交わりて蜜を吸い(R.ジョンソン)
⑦いかにせば、偽りの恋斥けて(作者不詳)
⑧ウォルシンガム(F.カッティング)
⑨我ら3人の兵士(作者不詳)
⑩つらい嘆きに心が痛み(作者不詳)
⑪父は5ひろの海の底(R.ジョンソン)
⑫カレノ・カスチュア・ミー(作者不詳)
⑬突如喜びに泣くとも(作者不詳)
⑭いとしのロビン(作者不詳)
⑮雨と風と(作者不詳)
⑯ケンブのジグ(作者不詳)
⑰グリーンスリーヴズ(作者不詳)
⑱ビール店をするなら(作者不詳)
⑲主よ、我らにあらず(W.バード)
ルフレッド・デラー(カウンター・テナー、指揮)
デラー・コンソート
 フィリップ・トッド(テノール
 マックス・ワースレイ(テノール
 モーリス・ぺヴァン(バリトン
 デズモンド・デュプレ(リュート

地震および津波、水害により被害にあわれた方へお見舞い申し上げますとともに、亡くなられた方のご冥福と復興をお祈りいたします。同時に救助及び原発の被害を食い止めようと必死になられているすべての方、そして新型コロナウイルス蔓延の最前線にいらっしゃる医療関係者全ての方に、感謝申し上げます。