かんちゃん 音楽のある日常

yaplogから移ってきました。日々音楽を聴いて思うことを書き綴っていきます。音楽評論、想い、商品としての音源、コンサート評、などなど。

今月のお買いもの:ファジル・サイが弾くベートーヴェンのピアノ・ソナタ全集10

今月のお買いもの、シリーズで令和2(2020)年5月にe-onkyoネットストアにて購入しました、ファジル・サイが弾くベートーヴェンのピアノ・ソナタ全集をとりあげていますが、今回はその第10回目です。

第10回目は、第28番と、第29番「ハンマークラヴィーア」の2曲。第28番は多くの巨匠と同じような切り口で、それもまた素晴らしいのですが、第29番「ハンマークラヴィーア」は、サイの個性が詰まっているように思います。

第1楽章弾き始め、すこしどっしりとした演奏で始まるのも、ほかの演奏とはちょっと違う印象があります。どっしりかと思いきや、最終楽章は思いっきりはじけるかのような速いテンポ。その両極端が全く気にならないんです。

最初はえ?と思いますが、しかし聴いて行くうちにそんなことがなくなり、これがサイの世界なんだ、と納得してしまう。さすが、非凡さが際立っています。

ベートーヴェンのピアノ・ソナタの中でも異彩を放ち続ける、「ハンマークラヴィーア」。それを、しっかり「サイ節」で歌い上げてしまう。いやあ、これほど幸せなことないですよ。それで全く私自身の美意識とぶつからず、ともに歩んでいけるんですもん。もう、さすがとしか言いようがない!

こういったところに、サイの才能を非常に感じます。まぢで、インタヴューとかしたいですよ、ほんと。同い年なんですよ、サイとは。どこにこれだけのエネルギーがあるんだろうって思いますよ。古典派でも特にベートーヴェンのピアノ・ソナタは年齢とともに弾きにくくなる曲だと聞いたこともありますが、そんな曲をなぜ、同じアラフィフなのに選んだのか、ぜひとも訊いてみたいという意思がふつふつと湧き上がっています。

そんな意思が湧き上がるくらい、私にとってこの「ハンマークラヴィーア」の演奏は感動するものです。第28番だって、細部ではアコーギクをきかせて歌っているし、とにかく、歌う要素多し!まるでロマン派?という感じにすらなります。

このハンマークラヴィーアは、初めてライヴで聴いた瀬川氏のピアノと同じくらいしびれるものです。本当にサイの追っかけしたいです。え、お前だと気持ち悪いって?それ、いじめですよぉ。言わないで~

 


聴いているハイレゾ
ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン作曲
ピアノ・ソナタ第28番イ長調作品101
ピアノ・ソナタ第29番変ロ長調作品106「ハンマークラヴィーア」
ファジル・サイ(ピアノ)
(Warner Classics)

地震および津波、水害により被害にあわれた方へお見舞い申し上げますとともに、亡くなられた方のご冥福と復興をお祈りいたします。同時に救助及び原発の被害を食い止めようと必死になられているすべての方、そして新型コロナウイルス蔓延の最前線にいらっしゃる医療関係者全ての方に、感謝申し上げます。