かんちゃん 音楽のある日常

yaplogから移ってきました。日々音楽を聴いて思うことを書き綴っていきます。音楽評論、想い、商品としての音源、コンサート評、などなど。

東京の図書館から〜小金井市立図書館〜:ニールセンの管楽器協奏曲

東京の図書館から、小金井市立図書館のライブラリをご紹介しています。今回はニールセンの管楽器による協奏曲集です。CDには単に協奏曲集としかなかったように記憶しています。

ではなぜ私は管楽器のとわざわざつけたのかと言えば、このアルバムにはニールセンのフルート協奏曲とクラリネット協奏曲が収録されていますが、ニールセンはほかにヴァイオリン協奏曲も書いているからです。では協奏曲集ではおかしいのかと言えばそうではありません。実際、ニールセンが書いた協奏曲はその3曲だけ、なのですから。

カール・ニールセンの楽曲一覧
協奏曲
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AB%E3%83%BC%E3%83%AB%E3%83%BB%E3%83%8B%E3%83%BC%E3%83%AB%E3%82%BB%E3%83%B3%E3%81%AE%E6%A5%BD%E6%9B%B2%E4%B8%80%E8%A6%A7#%E5%8D%94%E5%A5%8F%E6%9B%B2

ところがです、管楽器の協奏曲のみこのアルバムで収録されているのには、理由があります。それは、管楽器のための2曲が、ともにコペンハーゲン管楽五重奏団のソリストのために作曲されたものだから、です。しかも1926年、28年とまとまって書かれているのも特徴です。

フルート協奏曲 (ニールセン)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%95%E3%83%AB%E3%83%BC%E3%83%88%E5%8D%94%E5%A5%8F%E6%9B%B2_(%E3%83%8B%E3%83%BC%E3%83%AB%E3%82%BB%E3%83%B3)

クラリネット協奏曲 (ニールセン)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AF%E3%83%A9%E3%83%AA%E3%83%8D%E3%83%83%E3%83%88%E5%8D%94%E5%A5%8F%E6%9B%B2_(%E3%83%8B%E3%83%BC%E3%83%AB%E3%82%BB%E3%83%B3)

ただ、プロジェクトはこの2曲で終わってしまいます。ですがこのアルバムでは、実に味なことをやっていまして、そもそも協奏曲を生み出すきっかけになった、管楽五重奏曲まで収録されています。なんとなく聴いているとあれ?管楽器だけだよね?って思ったら管楽五重奏曲に入っています。

木管五重奏曲 (ニールセン)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%9C%A8%E7%AE%A1%E4%BA%94%E9%87%8D%E5%A5%8F%E6%9B%B2_(%E3%83%8B%E3%83%BC%E3%83%AB%E3%82%BB%E3%83%B3)

クラリネット協奏曲だけは不協和音が存分に鳴り響く作品ですが、それ以外の2曲は意外にもそれほど不協和音が鳴り響くわけでもない作品です。

これらを演奏するのが、稀代のソリストたち。そしてオケはベルリン・フィル。指揮はラトル。こういった肩の凝らない、けれどもかなり深い作品を取り上げるのはラトルの功績であるといえるでしょう。ニールセンの作品は一時日本ではブームになり、私も名前だけは実は高校時代あたりから知っています。当時地元にあったCD点がTSUTAYAで、会員登録しますと私にぴったりな作品として、ベートーヴェンなどではなくニールセンなど、その後ナクソスが取り上げて一大ブームになる作品ばかりをリストアップしてきたので・・・・・

いやツタヤさん、リストアップしてくれるのはいいけれど、CDないぜよ・・・・・しかも、興味ないし。と当時は思っていたんです。けれども今やニールセンのCDどこにあるんだ!って感じです。いずれハイレゾでも音源を持ちたいなと思っています。ハイレゾなら場所とらないですしね〜。

さて、演奏に戻れば、ラトルの肩ひじ張らないタクトが生み出す暖かい音楽が、不協和音が響こうが和声的であろうが、聴くものをひきつけてやみません。特に1曲目であるフルート協奏曲の第1楽章。第1主題を普通は繰り返してソリストが入りますがこの作品では第1主題の冒頭だけ繰り返し。あとはソナタ形式で流れていくだけ、です。でもその特徴が前面に押し出されており、あっと驚く展開へと導いているのはさすがラトルです。

管楽五重奏曲ではソリストたちの饗宴。ともすれば質素な作品に生命が宿り、むしろ管楽五重奏曲のほうが精霊がいるかのような錯覚に陥ります。楽しくってしょうがない!こういう「楽しさ」は前任者アバドにはなかなかなかったもので、それだけにラトルの才能が光る選曲だと思います。プロデューサーもセンスがいいですし、こういった点が日本のアルバムに不満な点なんですよねえ・・・・・アマチュアオケなんかは結構工夫しているのに。あなた方は音大出た専門家でしょ!って言いたいです、まぢで。




聴いている音源
カール・ニールセン作曲
フルート協奏曲 FS119
クラリネット協奏曲 作品57(FS129)
管楽五重奏曲 作品43(FS100)
エマニュエル・パユ(フルート、フルート協奏曲・管楽五重奏曲)
サビーネ・マイヤー(クラリネットクラリネット協奏曲)
シュテファン・シュヴァイゲルト(ファゴット、管楽五重奏曲)
ジョナサン・ケリー(オーボエ&コール・アングレ、管楽五重奏曲)
ラデク・バボラーク(フレンチ・ホルン)
サイモン・ラトル指揮
ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団

地震および津波、水害により被害にあわれた方へお見舞い申し上げますとともに、亡くなられた方のご冥福と復興をお祈りいたします。同時に救助及び原発の被害を食い止めようと必死になられているすべての方に、感謝申し上げます。




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