ブラームスのクラリネットのための室内楽も、以前取り上げたことがあるのですが、やはり俯瞰したいという想いがあって、この音源を借りてきたように思います。
というのも、ブラームスのクラリネットのための室内楽と言えば、最も有名なのはやはりクラリネット五重奏曲です。
クラリネット五重奏曲 (ブラームス)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AF%E3%83%A9%E3%83%AA%E3%83%8D%E3%83%83%E3%83%88%E4%BA%94%E9%87%8D%E5%A5%8F%E6%9B%B2_(%E3%83%96%E3%83%A9%E3%83%BC%E3%83%A0%E3%82%B9)
詳しい説明はウィキに譲りますが、一つ私から付け加えれば、この作品はブラームスがクラリネット協奏曲としても後送したのではないかという構造を持っている、と言う事です。第1楽章、弦楽器の序奏の後にクラリネットが登場するのはとても印象的であり、室内楽としては個性的な作品です。
で、以前取り上げたかと思います、紀尾井ホールでの演奏と、この演奏、全く遜色がないんです・・・・・まず、聴いた時に驚いたのはその点でした。
20年ほど前の演奏が、この音源と大差ない・・・・・勿論、それは海外アーティストでもあったという理由もありますが、ホールの響きがすでに国際クラスであるということを、明確に示しているんです。
つまり、国内外の実力のあるアーティストが演奏すれば、ワールドクラスの響きが味わえる、ということを示しているのです。私はこの演奏によって知ることができました。
この音源を借りてきた時期も、自分の来し方を振り返っていた時期であり、なんと自分は素晴らしい演奏にもっと前に巡り合い、提供を受けたのだろうと、感謝しかありませんでした。
一方、クラリネット三重奏曲は、みごとに室内楽的な構造です。
クラリネット三重奏曲 (ブラームス)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AF%E3%83%A9%E3%83%AA%E3%83%8D%E3%83%83%E3%83%88%E4%B8%89%E9%87%8D%E5%A5%8F%E6%9B%B2_(%E3%83%96%E3%83%A9%E3%83%BC%E3%83%A0%E3%82%B9)
ブラームスはこちらのほうを好んでいたようですが、確かに室内楽的でありかつ人間の内面を映しているかのような音の陰影は、みごとなコントラストになっていますし、クラリネット五重奏曲に勝るとも劣らない素晴らしい作品です。
どちらの作品であっても、ブラームスらしい「渋み」が芸術へと昇華されているのが素晴らしい点です。
演奏するクラリネットのライスターはアマデウスともセッション経験がある演奏家です。ブランディス四重奏団と品がありつつかつ抉り取るような表現は、味わい深く何度聞いても飽きません。五重奏曲であっても三重奏曲であっても、本当に素晴らしいセッションです。ピアノのポークナーは三重奏曲で大活躍ですが、これもそのセッションが見事!お互いの息を確かめ合うかのように、縦横無尽の演奏を繰り広げます。
こういう演奏に巡り合えていたことに、本当に感謝しかないですし、また、振り返りの機会が与えられたことで、ブラームスのクラリネットの室内楽を俯瞰できる機会が与えられたことも、本当に素晴らしいことだと思います。
聴いている音源
ヨハネス・ブラームス作曲
クラリネット五重奏曲ロ短調作品115
クラリネット三重奏曲イ短調作品114
カール・ライスター(クラリネット)
フェレンツ・ボークナー(ピアノ)
ブランディス弦楽四重奏団
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