かんちゃん 音楽のある日常

yaplogから移ってきました。日々音楽を聴いて思うことを書き綴っていきます。音楽評論、想い、商品としての音源、コンサート評、などなど。

神奈川県立図書館所蔵CD:ブラームスのヴィオラと弦楽のための五重奏曲他

神奈川県立図書館所蔵CDのコーナー、今回はブラ―ムスのヴィオラと弦楽のための五重奏曲他を収録したアルバムを御紹介します。

え、ブラームスにそんな作品ありましたっけ?という、ア・ナ・タ。ええ、ございませんです事よおほほほほ〜♪

では何?ってなりますよね、実はこのアルバムは、カップリングのショスタコーヴィチも含め、編曲物なんです。

つまり、ブラームスも当然ながら、原曲がありまして、それがクラリネット五重奏曲なのです。

クラリネット五重奏曲 (ブラームス)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AF%E3%83%A9%E3%83%AA%E3%83%8D%E3%83%83%E3%83%88%E4%BA%94%E9%87%8D%E5%A5%8F%E6%9B%B2_(%E3%83%96%E3%83%A9%E3%83%BC%E3%83%A0%E3%82%B9)

私もこの作品は大好きで、実は幾つか音源を持っておりますが、このヴィオラ版もいいんですよ〜。編曲者がいいのか、とにかくヴィオラクラリネットのような暖かさをもっているので、なんだかほっとする作品です。

一方のショスタコーヴィチ。「ヴィオラと弦楽のためのシンフォニア」は、原曲が弦楽四重奏曲第13番変ロ長調作品138。実は借りようと思ったきっかけはこのショスタコのほうにあったんです。勿論、ブラームスのほうにも興味はありましたが、何故なら、ショスタコ弦楽四重奏曲に関しては様々な人が編曲を行っており、ショスタコ自身も弦楽オーケストラのためにしていますし、後年指揮者バルシャイも行っており、それは以前ご紹介しております。

弦楽四重奏曲第13番 (ショスタコーヴィチ)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%BC%A6%E6%A5%BD%E5%9B%9B%E9%87%8D%E5%A5%8F%E6%9B%B2%E7%AC%AC13%E7%95%AA_(%E3%82%B7%E3%83%A7%E3%82%B9%E3%82%BF%E3%82%B3%E3%83%BC%E3%83%B4%E3%82%A3%E3%83%81)

その上で、実は弦楽四重奏曲は第1番が、ダスビの団長によってオケ版に編曲されてもいます。そういったことを知っているがゆえに、どのような編曲になっているのかに興味があって、借りてきたのです。

で、ショスタコですが、ヴィオラ以外がまるでオケのようになっており、これは優れた編曲だと思います。まさにシンフォニアというべき作品に変わっており、かつ違和感がないんです。実に楽しめます。

演奏はヴィオラがユーリ・バシュメット弦楽四重奏がモスクワ・ソロイスツ。実はブラームスクラリネット五重奏曲をヴィオラへと編曲したのがバシュメット。ちなみに、ショスタコはA.チャイコフスキーによるもの。いずれにしても、バシュメットヴィオラは暖かく、原曲の雰囲気を十分持っておりながらも、歌うヴィオラは心にしみわたります。一方ショスタコでは、弦楽ソロともにショスタコの作品が持つ、ブラームスとはまた違った、命の危険を潜り抜けてきた故の哀愁が込められており、心の叫びすら聴こえます。

特にブラームスでは、ヴィオラと言う楽器はこれほどまでに人間的な音を出す楽器だったのかと、括目せざるを得ません。それは演奏者の力量もあるのでしょう。最近はやりのクルレンツィス指揮ムジカ・エテルナがいいのは、この音源を持っている私からすれば当然のことなんです。ロシアの演奏家が一定以上のじつりょくを持っていることはよく知られていることですし、ゆえにアンサンブルさえしっかりできればすごい演奏になることは容易に予想できます。それがクルレンツィスという才能によって一つにまとまり、芸術として昇華しただけ、なんです。

図書館はこのように、宝の山なんです。ブラームスクラリネット五重奏曲の、新たな魅力すら私たちに呈示しているかのようで、何度聴いても飽きません。こういう演奏に出会えるのは、本当にクラシック冥利に尽きますね〜。




聴いている音源
ヨハネス・ブラームス作曲
ヴィオラと弦楽のための五重奏曲ロ短調作品115
クラリネット五重奏曲の編曲版、編曲:ユーリ・バシュメット、バス補編:ユーリ・ゴールベフ)
ドミトリ・ショスタコーヴィチ作曲
ヴィオラと弦楽のためのシンフォニア
(A.チャイコフスキーによる、弦楽四重奏曲第13番変ロ長調作品138の編曲版)
ユーリ・バシュメットヴィオラ
モスクワ・ソロイスツ

地震および津波により被害にあわれた方へお見舞い申し上げますとともに、亡くなられた方のご冥福をお祈りいたします。同時に原発の被害を食い止めようと必死になられているすべての方に、感謝申し上げます。




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