かんちゃん 音楽のある日常

yaplogから移ってきました。日々音楽を聴いて思うことを書き綴っていきます。音楽評論、想い、商品としての音源、コンサート評、などなど。

今月のお買いもの:バレンボイム指揮シュターツカペレ・ベルリンのベートーヴェン交響曲全集9

今月のお買いもの、平成29年9月に購入したものをご紹介しています。シリーズでお届けしている、ハイレゾで、バレンボイム指揮シュターツカペレ・ベルリン演奏の、ベートーヴェン交響曲全集も、いよいよ第九を残すだけとなりました。

ここまで、本当に素晴らしい演奏の数々で、これはなあ・・・・・というものが一つもないという、私にとって本当に珍しい、「相性のいい」全集なのですが、さて、最後の。もっとも好きな第九はどうなのでしょうか・・・・・

結論を言えば、素晴らしい演奏です!

ところどころ、アインザッツが乱れる部分があるんですが、それが全然気にならないんです。それよりも、全体的な前進力に魅了されていきます。

リズム感としては、多少ゆったりめで、リズムが立ってない面も散見されるのですが、それも気にならないんです。バレンボイムって、不思議な指揮をほんとうにします。まるで魔法です。

恐らく、第九と言う作品が、そもそも構造的に名曲たるものを持っているからだと思います。動き回るリズムに、流れる旋律というものですが、それでも第1楽章などはそうでもないにも関わらず、ゆったり目なのにものすごく激しく感じるんですよね。

ハイレゾなので、CDよりは各パートの音が聴き取りやすいと言う点もあるのかもしれません。これがCD音質だったら、また違った印象になるのかもしれません。

常々私が指摘する、第4楽章のvor Gott!の部分も、vor1拍に対してGott!が6拍なので特段変態演奏ではないにもかかわらず、とても熱いものを感じます。オケがシュターツカペレ・ベルリンですが、合唱団のベルリン国立歌劇場合唱団はまるで旧西側のようにビブラートがかかる発声。むしろこれには驚きます。しかしその力強いオペラハウス合唱団の発声が、第九と言う作品の生命力を高めています。

やはり、バレンボイムは只者ではありません。巷ではクルレンツィスが話題沸騰ですが、いやいや、バレンボイムもまだまだ捨てたものではありません。確かにクルレンツィスの演奏は素晴らしいのですが、私はやはりバレンボイムを推します。その一つの理由がこの第九だと言えるでしょう。

バレンボイムのすごい点は、ピアニスト出身指揮者なのに、フレージングがまるで歌うようなので、作品をぶち壊さず、むしろ生命力を与える解釈をするという点です。この第九でもそれは顕著です。今までこのブログでもバレンボイムの第九は登場していますが、私はその時の演奏よりもこの演奏を推します。あの時の演奏はまだ、オケが十分に団員同士が相互理解しないまま演奏しているように感じましたが、この演奏はシュターツカペレ・ベルリンという常設の、歴史あるオケなので団員同士のコミュニケーションもばっちり。それゆえの相互にフォローしあう素晴らしい演奏になっていると思います。

こういう演奏に出会うことが嬉しいんですよね〜。クルレンツィスを引き合いに出せば、あんな完璧な演奏は確かに理想的ですが、ソリスト集団なら当然と言うべきなんです。それが普通のオケで、驚きの演奏が聴けるなんて、こんな素晴らしく幸せなことはありません。

クルレンツィスに関しては別途エントリを立てたいなと思っていますが、評論家の中には楽譜虫なのであまり評価しない人もいます。私はその立場は取らないですが、あまりの熱狂にも参加しません。なぜなら、このバレンボイムのように、ふと見渡せば既存の録音で素晴らしい演奏はいくらでもあるからで、それがないように思ってしまうのは、自らが盲目になっているだけだからです。目を見開き、しっかりと見渡せば、おのずと演奏が自分に寄ってくる・・・・・最近はそのように感じています。

ですから、クルレンツィスもそのうちの一人でしかないんです。それよりも、バレンボイムの、既存のピアニスト出身指揮者の解釈を打ち壊す、音楽家としての素晴らしい資質に、尊敬するばかりです。さらに何かバレンボイムで買いたいなと思います。




聴いているハイレゾ
ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン作曲
交響曲第9番ニ短調作品125「合唱付き」
ソイレ・イソコスキ(ソプラノ)
ローズマリー・ラング(メゾ・ソプラノ)
ロバート・ギャンビルテノール
ルネ・パーペ(バス)
ベルリン国立歌劇場合唱団
ダニエル・バレンボイム指揮
シュターツカペレ・ベルリンベルリン国立歌劇場管弦楽団

地震および津波により被害にあわれた方へお見舞い申し上げますとともに、亡くなられた方のご冥福をお祈りいたします。同時に原発の被害を食い止めようと必死になられているすべての方に、感謝申し上げます。




このブログは「にほんブログ村」に参加しています。

にほんブログ村 クラシックブログへ
にほんブログ村
にほんブログ村 クラシックブログ クラシック音楽鑑賞へ
にほんブログ村
にほんブログ村 クラシックブログ クラシックCD鑑賞へ
にほんブログ村
にほんブログ村 クラシックブログ 合唱・コーラスへ
にほんブログ村