かんちゃん 音楽のある日常

yaplogから移ってきました。日々音楽を聴いて思うことを書き綴っていきます。音楽評論、想い、商品としての音源、コンサート評、などなど。

東京の図書館から〜小金井市立図書館〜:「恋とはどんなものかしら」ギター・デュオによるモーツァルト・オペラ・アリア 「魔笛」、「フィガロの結婚」、「ドン・ジョバンニ」

東京の図書館から、小金井市立図書館のライブラリをご紹介しています。今回はモーツァルトの有名なオペラ(ジングシュピール)から有名なアリアを、ギターで演奏してしまおうというアルバムです。

え、ギターでんなもんできるんですか、って?いやあ、それは演奏者に言ってくださいよ。ただ、私もどんなもんなんだろうと思って借りたのは事実です。デュオなのでそれほどさみしいものにはならないはずだという確信はありました。それはリストのピアノ編曲で何度も経験している話なので。

ただ問題は、ギターという楽器で実現させるという点です。ギターはピアノほど自由度がない楽器です。確かに派手ではありますけれど。けれど、演奏が山下和仁となれば、その欠点がないもになってしまうんですから、不思議です。

そう、この演奏は山下和仁なんです。ついでにそのお相手は、妹さんの尚子。管弦楽やピアノを主に聞いていますとふうんとしか反応しませんし、実際棚で見た私もそうでした。ところがです、よくよく調べてみるとこの妹さんが只者ではない。

山下 尚子
http://www.takioto.com/acogui/acoguists/yamashitanaoko

ジャズとロックを主に演奏する、つまり激しい演奏が常なラリー・コリエルがぶったまげた巧みな演奏技術と表現。けれども兄よりももっとクラシックファンには知られていない存在だと思います。それもそのはず、ソリストとしてはデビューしておらず、もっぱら父のギター合奏団員として活動しているというのですから。

一方の兄は、クラシックファンでも多少名前を知っている偉大な存在です。

山下和仁
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%B1%B1%E4%B8%8B%E5%92%8C%E4%BB%81

そんな二人がタッグを組み、モーツァルトのオペラアリアをアンサンブルするというのですから、ギターに詳しい人なら多分、こんなわくわくするアルバムもないんだろうなあって思いますが、私自身はそれほどギターに詳しくないので、どれほどなのかと言われてもとは思います。ただ、ここまで幾人かのギターの演奏を聴いてきた経験から言いますと、いやあ、これは飛んでもない、素晴らしい演奏だと言っていいでしょう。

実は私も、「魔笛」は日本語歌詞により合唱で歌った経験があるものです。その経験からしますとモーツァルトのオペラアリアは簡単な様で実に難しい作品ばかりです。オペラアリアに限らず、モーツァルトの作品を演奏するポイントは、八分音符をいかに演奏するかにかかっていると思います。この八分音符(場合によっては休符も)に生命力をどう与えるか。どうすれば生命力が宿るのか、なのです。

私の場合、ペーター・シュライアーがシュターツカペレ・ドレスデンライプツィヒ放送合唱団を振った「戴冠ミサ」がそのヒントをくれるものでした。八分音符は跳ねさせる・・・・・それが、私の出した答えです。

では、山下はどうしているか。跳ねさせているんです!それが生み出す生命力!躍動する魂!モーツァルトのオペラが持つ、現世的な健康的快楽。それがしっかりと表現されおり、もうノリノリです。

それは山下兄妹の高い技術力と、技術は単にひけらかすものではなく音楽を楽しむためにあるというような思想に基づいているように思います。少なくとも兄のスタンスには音楽を楽しむというものがあると私は判断しています。エチュード体系的にをやっていないというのは、それだけ才能があるだけにむしろ表現力を磨いたからでしょう。だからこそ、技術に耽溺することなく、その技術を使っていかに表現するかを考え抜くんだと思います。その典型がベートーヴェンのヴァイオリン協奏曲だと思いますし、それは聴いてみたい!って思います。

以前なら、こういう編曲ものってつまらなくてどうしようもなかったんです。ところがリストの編曲ものを聴くにつけ、あれ?面白い!と思えるようになったのです。そこからは、編曲ものはある意味私の中では「キワモノ」として存在しています。その「キワモノ」をしっかりとした技術でもって楽しい演奏として実現させた山下兄妹。もっといろんな演奏を聴いてみたい!って思うのですが、それは長崎に移住しないと無理なのかもしれません。

え、長崎へ旅行に行くって方法もあるんではって?そりゃあ、再来年くらいには長崎新幹線も開通しますけれど・・・・・長崎って、本当に遠いんです。しかも、結構「今日も〜あめぇ〜だった〜♪」

特に、台風シーズンは・・・・・晴れの日に当たってくれればいいですけれど。




聴いている音源
ヴォルフガング・アマデウスモーツァルト作曲
オペラ「フィガロの結婚」K.492より
�@恋とはどんなものかしら(第2幕-第11曲 カヴァレッタ)(ケルビーノ)
�Aもう飛ぶまいぞ、この蝶々(第1幕-第9曲 アリア)(フィガロ
�Bなくしてしまったの、どうしよう(第1幕-第23曲 カヴァティーナ)(バルバリーナ)
�C行進曲(第3幕-第22曲、フィナーレ)
オペラ「ドン・ジョバンニ」K.527より
�Dカタログの歌(金髪の娘には)(第1幕-第4曲 アリア)(レボレッロ)
�E乙女たちよ、恋をするなら(第1幕-第5曲 二重唱と合唱)(マゼット、ヴェルリーナと村の男女)
�F手を取りあって、あちらへ(第1幕-第7曲 二重唱)(ドン・ジョバンニ、ヴェルリーナ)
�G彼女の安らぎこそ、私の願い(第1幕-第10曲b アリア)(ドン・オッターヴィオ
�Hおいで窓べに、可愛い娘(第2幕-第16曲 カンツォネッタ)(ドン・ジョバンニ
オペラ「魔笛」K.620より
�Iおれは鳥刺し(第1幕-第2曲 アリア)(パパゲーノ)
�Jなんと美しい絵姿(第1幕-第3曲 アリア)(タミーノ)
�K愛を知るほどの殿方は(第1幕-第7曲 二重唱)(パミーナ、パパゲーノ)
�Lこの道はあなたを目的に導く(第1幕-第9曲、フィナーレ)(3人の弟子、タミーノ)
�Mなんてすばらしい音!(第1幕-第8曲 フィナーレ)(モノスタトス、奴隷たち)
�Nイシス、オシリスの神よ(第2幕-第10曲 アリアと合唱)(ザラストロ、僧たち)
�Oこの神聖な殿堂には(第2幕-第15曲 アリア)(ザラストロ)
�Pお二人ともよく来ましたね(第2幕-第16曲 三重唱)(3人の弟子)
�Q愛の喜びは露と消え(第2幕-第17曲 アリア)(パミーナ)
�R可愛い娘か女房がいれば(第2幕-第20曲 アリア)(パパゲーノ)
山下和仁(ギター)
山下尚子(ギター)

地震および津波、水害により被害にあわれた方へお見舞い申し上げますとともに、亡くなられた方のご冥福と復興をお祈りいたします。同時に救助及び原発の被害を食い止めようと必死になられているすべての方に、感謝申し上げます。




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