神奈川県立図書館所蔵CDのコーナー、今回はカール・ベームとウィーン・フィルが1975年に来日したときのコンサートを収録したアルバムをご紹介します。
なんでこんなベタなのを借りてきたのかって?そもそも、私は図書館でけったいなものを借りてくるつもりはなくて、むしろそれはCDで購入し、有名曲こそ図書館で借りてくるという方針でした。そのほうが金かからずに済みますからね。
そんな方針の下、棚で見つけたのがこのアルバムだったのです。そういえば、ベームとウィーン・フィルが来日したときの録音って持っていなかったな、と。
たいてい、クラシックファンで話題になるときって、この録音が上がることが多いですよね。けれども私はこれ聴いていないで済ませていたんです。それはそれで私のポリシーなんですが、まあ、時としてベームを神と崇め、カラヤンを罵倒する連中に出会うわけなんです、これが。どうもその礼賛ぶりに違和感を感じることが多いので、「では亀さん、借りてみよう(十津川警部)」というわけで借りてきたのがこれなんです。
しかも、音響的には?と言われるNHKホール。まあ、たしかにねとは思いますが、じつはそれほどサウンド的に悪いホールではありません、NHKホールって。これ、じつは他の音源でベト6を持っているので、どうもNHKホールがというのも違和感を持っているんです。確かに残響は今どきのいわゆる良いホールのほうがいいに決まっていますが。
ならなんで、N響はいつまでもNHKホールに居座るんでしょう?とっくに新しいクラシック専用ホールをNHKで!となったっていいわけじゃないですか。なのになぜそういう要求が出ないんでしょう?残響に目をつぶれば、意外と良いホールだからなんじゃないでしょうか。
これ、そもそもはベームとウィーン・フィルなので、レコーディング・エンジニアはドイツ・グラモフォンの人なんですね。マイク位置など絶品で、意外としっかり残響が入っているのがわかります。これ、本当にNHKホールなのか?と首をかしげてしまうでしょうね。で、アンチ・カラヤンの人たちは、捏造だ!とか言うんですか?多くの人がこれは本物だと証言しているのに。
これも、セルとクリーヴランドのときと一緒で、その場の空気というか、緊張感まで録音されているのはすごいと思います。もちろん、ハイレゾではないので限界はありますが、その限界の中で最大限その場の空気が収録されているのは、さすがドイツ・グラモフォンだと思います。
それは特に演奏に集約されていて、収録されているシェーンベルクの「火の鳥」と、ブラ1はどちらも優れた演奏です。特にブラ1は、時として冗長になるこの交響曲がなんと引き締まっていることか!それが生命力を発し、ホールなどお構いなしに、実に歌っており、楽しい!
ブラームスの、苦しみの産物である交響曲第1番。それが、聴いていて楽しいんですよ!明るいですし、希望が見える演奏です。そりゃあ、待ちきれないブラヴォウ!や拍手もありますよ。NHKホールなんですから、決してフライングでもないですし。さすがベーム、さすがウィーン・フィル、さすがドイツ・グラモフォン!
この演奏を聞きますと、やれ東響がなんだ他のオケがとか言うのは不毛だと思います。まだまだ、聴衆も含めて日本のクラシック音楽シーンは欧米からおくれています。もういい加減、このときのウィーン・フィルくらいにはなりましょうよ。むしろこのときの聴衆たちのほうがよほど進歩的だって私は思います。で、今はどうなんでしょうか?日本は進んだのでしょうか?批判は確かに必要ですが、不毛な議論と批判を続けては居ないでしょうか。それによって、停滞しては居ないでしょうか。
そんなことをやっているうちに、みなさんが大っきらいな韓国や中国のクラシック・ファンに越されるって思いますけどね。時代はもう令和ですよ?そろそろ古いことから脱却しましょうよ。
聴いている音源
ベーム/ウィーン・フィル、NHKライヴ1975
イーゴル・ストラヴィンスキー作曲
バレエ音楽「火の鳥」(1919年版)(3月17日演奏)
ヨハネス・ブラームス作曲
交響曲第1番ハ短調作品68(3月17日演奏)
カール・ベーム指揮
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
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