かんちゃん 音楽のある日常

yaplogから移ってきました。日々音楽を聴いて思うことを書き綴っていきます。音楽評論、想い、商品としての音源、コンサート評、などなど。

神奈川県立図書館所蔵CD:チャイコフスキー 組曲全集2

神奈川県立図書館所蔵CDのコーナー、チャイコフスキー組曲全集の2枚めです。第3番と第4番「モーツァルティアーナ」です。

むしろ、チャイコフスキー組曲はこの2つで有名なのではないでしょうか。ただ、この2つの組曲は当初チャイコフスキーが目指したバロック的なものではなく、むしろチャイコフスキーの独創的な作品となっています。

さらに言えば、第4番「モーツァルティアーナ」はチャイコフスキーの作曲とまで言えるかどうかの問題作です。なぜなら、殆どを占める旋律はその名前が示すとおり、モーツァルトの作曲だからです。

組曲第3番 (チャイコフスキー)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%B5%84%E6%9B%B2%E7%AC%AC3%E7%95%AA_(%E3%83%81%E3%83%A3%E3%82%A4%E3%82%B3%E3%83%95%E3%82%B9%E3%82%AD%E3%83%BC)

組曲第4番 (チャイコフスキー)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%B5%84%E6%9B%B2%E7%AC%AC4%E7%95%AA_(%E3%83%81%E3%83%A3%E3%82%A4%E3%82%B3%E3%83%95%E3%82%B9%E3%82%AD%E3%83%BC)

組曲第3番は、チャイコフスキー自身が「私は交響曲を書いたつもりである」と宣言してますし、第4番はチャイコフスキー自身が組曲に入れていません。そんな2曲が今日チャイコフスキーの「組曲」として最も有名とは、まさに人間万事塞翁が馬だと思います。

組曲第3番はチャイコフスキーがいう「私は交響曲をかいた」という言葉通りの作品だと思います。これを4楽章形式の交響曲だとすれば、各楽章はまさに交響曲の様式通りです。特に、古典派あるいはギャラントの交響曲と瓜二つですし。

一方の第4番は、それぞれモーツァルトの作品が原曲です。ピアノ曲とされるんですが、それは第3曲がリストのピアノ作品の中で編曲されて使われているからで、正確には第3曲だけは合唱曲が原曲(アヴェ・ヴェルム・コルプス)です。この原曲は私も何度も歌った作品なので、慣れ親しんたものなんですけどねえ、イリイチ?特にテノールは難しいんだ、これ。高音部がずっとppなんでね。

まあ、ウィキに記載されている批判はあながち間違ってはいないと思いますが、まあまあ・・・・・そもそも、前期ロマン派の時代こそ、モーツァルトは神でした。チャイコフスキークラシック音楽としては周辺のロシアの作曲家です。後期ロマン派の時代では中欧とともに音楽先進地域ですが、とは言え、受容としては日本と50年ほどしか違いがないとも言えるくらいです。前期ロマン派の時代の精神がようやくロシアまで波及したって時代です。でも和声などは後期ロマン派なわけです。そんな新旧が渾然一体となった時代の作曲家であるわけなので、どうしてもあまーくなるわけなんですね、これ。

むしろ、前期ロマン派の作曲家たち、例えばシューベルトウェーバーシューマンメンデルスゾーンなどだっら、どんな音楽になるんだろうって思います。この「モーツァルティアーナ」はチャイコフスキーがほとんど改作、付け足しなどをせずに、素材をチャイコフスキーの時代の和声で料理したものです。むしろ時代精神が色濃く反映されている作品だと思います。

これ、実はちょっとわたし自身は面白いことを考えていまして・・・・・ふふふ。まあ、いつかmixiのほうで実現させるつもりですが、このチャイコフスキーが使ったモーツァルトの作品はすべて音源を持っています。ということは・・・・・mixiのマイミクさんでこのブログの読者の方たちは、ピン!とくるものがあるかもしれませんね。まあ、それはお楽しみということで。

演奏するビエロフラーヴェクとプラハ響はこれまた楽しそうに演奏しています。楽しさがにじみ出ているというか。交響曲の精神性!とかいう人だとそんな楽しさは微塵も伝わらないかもしれませんが、そんなことのこだわりをすてて自由になったわたしにはビンビン伝わってきます。そもそも、チャイコフスキーが苦しみではなく楽しさを重視して作曲した作品なので楽しんでなんぼだと思うんですが、だからこそオケも指揮者も楽しんでいるんだと思います。やっぱり演奏は楽しまなくっちゃねえ。これ、私は合唱しているときに失ってしまったんです。アマチュアなのに。持続し続けるのがプロならば、まさにこれはプロの演奏です。さすが!

こういう演奏も、今や私自身にとっては無くてはならない演奏になりました。




聴いている音源
ピョートル・イリイチ・チャイコフスキー作曲
組曲第3番ト長調作品55
組曲第4番ト長調作品61「モーツァルティアーナ」
イルジー・ビエロフラーヴェク指揮
プラハ交響楽団

地震および津波、水害により被害にあわれた方へお見舞い申し上げますとともに、亡くなられた方のご冥福と復興をお祈りいたします。同時に救助及び原発の被害を食い止めようと必死になられているすべての方に、感謝申し上げます。




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