神奈川県立図書館所蔵CDのコーナー、今回から2回に渡りましてチャイコフスキーの組曲全集のアルバムをご紹介します。
チャイコフスキーといえば、いくつか組曲を書いていますが、これはバロック風に言えば管弦楽組曲、です。バレエやオペラからの抜粋である組曲も出なく、純粋に組曲として書いたものです。
となれば、通常は舞曲が中心ってことになり、チャイコフスキーも基本倣っています。
組曲第1番 (チャイコフスキー)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%B5%84%E6%9B%B2%E7%AC%AC1%E7%95%AA_(%E3%83%81%E3%83%A3%E3%82%A4%E3%82%B3%E3%83%95%E3%82%B9%E3%82%AD%E3%83%BC)
組曲第2番 (チャイコフスキー)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%B5%84%E6%9B%B2%E7%AC%AC2%E7%95%AA_(%E3%83%81%E3%83%A3%E3%82%A4%E3%82%B3%E3%83%95%E3%82%B9%E3%82%AD%E3%83%BC)
とりあえず、まず1枚めが第1番と第2番が収録されているのでこの2つの説明を挙げましたが、チャイコフスキーが書いた「管弦楽組曲」のうち、3曲は基本バロック的な、舞曲を中心とした作品になっています。
けれども多分、チャイコフスキーの組曲のうち、最も有名なのは残りの1曲だと思うのですが・・・・・それは、2枚めのときに言及しますけど、じつは舞曲中心ではないんですよね・・・・・
さて、この前半の2曲。チャイコフスキーが交響曲第4番を書いて、実は苦悩していた時期の作品です。入水自殺未遂までやってしまうほど、精神的に追い込まれていた時期ですから・・・・・だって、彼はLGBTだと伝えられていますから。生きづらさを感じていたんだと思います。まあ、それは特に交響曲第4番を聴きますとなるほどなあってわかりますけどね・・・・・とっても強迫的なので。
そんな時期に、もっと優雅な作品をと思って作曲したのが、組曲でした。強迫的なものはほとんど見出されず、優雅で気品ある、しかしチャイコフスキーらしい和声や個性はいささかも失われていない作品に仕上がっています。
特にその傾向が顕著なのが第2番でしょう。第1曲「春の遊び」の旋律と和声を聴けば、おお!これぞチャイコフスキー!というものが見出されます。
演奏はビエロフラーヴェク指揮チェコフィル・・・・・・ではなくて、プラハ響。このプラハ響と、ビエロフラーヴェクは名演を数多く作り出しています。チェコ・フィルよりずっとあっていたんでは?と思います。実際、私はビエロフラーヴェク指揮のチェコ・フィルでよりも、優れた演奏はプラハ響のほうで出会っており、このチャイコフスキーの組曲でもそうです。緩急のコントラスト、ダイナミクス、アインザッツ、それらが生み出す生命力。どれをとっても素晴らしく、オケも指揮者も楽しそうです。
そう、その「楽しそう」というのが、ビエロフラーヴェクでもチェコ・フィルとではないんです。どこか構えてしまっている。でも、このプラハ響となら、肩の力が適度に抜けており、実に軽やかで、しかし気品は失わず、生命力に富んでいるんですよね〜。やはり、チェコ・フィルというのは国の名を負っているだけ、プレッシャーなんだろうなって思います。
そのプレッシャーがない分、演奏は実に楽しそうに聴こえるんです。まるでオケと指揮者が笑い声を上げながら会話しているかのよう。聴いていて時間を忘れるほど楽しいです。こういう作品ほど、クルレンツィス指揮ムジカ・エテルナならどう演奏するかってところだと思うんですが・・・・・
聴いている音源
ピョートル・イリイチ・チャイコフスキー作曲
組曲第1番ニ長調作品43
組曲第2番ハ長調作品53
イルジー・ビエロフラーヴェク指揮
プラハ交響楽団
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