かんちゃん 音楽のある日常

yaplogから移ってきました。日々音楽を聴いて思うことを書き綴っていきます。音楽評論、想い、商品としての音源、コンサート評、などなど。

今月のお買いもの:チャイコフスキー 交響曲第3番「ポーランド」・テンペスト

今月のお買いもの、平成28年7月に購入したものを御紹介しています。今回はディスクユニオン新宿クラシック館にて購入しました、ナクソスチャイコフスキー交響曲第3番他です。

実は、チャイコフスキー交響曲は、第3番だけ完全なWAVファイルでは持っていません。ですから実はずっと前から、第3番はWAVファイルで持ちたい(つまり、CDを買うもしくは図書館で借りるか)と思っていたのです。

そこで、CDを買うか、図書館で借りるかで悩むわけです。基本、有名作品は借りると言うのが私の方針ですが、ではなぜこのCDを買ったかと言えば、演奏がヴィト/ポーランド国立カトヴィツェ響だからです。

このコンビ、けっこうステディな演奏をするので、まあ間違いはないのです。借りるという選択もあった中で買ったのには、演奏者が理由だったと言うわけです。多分、このCDが図書館にあれば、借りていたと思います。

と言うのは、最初に聴いたゲルギエフ/ウィーン・フィルが結構強烈だったものですから・・・・・今でも、携帯音楽プレーヤーにはゲルギエフ/ウィーン・フィルのを入れています。それに少しでも近いもので、でも違っていても聴けるものという部分で、このCDに辿りつきました。

さて、以前もご紹介はしていると思いますが、もう一度チャイコフスキーの「ポーランド」をおさらいです。1875年に作曲された5楽章形式の作品です。ポーランドという名称は後からつけられたものです。

交響曲第3番 (チャイコフスキー)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%BA%A4%E9%9F%BF%E6%9B%B2%E7%AC%AC3%E7%95%AA_(%E3%83%81%E3%83%A3%E3%82%A4%E3%82%B3%E3%83%95%E3%82%B9%E3%82%AD%E3%83%BC)

5楽章ありますが、例えばベートーヴェンの「田園」のように楽章が続いているのかと言えばそうではなくて、それぞれ独立しています。それでいて第4番以降のチャイコフスキー交響曲が持つ「霊感」もしっかりとある作品で、スタイルをこの作品で確立したと言っていいでしょう。

ヴィトはこの作品が持つ「祝祭性」とは少し距離を置いています。でも、作品が持つエネルギーはしっかりとこちらに伝わってきます。この作品はその題名と作品にちらほら出る「運命主題」によって、ポーランドの愛国的作品だと見られかねないのですが実はそんなことはないんです。ただ旋律やリズムにポーランドのものを使っただけです。恐らくそうみられる理由は第4楽章だと思うのですが、第4楽章はそもそも、ロシア皇帝のためのカンタータを転用していますからむしろロシアの愛国的作品だと言えます。

もし、愛国的だとか言うのであれば、チャイコフスキーの「スラヴ民族」としてのポーランドへの共感でしょう。以前、ポーランドの作曲家パデレフスキの「ポーランド」を採り上げたことがありますが、それとは全く様相が異なります。

今月のお買いもの:パデレフスキ 交響曲ポーランド
http://yaplog.jp/yk6974/archive/861

チャイコフスキーはあくまでも、ロシア人のコスモポリタンとして、スラヴ民族への共感から作品が生み出されていますから、その分、ヴィトとカトヴィツェ響は距離を置いて演奏しているのでしょう。でも、しっかりと作品が持つ生命力は表現されており、劇的な部分もあります。特に最終第5楽章はポロネーズであるだけに、やはりオケも気合いが違います。これがこの作品のクライマックスだ!と言わんばかりに熱い演奏を繰り広げます。

テンペストは実は再収で、以前チャイコフスキーの作品集に収録されていたものがそのまま収録されています。

マイ・コレクション:チャイコフスキー シェイクスピアを題材とした幻想曲集
http://yaplog.jp/yk6974/archive/557

演奏は上記エントリに譲ります。この二つの組み合わせは、ヴィトとカトヴィツェ響のステディさと、ダイナミックさを存分に味わうことができるカップリングだと言えましょう。




聴いているCD
ピョートル・イリイチ・チャイコフスキー作曲
交響曲第3番ニ長調作品29「ポーランド
幻想曲「テンペスト」作品18
アントニ・ヴィト指揮
ポーランド国立カトヴィツェ交響楽団
(Naxos 8.550518)

地震および津波により被害にあわれた方へお見舞い申し上げますとともに、亡くなられた方のご冥福をお祈りいたします。同時に原発の被害を食い止めようと必死になられているすべての方に、感謝申し上げます。




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