かんちゃん 音楽のある日常

yaplogから移ってきました。日々音楽を聴いて思うことを書き綴っていきます。音楽評論、想い、商品としての音源、コンサート評、などなど。

今月のお買いもの:チャイコフスキー ピアノ協奏曲第2番、協奏幻想曲

今月のお買いもの、平成28年7月に購入したものを御紹介しています。今回はディスクユニオン新宿クラシック館にて購入しました、チャイコフスキーピアノ協奏曲第2番と協奏幻想曲のCDです。レーベルはナクソスです。

となれば、勘のいい人は、演奏はヴィト指揮ポーランド国立カトヴィツェ交響楽団では?と思うかもしれませんが、ビンゴでーす!

で、すでにピアノ協奏曲第2番は図書館で借りてリッピングしてある訳なのですが・・・・・ではなぜ、CDを買ったのか、ですね。それは、カップリングの協奏幻想曲が欲しかったから、です。

最近、某SNSの鑑賞会にて聴いたこの作品は本当に素晴らしく、是非ともWAVで持てればと思ったのですが、図書館にはあまりなくてですね、買うしかなかったという事なのです。で、ディスクユニオンに行ったらば、何とナクソスの棚にあるではありませんか!

ナクソスは中古市場ではほぼ500円前後で売られています。この珍しい作品が、第2番とのカップリングで数百円・・・・・即決です。

で、このCDは実にナクソスらしい一枚だと言えるのです。以前、県立図書館のコーナーで触れているかと思いますが、第2番も特に日本ではまず演奏される機会はなく、二つともレアな作品だと言えるからです。でも、第2番は聴きますと第1番よりも素晴らしいのですけどねー。

ピアノ協奏曲第2番 (チャイコフスキー)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%94%E3%82%A2%E3%83%8E%E5%8D%94%E5%A5%8F%E6%9B%B2%E7%AC%AC2%E7%95%AA_(%E3%83%81%E3%83%A3%E3%82%A4%E3%82%B3%E3%83%95%E3%82%B9%E3%82%AD%E3%83%BC)

県立図書館で借りてきましたのはロジェストヴェンスキー指揮ウィーン交響楽団で、ピアノはロジェストヴェンスキーの奥様、ヴィクトリア・ポストニコワ。このナクソスはグレムザーのピアノ、アントニ・ヴィト指揮ポーランド国立カトヴィツェ交響楽団。この二つの決定的な違いは、テンポ感にあります。

それはピアニストの表現によるであろうと思います。どんな指揮者でも協奏曲の場合、ソリストに合わせるのです(これはカラヤンでも一緒であり、それをアンチカラヤンの人たちは知らなすぎです)。ですから、二つの演奏の差はソリストがこの作品とどう向き合うかの差だと言えます。

ポストニコワは、アコーギクもしっかりとつける歌うような演奏でしたが、このグレムザーの場合は、前進力があると言うか、とにかくテンポよくどんどん進んでいくという感じなのです。第2楽章は結構ゆったりですが、第1楽章と第3楽章はテンポよく進んでいきます。それはそれで一つの解釈です。チャイコフスキーが古典的な作曲家であり、古典的に演奏するというものも一つの考え方であり、それの意味はこの演奏は決して間違っておらず、いい演奏だと思います。作品が持つ全体像を把握するのにはもってこいだと思います。

その上で、やはりポストニコワは素晴らしいと気づかせてくれます。ポストニコワは、3楽章全て色を変えているんです。第1楽章ではアコーギクをつけた歌うようなアレグロ、第2楽章はオケのヴァイオリンとの二重奏をしっとりと。そして第3楽章ではグレムザーのようにテンポよく生き生きと。

二つとも素晴らしい演奏なのですが、グレムザーの解釈よりは、私はポストニコワを選択します。その意味では、参考になる演奏が聴けたのはとても幸せです。

むしろ、協奏幻想曲のほうが素晴らしい!ロマン派における1楽章形式の協奏曲のことを幻想曲と言うことがあります(その意味では、わざわざ日本語で「協奏」とつけるのはどうかもとも思いますが、オケだけでも幻想曲とすることはありますから)が、変幻自在に自分の想像力を働かせ、歌うようにピアノだけが先走ると言うことなく、まさしくテンポも変幻自在で、素晴らしいです。

協奏的幻想曲 (チャイコフスキー)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%8D%94%E5%A5%8F%E7%9A%84%E5%B9%BB%E6%83%B3%E6%9B%B2_(%E3%83%81%E3%83%A3%E3%82%A4%E3%82%B3%E3%83%95%E3%82%B9%E3%82%AD%E3%83%BC)

この作品は一楽章だけではなく、2楽章あります。そのせいなのか、グレムザーは第2番のようなステレオタイプに陥ることなく、生命力あふれる自在な演奏を披露しており、このことから、私はグレムザーはその作品が「協奏曲なのか、それもそれ以外なのか」で表現を分けているのではと思います。そうなりますと、むしろこの協奏幻想曲も、ポストニコワのピアノで聴きたいと思うのは、贅沢でしょうか・・・・・・

以前であれば、ちょっと残念とも思う一枚ですが、決して悪い演奏ではないので今ではそんなことは思いません。むしろ、協奏幻想曲が聴けてラッキー!です。




聴いているCD
ピョートル・イリイチ・チャイコフスキー作曲
ピアノ協奏曲第2番ト長調作品44
協奏幻想曲ト長調作品56
ベルント・グレムザー(ピアノ)
アントニ・ヴィト指揮
ポーランド国立カトヴィツェ交響楽団
(Naxos 8.550820)

地震および津波により被害にあわれた方へお見舞い申し上げますとともに、亡くなられた方のご冥福をお祈りいたします。同時に原発の被害を食い止めようと必死になられているすべての方に、感謝申し上げます。




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