かんちゃん 音楽のある日常

yaplogから移ってきました。日々音楽を聴いて思うことを書き綴っていきます。音楽評論、想い、商品としての音源、コンサート評、などなど。

今月のお買いもの:チャイコフスキー ピアノ協奏曲第1番・第3番(タニェフ補筆版)

今月のお買いもの、平成28年8月に購入したものを御紹介しております。今回はディスクユニオン新宿クラシック館にて購入しました、チャイコフスキーのピアノ協奏曲第1番と第3番、アンダンテとフィナーレをご紹介します。レーベルはナクソスです。

こういう企画はやはりナクソスだなあと思います。どういう企画かと言いますと・・・・・

ピアノ協奏曲第1番は、チャイコフスキーの協奏曲の中でも断トツで有名な作品で、私も取り上げていますが取りあえずウィキの説明を上げておきましょう。そして、問題はこの第1番ではないんです。

何故なら、既に私も取り上げているように、この二つの協奏曲に関しては、ロジェストヴェンスキー指揮ウィーン交響楽団、ヴィクトリア・ポストニコワのピアノのものをCDで持っているからです。

ピアノ協奏曲第1番 (チャイコフスキー)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%94%E3%82%A2%E3%83%8E%E5%8D%94%E5%A5%8F%E6%9B%B2%E7%AC%AC1%E7%95%AA_(%E3%83%81%E3%83%A3%E3%82%A4%E3%82%B3%E3%83%95%E3%82%B9%E3%82%AD%E3%83%BC)

マイ・コレクション:チャイコフスキー ピアノ協奏曲第1番、第3番
http://yaplog.jp/yk6974/archive/262

第3番は第1楽章だけが演奏機会がある作品ですが、じつは、第2楽章と第3楽章がスケッチで残されていたことはあまり知られていません。コアなクラシックファンだけでしょう。そのスケッチを元に3楽章にしたのがタニェフで、このCDではロジェストヴェンスキー指揮のCDとはその点が異なるのです。だからこそ、買い求めました。

ピアノ協奏曲第3番 (チャイコフスキー)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%94%E3%82%A2%E3%83%8E%E5%8D%94%E5%A5%8F%E6%9B%B2%E7%AC%AC3%E7%95%AA_(%E3%83%81%E3%83%A3%E3%82%A4%E3%82%B3%E3%83%95%E3%82%B9%E3%82%AD%E3%83%BC)

アンダンテとフィナーレ (チャイコフスキー)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%83%B3%E3%83%80%E3%83%B3%E3%83%86%E3%81%A8%E3%83%95%E3%82%A3%E3%83%8A%E3%83%BC%E3%83%AC_(%E3%83%81%E3%83%A3%E3%82%A4%E3%82%B3%E3%83%95%E3%82%B9%E3%82%AD%E3%83%BC)

実は、私は購入する前に、交響曲第7番としてこの第3番を聴いています。なぜなら、第3番は本来交響曲として着手されたものだからです。

交響曲第7番 (チャイコフスキー)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%BA%A4%E9%9F%BF%E6%9B%B2%E7%AC%AC7%E7%95%AA_(%E3%83%81%E3%83%A3%E3%82%A4%E3%82%B3%E3%83%95%E3%82%B9%E3%82%AD%E3%83%BC)

幾つかの版がありますが、私が交響曲として聞いたのはポガティレフ版の4楽章形式です。そのポガティレフが参考にしたのが、タニェフ(タネ―エフ)が補筆した、ピアノ協奏曲第3番だったのです。

ですから、聴きますと第7番と同じ旋律が次々と出てきて、興味が尽きない演奏です^^

チャイコフスキー研究家のジョン・ウォーラックが訴えるように、第3番は純然たる協奏曲とは呼べないかもしれません。ところが、続けて聴いてしまいますと、不自然さはないんです。

楽曲
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%83%B3%E3%83%80%E3%83%B3%E3%83%86%E3%81%A8%E3%83%95%E3%82%A3%E3%83%8A%E3%83%BC%E3%83%AC_(%E3%83%81%E3%83%A3%E3%82%A4%E3%82%B3%E3%83%95%E3%82%B9%E3%82%AD%E3%83%BC)#.E6.A5.BD.E6.9B.B2

指揮とオケ、そしてピアニストは実は先日ご紹介した第2番と一緒なのですが、グレムザーとヴィトの解釈は面白いものです。あれだけテンポが速かった第2番とはうって変わり、第1番はむしろ若干テンポが強迫的ですが、ロジェストヴェンスキー、ポストニコワ夫妻コンビにそっくりです。ところが、第3番は一転、第2番のようにテンポは速くなっています。それはアンダンテとフィナーレを第2楽章と第3楽章とした場合、第3番の第1楽章はどのような位置づけなのかが明白です。古典的な協奏曲との視点に立っています。

それはまさに、ヴィトとグレムザーはアンダンテとフィナーレを協奏曲の一部だと認識している、という事です。あるいは認識していなくても、このCDは認識して演奏してみせた、とも言えるでしょう。それが現わすものが、不自然ではない、という事なのです。

確かに、チャイコフスキーが破棄して、ピアノ作品として編曲したものだったかもしれませんが、それはモーツァルトもやっていることで、特段珍しくもないですし、おかしなことでもなく、モーツァルトが残した楽章はどれももう一度全体のパーツとして演奏しても遜色がないものです。仮に、チャイコスキーがそれを目指したとすれば・・・・・

ウォーラックが述べていることに、囚われる必要はないかもしれないのです。元々、同じ交響曲として作曲される予定だったものなのです。いわば、交響曲としては破棄されたもの同志だと言えるでしょう。ピアノ協奏曲として演奏されても、私は構わないのではないかという気がします。ただし、注釈は必要でしょう。その上で、ですが・・・・・

それは私は、チャイコフスキーがどのようにして交響曲第6番へたどり着き、そしてなぜすぐ死んでしまったのかを考えるための、とても大切な作業のように思えるからなのです。

その意味で、このCDはとても素晴らしい編集だと思います。この企画力がさすがナクソス、なのです。




聴いているCD
ピョートル・イリイチ・チャイコフスキー作曲
ピアノ協奏曲第1番変ロ長調作品23
ピアノ協奏曲第3番変ホ長調作品75
アンダンテと終曲(タニェフによるオーケストラ編曲)作品79
ベルント・グレムザー(ピアノ)
アントニ・ヴィト指揮
ポーランド国立放送カトヴィツェ交響楽団
(Naxos 8.550819)

地震および津波により被害にあわれた方へお見舞い申し上げますとともに、亡くなられた方のご冥福をお祈りいたします。同時に原発の被害を食い止めようと必死になられているすべての方に、感謝申し上げます。




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