かんちゃん 音楽のある日常

yaplogから移ってきました。日々音楽を聴いて思うことを書き綴っていきます。音楽評論、想い、商品としての音源、コンサート評、などなど。

今月のお買いもの:マルチヌー ピアノ協奏曲集第1集

今月のお買いもの、6枚目はマルチヌーのピアノ協奏曲集の第1集です。コウクルのピアノ、ファーゲン指揮、ズリーン・ボフスラフ・マルチヌーフィルハーモニー管弦楽団の演奏です。ナクソスから出ている、マルチヌーのピアノ曲全曲演奏シリーズの延長にあるものです。

マルチヌーは以前交響曲を取り上げましたが、さっそく協奏曲もということになりました。交響曲を聴きまして、協奏曲もぜひともと思っていた矢先だったので、迷いつつも買い求めました。なお、いま第2集まで出ていますが、それは次に取り上げます。

まず、もう一度マルチヌーについてのウィキの説明URLを挙げておきましょう。

ボフスラフ・マルチヌー
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9C%E3%83%95%E3%82%B9%E3%83%A9%E3%83%95%E3%83%BB%E3%83%9E%E3%83%AB%E3%83%81%E3%83%8C%E3%83%BC

さらに詳しくは、協会のHPをどうぞ。

http://www.martinu.jp/

20世紀チェコの作曲家で、後半生はアメリカや他のヨーロッパ諸国へ亡命して作曲を続けた人で、生涯望郷の念が途絶えることはありませんでした。20世紀の歴史に翻弄され続けた作曲家といえましょう。

そのマルチヌーですから、音楽は決して単純なものではありません。しかし、現代音楽特有の、あまりにも形而上すぎるものもありません。民族色に基礎を置きながら、普遍的な精神を内に秘めています。

この第1集では、第3番と第5番、そして小協奏曲が収録されています。

まず、第3番ですが、1937年に作曲され、42年に改訂されています。作曲はヨーロッパで、改訂はアメリカでという経緯を持ちます。三楽章で古典的な楽章構成である急〜緩〜急を採りますが、音楽自体は決して古典的ではありません。前衛的な臭いがプンプンするもので、それがとても幻想的な雰囲気を醸し出しています。

第5番は1957年に作曲された曲です。再びヨーロッパへ戻った時期に作曲されたものですが、第3番とは同じ前衛的であっても雰囲気は全く違います。より民族的になった音楽は前衛的でありながら旋律線がはっきりしているもので、同じく古典的な楽章構成を取りながらも、より親しみやすい音楽へと変わっています。変ロ長調という調性もその一因かもしれません。第3番では主調が示されていないからです。

その割には、題名に「協奏的幻想曲」とあるのですが、それが全く違和感がないのが素晴らしく、聴いていて飽きないです。

最後はオーケストラとピアノのためのコンチェルティーノです。1938年にパリで作曲された曲で、第3番と第4番の間になる曲です。「小協奏曲」という意味なのですが、それが編成なのか、時間なのかは聴いただけではわかりかねます。演奏時間としては短い(20分前後)ですが・・・・・古典的な楽章構成をこれも守って作曲されており、決して構成上で前衛的なことはしていません。あくまでもそれは音楽そのものでやっており、それだけに音楽がこれもすっと入ってきます。

演奏面では、音が立つピアノがとてもいいアクセントをつけています。その結果ピアノが浮き上がり、まるで鐘の音のように鳴り響きます。オケはしっかりとしたサポートによってピアノとセッションし、両方ともその存在感をしっかりと聴き手にアピールしています。それでいて、しっかりと端整な音楽を奏で、ダイナミックさもあります。表現も豊かで、特に第5番の緩徐楽章の美しさは聴きどころです。

第2集も楽しみです。できれば、マルチヌーを取り上げるのであれば、年代順にしてほしかったなあと思いますが、それは欲張りすぎかもしれませんね。



聴いているCD
ボフスラフ・マルチヌー作曲
ピアノ協奏曲第3番H.316
ピアノ協奏曲第5番変ロ長調H.366「協奏的幻想曲」
管弦楽とピアノのためのコンチェルティーノH.269
ジョルジョ・コウクル(ピアノ)
アルトゥール・ファーゲン指揮
ズリーン・ボフスラフ・マルチヌーフィルハーモニー管弦楽団
(Naxos 8.572206)
※CD表記は「マルティヌー」となっていますが、今回は以前ご紹介した交響曲との整合性を考え、あえて「マルチヌー」と表記しています。



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