かんちゃん 音楽のある日常

yaplogから移ってきました。日々音楽を聴いて思うことを書き綴っていきます。音楽評論、想い、商品としての音源、コンサート評、などなど。

今月のお買いもの:マルチヌー ピアノ協奏曲集2

今月のお買いもの、7枚目はマルチヌーのピアノ協奏曲集の第2集です。ナクソスから出ているマルチヌーのピアノ作品全集の内の一つです。先週取り上げました第1集の続きとなります。この第2集では第4番、第1番、第2番が取り上げられています。

3曲とも20世紀の作品であり、不協和音と調性音楽とのバランスが絶妙なのが魅力です。

一応、またマルチヌーをご紹介しておきましょう。ウィキの説明が一番端的でわかりやすいかと思います。

ボフスラフ・マルチヌー
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9C%E3%83%95%E3%82%B9%E3%83%A9%E3%83%95%E3%83%BB%E3%83%9E%E3%83%AB%E3%83%81%E3%83%8C%E3%83%BC

ただ、詳しい説明はやはり協会が一番でしょう。今回はそれぞれURLを掲示するだけで済ませておきますが、20世紀チェコの作曲家です。

http://www.martinu.jp/

まず第4番は1956年に作曲されました。着手したのはヨーロッパでのようですが完成したのはアメリカででした。この時期、住まいはヨーロッパでしたが、プリンストン大学の教授になっていたことからアメリカとヨーロッパの間を行き来していたのです。実際この曲も初演はアメリカで、ルドルフ・フィルクシュニーのピアノ、レオポルド・ストコフスキー指揮、シンフォニー・オブ・ジ・エアによって行われました。

2楽章となっていますが、第2楽章は緩徐楽章と急楽章が一つになっているもので、実質は3楽章と考えていいでしょう。ベートーヴェンの「皇帝」などと一緒です。「呪文」という標題がついていまして、どこか東洋風の旋律も出てきていまして、曲全体に不思議な雰囲気が漂っています。カデンツァは聞かせどころで、名人芸を楽しむことが出来ます。

続く第1番は、マルチヌー最初のピアノ協奏曲らしい、形式的には古典的な協奏曲です。1925年という作曲時期もあるかも知れません。第1楽章のピアノ導入部はオケが奏した主題をピアノが繰り返すという形をとっていて、不協和音が前面に使われているからと言って前衛だと考えてはいけません。私もそう考えていた時期もありますが、決してこの時代すでに不協和音は前衛でもなんでもない時代になっていたということだけは、知っておく必要があります。楽章構成も急〜緩〜急となっていますし、カデンツァもあり、あくまでも構成的には古典的な協奏曲の範疇から逸脱していません。

音楽的にはこれも不協和音と調性音楽とのバランスが良く、若干調性音楽的な部分が多いと思いますので、マルチヌー入門編としては適切かもしれません。ソナタ形式もわかりやすいですし、決してわかりにくい音楽だけ書いていたわけではないという彼の作品の多面性を理解するためには、いい教材だと思います。ナクソスのブックレットによれば、ラヴェルやリストと言った作曲家の影響も強いとあります。チェコに居た時代に書かれたことから、初演はヤン・ヘルマンのピアノ、ロベルト・マンゼル指揮チェコ・フィルによって行われました。

最後の第2番は、1934年に書かれました。彼がチェコから亡命しパリへ移った時代です。これも第1番同様形式的には3楽章制で急〜緩〜急と古典的な部分が濃い作品で、時代的なものは旋律や和音という点に現われています。

これでマルチヌーのピアノ協奏曲は番号がついているものはすべてなのですが、交響曲と違いピアノ協奏曲はマルチヌーの各時代、チェコ時代、パリ時代、アメリカ時代、そしてヨーロッパ時代という4つの時代でまんべんなく作曲しているのが特徴だと言えるでしょう。その中でも、違いが出て来るのはやはりアメリカ時代以降であると言っていいでしょう。その意味では、マルチヌーの音楽は交響曲からではなく、協奏曲、特にピアノ協奏曲から入るべきというのが私の今の結論です。交響曲はあまりにも作曲された時期が集中していますが、ピアノ協奏曲はもっとばらけていますので、まずピアノ協奏曲から入り、その後交響曲をというほうが理解するのであれば適切だと思います。

勿論、そんなことはお構いなしですよというのであればどれでも作品は素晴らしいのでいいのですが、理解するときにしにくい点が出て来るかもしれません。私は幸いそういうことはありませんでしたが、できればピアノ協奏曲から入ると、マルチヌーがたとえば、思想的に極端に偏っていたようには考えないのではないかと思います。ごく自然な愛国心を持ち、望郷の念を持った作曲家であったということが理解しやすいでしょう。

演奏面では、ピアニストは曲全体が持つドラスティックな点を端整な中にダイナミックに表現していて、それ故に音楽自体がスリリングかつエキサイティングになっているのが好印象です。それでいて抜けるような青空も見えるという、表現力の豊かさが素晴らしいです。オケも緻密な演奏でしっかりとサポートし、マルチヌーの作品にしっかりと光を当てています。こういった作品がどんどんわが国でも演奏会のプログラムにのればいいなあと思います。



聴いているCD
ボフスラフ・マルチヌー作曲
ピアノ協奏曲第4番H.358「呪文」
ピアノ協奏曲第1番ニ長調H.349
ピアノ協奏曲第2番H.237
ジョルジョ・コウクル(ピアノ)
アルトゥール・ファーガン指揮
ズリーン・ボフスラフ・マルチヌーフィルハーモニー管弦楽団
(Naxos 8.572373)



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