神奈川県立図書館所蔵CDのコーナー、今回は埋もれた作曲家だったファン・ヴァッセナール作曲の6つのコンチェルト・アルモニコを収録したアルバムを取り上げます。
ファン・ヴァッセナールという作曲家の名を、初めて聴くという人も多いかと思います。有名な作品が今回取り上げる6つのコンチェルト・アルモニコという、オランダ・バロックの作曲家です。
ウニコ・ヴィルヘルム・ファン・ヴァッセナール
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A6%E3%83%8B%E3%82%B3%E3%83%BB%E3%83%B4%E3%82%A3%E3%83%AB%E3%83%98%E3%83%AB%E3%83%A0%E3%83%BB%E3%83%95%E3%82%A1%E3%83%B3%E3%83%BB%E3%83%B4%E3%82%A1%E3%83%83%E3%82%BB%E3%83%8A%E3%83%BC%E3%83%AB
作曲家というよりは、貴族というほうが正しいでしょう。あくまでも作曲は余暇だったようで、残されている作品もこの6つのコンチェルト・アルモニコしか確認できていません。
ペルゴレージと間違われた人ですが、その理由が4楽章であるということなんです。これ、面白い理由だと思います。本来なら、もっと古い人に間違われるはずなんですが、ペルゴレージはバロックというよりはむしろ古典派の作曲家だからです。
ジョヴァンニ・バッティスタ・ペルゴレージ
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B8%E3%83%A7%E3%83%B4%E3%82%A1%E3%83%B3%E3%83%8B%E3%83%BB%E3%83%90%E3%83%83%E3%83%86%E3%82%A3%E3%82%B9%E3%82%BF%E3%83%BB%E3%83%9A%E3%83%AB%E3%82%B4%E3%83%AC%E3%83%BC%E3%82%B8
なのに、4楽章だからペルゴレージって・・・・・協奏曲なら、むしろ合奏協奏曲を作曲したような人に間違われるはずでしょ〜って思いますから。ただ、このヴァッセナールって人は、時代的には古典派に属する人でもあるんですね。ただ、和声的にはバロックです。そんな時代のちょうど移行期にいる人なので、古典派の中でも古臭い感じのペルゴレージと間違われたのかなって思います。
にしても、です。なんと甘く甘美で、美しい作品なのだろうと思います。これがアマチュアの作品?って思いますよ、これ。自分の書きたい!という衝動を抑えられなかったんだろうなと思います。
そんな作曲家に共感しているのか、指揮するコープマンとオケはまるで体を揺すっているのがわかるかのようなノリノリぶり。楽しんでいるのが演奏からもう溢れているんです。こういう演奏、好きです。やっぱり演奏は楽しまなくっちゃ!
だって、前回のシェーンベルクだって、演奏者たちは楽しんでいるんです、歌のない12音階のものを。だからこそ聴けるわけで、そうじゃなかったらとっくに私はさじを投げて、削除しています。データなんですから捨てるのは簡単です。それでも、ここまで取ってあるのはやはり、その演奏に魅力を感じるからです。
このヴァッセナールの作品に対しても、演奏者たちは共感の嵐でノリノリなんですね。楽しんでいるのミエミエ。だからこそ聴いているこちらも楽しくなるわけです。そういった相乗効果のある演奏はいいですね〜。それが演奏することだと思いますし、それが奏者と聴衆との対話なわけですから。
ヴァッセナールが作曲をおそらく楽しんだように、私達もこの作品を存分に楽しませてもらいましょう!
聴いている音源
ウニコ・ヴィルヘルム・ファン・ヴァッセナール作曲
6つのコンチェルト・アルモニコ(ヴァイオリン4部、ヴィオラ、チェロ、通奏低音による協奏曲)
協奏曲第4番ト長調
協奏曲第2番変ロ長調
協奏曲第5番ヘ短調
協奏曲第3番イ長調
協奏曲第1番ト長調
協奏曲第6番変ホ長調
トン・コープマン指揮
アムステルダム・バロック管弦楽団
地震および津波、水害により被害にあわれた方へお見舞い申し上げますとともに、亡くなられた方のご冥福と復興をお祈りいたします。同時に救助及び原発の被害を食い止めようと必死になられているすべての方に、感謝申し上げます。
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