かんちゃん 音楽のある日常

yaplogから移ってきました。日々音楽を聴いて思うことを書き綴っていきます。音楽評論、想い、商品としての音源、コンサート評、などなど。

神奈川県立図書館所蔵CD:シェーンベルクの協奏曲全集

神奈川県立図書館所蔵CDのコーナー、今回はシェーンベルクの協奏曲全集となるアルバムをご紹介します。

全集と銘打たれたものではないんですが、収録されているのはヴァイオリン協奏曲とピアノ協奏曲。で、シェーンベルクは協奏曲はその2つしか作曲していませんので、このアルバムはシェーンベルクの協奏曲全集だといえるわけなのです。

2つとも12音階で書かれており、シェーンベルク中期以降のガチガチの20世紀音楽様式だと言えるでしょう。

ヴァイオリン協奏曲 (シェーンベルク)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%B4%E3%82%A1%E3%82%A4%E3%82%AA%E3%83%AA%E3%83%B3%E5%8D%94%E5%A5%8F%E6%9B%B2_(%E3%82%B7%E3%82%A7%E3%83%BC%E3%83%B3%E3%83%99%E3%83%AB%E3%82%AF)

ピアノ協奏曲 (シェーンベルク)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%94%E3%82%A2%E3%83%8E%E5%8D%94%E5%A5%8F%E6%9B%B2_(%E3%82%B7%E3%82%A7%E3%83%BC%E3%83%B3%E3%83%99%E3%83%AB%E3%82%AF)

演奏はソリストがヴァイオリンがアモイヤルですし、ピアノがゼルキンなので、悪かろうはずがないんです。特にアモロイヤルのヴァイオリンは艶があり、無調とも言われる12音階の作品に色を添えています。けれども・・・・・カンタービレできない作品は、どうも苦手です。

ふたりとも、音に艶を出すことには成功しており、作品の特徴は十二分に表現していると思います。けれども、作品自体がカンタービレするものではないので、私としてはどこか不全感が残る演奏です。拒否までは行かずに、以前よりはずっと聴けていますけど、でも、何かが物足りないと思うんです。

これはもう、好みと美意識の問題なのでどうしようもありません。別に演奏を悪くいいたいわけでもありませんし、作品が悪いわけでもありません。ただ、作曲手法が私の琴線を揺らさないだけ、です。何も感動することもなく、むしろAKBを聴いているかのようです。いや、電気グルーヴの「シャングリ・ラ」を聴いているかのよう。

ある意味、シェーンベルク自身が12音階にこだわっていたんですから、しょうがないんですよね、これ。リズムは乗れるんですが、それで終わってしまう。そのリズムが私の中にある生命力を呼び覚ますわけでもないですし、ただ音が私とPCの間で鳴っているだけ。ただ、それがシェーンベルクが表現したかったものだとすれば、まさに二人のソリストは絶妙な演奏をしているということになるわけですから、悪くは言えないのです。

まあ、こういう作品を聴けるようになった自分を褒めてあげたいです。以前なら「こんな作品だめ!」と切って捨てていた自分が、今や受け入れて、とりあえずボコボコ(w)にはしなくなったんですから。それだけ成長したってことです。

むしろ、こういった作品を聴きますと、シェーンベルク自身の様式的変容がきわどすぎて、ついていけないなあって思います。私自身もよく職場ではぶっ飛んでるねと、好意的だけではなくむしろ喧嘩腰に言われることすらある(w)んですが、シェーンベルクはそのはるか上を行ってます。もちろんそんな人と張り合うつもりなど、これっぽっちもありませんがw

まあ、新しものずきな人ってそういうものではありますが、それにしてもシェーンベルクの変容ぶりはもうすごすぎます。コペルニクス的展開とよくいいますがまさにそれ。けれども故に、シェーンベルクの作品は多彩です。それがまた、聴くインセンティブになっているかもしれません。

こんなある意味音楽的に際どいものを、ブーレーズだからこそタクトを振れるのかもしれません。オケはロンドン響と現代クラシックシーンでも有数のオケだからこそ、二人のソリストが出す「艶」としっかり協奏し、一つの世界を構築できているんだろうなと思います。




聴いている音源
アーノルト・シェーンベルク作曲
ヴァイオリン協奏曲作品36
ピアノ協奏曲作品42
ピエール・アモイヤル(ヴァイオリン)
ピーター・ゼルキン(ピアノ)
ピエール・ブーレーズ指揮
ロンドン交響楽団

地震および津波、水害により被害にあわれた方へお見舞い申し上げますとともに、亡くなられた方のご冥福と復興をお祈りいたします。同時に救助及び原発の被害を食い止めようと必死になられているすべての方に、感謝申し上げます。




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