神奈川県立図書館所蔵CD、今回はドヴォルザークのヴァイオリン協奏曲とエルガーのソナタです。ヴェンゲーロフのヴァイオリン、マズア指揮、ニューヨーク・フィルハーモニック他の演奏です。
ドヴォルザークと言いますと圧倒的にチェロ協奏曲が有名であるわけですが、このヴァイオリン協奏曲も素晴らしい作品です。
ドヴォルザークのヴァイ・コンの存在は以前から知っていましたが、なかなか聴く機会が訪れず、ようやく図書館で借りたのがこの音源でした。
ドヴォルザークのヴァイ・コンは1879年、懇意の出版社ジムロックのオーナー、フリッツ・ジムロックのこの一言がきっかけで作曲が開始されました。
「私のためにヴァイオリン協奏曲を書いてください。独創的で、メロディアスで、優れたヴァイオリニスト向きの作品を。至急ご連絡乞う」。
しかも、多少投げやりな態度で。しかし、ドヴォルザークは喜んで引き受け、1880年にいったんは完成したのですが、作曲に当たりアドヴァイスを受けたヴァイオリニストのヨアヒムから様々な指摘を受け、まず同年に全面的に改定し、さらに1882年にオケの厚みを改訂し、4年後の1883年に初演にこぎつけました。
ヴァイオリン協奏曲 (ドヴォルザーク)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%B4%E3%82%A1%E3%82%A4%E3%82%AA%E3%83%AA%E3%83%B3%E5%8D%94%E5%A5%8F%E6%9B%B2_(%E3%83%89%E3%83%B4%E3%82%A9%E3%83%AB%E3%82%B6%E3%83%BC%E3%82%AF)
最終楽章に特に国民楽派的な旋律がありますが、第1楽章や第2楽章にもそれはところどころに埋め込まれています。メロディーメーカー、ドヴォルザークの面目躍如といったところです。それでいて、古典的な協奏曲の形式である点こそ、ドヴォルザークらしいと私は思います。
次にエルガーですが、ブックレットにはこうあります。
「エルガーはドヴォルザークの音楽の崇拝者だったからである。さらに彼らは、作曲家として知己の間柄だったばかりか、指揮者とオーケストラの団員として共演もしている。」
ドヴォルザークがイギリスで交響曲第6番を指揮した時の第1ヴァイオリンを弾いていたのが、エルガーだったのです。そのエルガーのソナタは、とても静かで、知的な作品です。時代的にはヴィルトォーソに走ってもおかしくないのですが、ひたすら平明でかつバランスがとれた、アンサンブルとセッションが同居するような作品に仕上がっていて、聴く者をうならせます。
演奏が素晴らしいことがさらに好印象をもたらしているのかもしれません。ヴァイオリンはヴェンゲーロフ。技巧に走りすぎず、ふくよかな表現をつけた演奏は、ドヴォルザーク、エルガーどちらも味のある素晴らしい演奏です。ドヴォルザークのコンチェルトではマズアとオケがしっかりとサポートし、時にアンサンブルし、時にセッションしています。エルガーのソナタでも同様で、ハハモフのピアノが時にアンサンブルし時にセッションし、会話のキャッチボールの楽しさを味わうことが出来ます。
この曲も、他に音源を買おうかどうか、今は迷っています。
聴いている音源
アントニン・ドヴォルザーク作曲
ヴァイオリン協奏曲イ短調作品53
エドワード・エルガー作曲
ヴァイオリン・ソナタ ホ短調作品82
マキシム・ヴェンゲーロフ(ヴァイオリン)
レヴィタル・ハハモフ(ピアノ)
クルト・マズア指揮
ニューヨーク・フィルハーモニー管弦楽団
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