かんちゃん 音楽のある日常

yaplogから移ってきました。日々音楽を聴いて思うことを書き綴っていきます。音楽評論、想い、商品としての音源、コンサート評、などなど。

今月のお買いもの:マンチーニ リコーダー協奏曲集1

今月のお買いもの、10月に購入したものをご紹介しています。今回は銀座山野楽器本店で購入したマンチーニのリコーダー協奏曲集を取り上げます。ブリリアント・クラシックスから出ているもので、2枚組です。

さて、マンチーニという作曲家はコアなクラシックファン以外ではあまり知られていない人だと思います。実際恥ずかしながらこの私も存じ上げない作曲家です。しかしながら、ブリリアントは生没年が記載されていて、バロックの作曲家だということだけはわかったので購入したのです。それでリコーダーということは、結構面白いのではないかと直感を働かせました。

以前も述べましたが、今でこそ学校で習う低級楽器というイメージが強いリコーダーですが、バロックの時代はまさに全盛期でした。

リコーダー
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AA%E3%82%B3%E3%83%BC%E3%83%80%E3%83%BC

ただ、有名な作曲家、たとえばヴィヴァルディやバッハなどは、編曲ものとして残している場合もあるのですが、マンチーニはオリジナルが残っており、それがこのCDに収められています。

実は、マンチーニは幾人かの作曲家と一緒にリコーダー協奏曲を連作しており、その作品を収めたのがこのCDになります。

フランチェスコマンチーニ
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%95%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%83%81%E3%82%A7%E3%82%B9%E3%82%B3%E3%83%BB%E3%83%9E%E3%83%B3%E3%83%81%E3%83%BC%E3%83%8B

ウィキでその事実を知った時、これは宝の山を掘り当てた!と思いました。オリジナルのリコーダーの作品ってなかなか以前はCDでは出ていなかったのです。それが、義務教育時代自分が演奏した楽器がプロの演奏によって、しかも協奏曲として作曲されている作品を演奏しているというのは、かつての演奏家としての自分の興味を刺戟することでもあったからです。

さらに、マンチーニバロックと言ってもバッハよりも前の時代の作曲家であり、実はその時代こそバロック全盛期と言えるのです(バッハはその息子達が晩年古典派の時代を生きているくらい、実はバロック期でも終りに活躍した作曲家です)。そのマンチーニでさえ、実際はすでにバロックとしては後期の作曲家だと言えましょう。

その時代のCDを、私は実はあまり持っていません。そういう人は多いと思います。決していないわけではありませんがメジャーではありません。しかし、例えばその全盛期の作曲家としてはフランス・バロックの作曲家たちがいますが、その作曲家たちは後年、ドビュッシーに影響を与えて、それは象徴主義を形成した後印象派、或いはそのアンチとも言える新古典主義音楽へとつながるので、重要な時代でもあるのです。

形式としてはコンチェルト・グロッソ、つまり合奏協奏曲ですので、音楽を聞きますとまず目立ちますのが、これはいったい協奏曲なのだろうかと困惑する楽章構成です。3楽章以上あるのは当たり前です。急〜緩〜急などにこだわっておらず、とにかく急楽章と緩徐楽章が交互に来ていればいいなどというような構成になっています。しかし、その構成から流れ出す音楽はごく自然です。

それを演奏として聴きますと、まず第1集では、それぞれなんと清涼感にあふれているのでしょうか。或いは慈愛に満ちた女神のような豊潤な旋律や、味わい深い表情など、魅力が幾重にも折り重なり、混然一体となって聴衆を包み込むから不思議です。

リコーダーも、小鳥がなくようなものだけではなく、いろんな表情を持っています。かわいらしさや諧謔性、あるいは深い悲しみ、そして決然さ。プロであればリコーダーでこれだけ表現できるのか!と目からうろこが落ちること請け合いです。

リコーダーは子供の楽器でしょ?なんてたかをくくっていると、腰を抜かすことでしょう。作品そのものもとても気品に満ちていますし、また演奏も上記のとおり表情ゆたかです。後年に発達するフラウト・トラヴェルソから発展したフルートや木管楽器などと比べてもそん色ない音楽を、見事に呈示しています。

もうリコーダーは子供の楽器だなんて、言えませんね。私も久しぶりに演奏してみようかなあなどと、運指を忘れている部分もあるくせに思ってしまいます。第2集も楽しみです^^



聴いているCD
フランチェスコマンチーニ作曲
リコーダー協奏曲第8番ハ短調
リコーダー協奏曲第5番ト長調
リコーダー協奏曲第19番ホ長調
リコーダー協奏曲第20番ハ短調
リコーダー協奏曲第18番ヘ長調
リコーダー協奏曲第14番ト短調
コリーナ・マルティ(リコーダー)
アレクサンドリア・ニジト(オルガン)
パオロ・ペッローネ(ヴァイオリン)
カペラ・ティベリナ
(ブリリアント・クラシックス 94324/1)



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