かんちゃん 音楽のある日常

yaplogから移ってきました。日々音楽を聴いて思うことを書き綴っていきます。音楽評論、想い、商品としての音源、コンサート評、などなど。

東京の図書館から〜小金井市立図書館〜:ピノックとイングリッシュコンサートによるバッハのチェンバロ協奏曲全集2

東京の図書館から、小金井市立図書館のライブラリを御紹介しています。今回はバッハのチェンバロ協奏曲全集の2枚目です。ピノック指揮イングリッシュコンサートによる演奏で、チェンバロピノック自身が弾いています。

その意味ではとてもバロック的ではあるんですが・・・・・やはりバランスが。

とは言え、この2枚目ではだいぶ解消しています。恐らく、レコーディングの時にマイクなどを工夫したんだと思いますが・・・・・

でも、それは良い選択だったかどうかはわかりません。以下のサイトをご紹介しておきます。

J・S・バッハ チェンバロ協奏曲集�T
 解説
http://www.cembalo.com/discography/disc09_2.htm

これは別の全集の解説なんですが、やはりね〜って思います。要するに、チェンバロってそもそも非力なので音が小さいってことなんです。けれども弦楽器は、というより、レコーディングエンジニアはと言うべきだと思います。当時のレコーディングエンジニアたちが、古楽演奏をよく分かっていなかった可能性を私は採りたいと思います。

カラヤンディスコグラフィ
http://classic.music.coocan.jp/cond/modern/karajan-dg.htm

上記サイトはカラヤンのディスクに関してですが、注目すべきなのは、カラヤンの録音には専属のエンジニアが付いたと言う事なんです。ということは、録音に置いて、前時代的でありつつもどこか作られる音という前提がカラヤンの演奏にはあった、ということなんです。どうもカラヤンの帝王ぶりと「伝えられる逸話(つまり、自分自身で確かめていない)」でカラヤン全体主義ととらえてしまう論調もあるのですが、これもやはりって思うものでした。

録音というのは、どうしても物理的限界があるので、レコーディングエンジニアのうでに左右されることが多いのです。それを指揮者の解釈だと、私たちはつい誤解しがちなんです。まあ、しょうがない部分もありますが、私などは父がそもそも赤井電機の設計技師だったことと、その父がジャズなどをツートラサンパチを持ち込んで録音するのが趣味だったということが幸いしていると思います。その父から何度「録音とライヴは違うんだ」と若かりし頃怒られたかわかりません。

カラヤンの演奏もその代表だと思いますし、こう聴いてみますとピノックもそうだって思います。バランスさえよければ生き生きとした演奏は私たちに喜びを与え、生命の息吹を感じさせてくれます。しかし、たとえバランスが悪かったとしても、もしかするとピノック自身は、舞台ではそんなもんだって思っていた可能性すらあります。創意工夫しないレコーディングエンジニアなら、嘘八百並び立てる宣伝文句で売ってもらおう・・・・・それくらいの意地悪さ(それは恐らく智慧でしょうが)を持っていた可能性すらあります。

まあ、収録されているのが第4番〜第7番と、2台のためのの第1番の5曲なので、作曲年代から言ってもバランスは比較的改良されていると言えるのかもしれませんが。

恐らくですが、上記チェンバロ協奏曲の解説に基けば、バッハが普通に録音してしまうとバランスが悪いはずの事をどうしてやったのかを推測すれば、先ずひとつツィンマーマンのコーヒーハウスのサロンは、客席が高い位置にあり、さらに編成的にチェンバロを囲むようにオケが配置されるのが通例だったから、と言えるのではないかって思います。そう考えれば、バッハがバランスが悪いものを完成版として残したことが自然であると納得できます。

つまり、そもそもがバッハのチェンバロ協奏曲とは、世俗カンタータと同じく機会音楽だった可能性が高いのです。だからこそ、独奏チェンバロでは、そもそもチェンバロ協奏曲として作曲されたものが一つもないと考えれば、それも納得です。そもそもがチェンバロ弾きなのですよ、バッハは。なのになぜ苦労を後世の演奏家がやらねばならないことを完成形としてバッハが残してしまったかが理解できると思います。

チェンバロ協奏曲 (バッハ)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%81%E3%82%A7%E3%83%B3%E3%83%90%E3%83%AD%E5%8D%94%E5%A5%8F%E6%9B%B2_(%E3%83%90%E3%83%83%E3%83%8F)

この録音で最もバランスがいいのは、やはり2台のためのの第1番です。二つになればそれだけ存在感は増しますから。けれども、本来始めからチェンバロ向けとして作曲された第2番は、御預け、なのです。なぜなら、小金井は第3集以降を持っていないから、なのです・・・・・オーマイガッ!

実はそれは、近い市の図書館にあったのですが、それはまた別の機会に。いずれにしても、買うのであればこのピノックはお勧めしません。もっと新しい録音のほうがいいと思います。正直カラヤンよりもお勧めはできません。その意味では、小金井市も一つでいいので、最近録音の別の古楽演奏のものをライブラリに入れることができるといいなあって思います。わたし自身も、別の図書館で別の新しい録音のものが借りられるか、或はハイレゾもしくはCDで買うことができればなあって思います。




聴いている音源
ヨハン・セバスティアン・バッハ作曲
チェンバロ協奏曲第4番イ長調BWV1055
チェンバロ協奏曲第5番ヘ短調BWV1056
チェンバロ協奏曲第6番ヘ長調BWV1057
チェンバロと2本のリコーダーのための〜
チェンバロ協奏曲第7番ト短調BWV1058
2台のチェンバロのための協奏曲第1番ハ短調BWV1060
トレヴァー・ピノック指揮、チェンバロ
イングリッシュ・コンサート

地震および津波、水害により被害にあわれた方へお見舞い申し上げますとともに、亡くなられた方のご冥福と復興をお祈りいたします。同時に救助及び原発の被害を食い止めようと必死になられているすべての方に、感謝申し上げます。




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