東京の図書館から、小金井市立図書館のライブラリを御紹介します。今回は「100人のジプシーオーケストラ」です。
え?ジプシーって、ハンガリーのあれですか?って?そのとーり!(って、あのCM風)
そうなんです、ハンガリーのジプシー楽団が集まって、100人ほどでアンサンブルしているのが、このアルバムで演奏する「100人のジプシーオーケストラ」なんです。
詳しい説明は、以下のブログのほうが詳しく載っています。
部屋とバナナと私
ジプシーオーケストラ(100人)
http://shimah.cocolog-nifty.com/blog/2016/08/post-f294.html
実際は100人以上が参加するオケのようですが、ブックレットによれば、ハンガリーのいくつかのジプシー楽団が、毎月集まって練習もしているそうです。
ですから、アインザッツが乱れることがほとんどない!有ったとしてもそれは全く問題ない範囲ですし。アンサンブルは絶妙!
ただ、普通のオケと一緒の「音色」を求めてはいけません。あくまでも、ジプシー楽団なので・・・・・でも、その痩せたというところまで行くか行かないかの絶妙な音色が、何とも言えない哀愁を漂わせているのは確かです。
曲目はもう巻末に譲りますが、例えばまず第1曲目のツィゴイネルワイゼンからして、オケの音色とは全く異なります。けれども、聴けば聴く程、そのオケとは異なる、ジプシー楽団故の音色のほうがむしろあっているのでは?と錯覚させてくれます。
もう、簡単に酔えます。酒など要りません・・・・・酒が飲めない、飲んではいけない私にとっては、大変ありがたい演奏です。しかも、酔っぱらったとしてもしっかりと頭は冴えています。これが音楽の素晴らしい点ですが、この演奏はその素晴らしさに満ちてます。
ところどころに挿入されているチャールダ―シュは絶妙ですし、二つの歌曲も楽しい!さらに、ブラームス、リスト、ハチャトウリャン、コダーイのそれぞの名曲も、ジプシー楽団ならではの色があって素晴らしいです。特にコダーイはそもそもがジプシー楽団の演奏を間奏曲に入れたようなものなので、むしろこの演奏のほうがぴったりな気がします。その意味では、この楽団での「ハーリ・ヤーノシュ」を組曲でいいので聴きたいなと思います。
わが国の音楽界に欠けているのは、このような民族的な音、なんです。雅楽だけが「邦楽」ではありません。神楽だってそうだし、普通に民謡だってそうです。大正琴の音色もそうですし。そういったものを皇室と関係ないからと言って蔑むのはどうかと思います。そんなことでヒエラルヒーを作ることが、皇室をと一生懸命になっている人たちにとってネガティヴなのことなのではないのかって思います。
だからこそ、伊福部は市井の音をクラシック音楽に入れることにその人生をかけた人でしたし、戦前のクラシック音楽界に置いてはもっと生涯をかけた人たちがいました。けれども、そういった人たちを「殺した」のはいったい誰だったのでしょう?
この演奏は、私達日本人に、自らの民族の音楽とは?ということを突きつける、名演だと思います。さすが図書館!と唸るライブラリです。
聴いている音源
ハンガリアンカーニバル
〜100人のブタペストジプシーオーケストラ〜
�@サラサーテ:ツィゴイネルワイゼン(リーダー:レンドヴァイ・ヨージェフ)
�Aブラームス:ハンガリー舞曲第6番(リーダー:ボロシュ・マーチャーシュ2世)
�Bベルキ:チャールダ―シュ変奏曲(リーダー:ソモラ・バール)
�C大衆歌曲メドレー(歌:カルマール・クララ、リーダー:ベルキ・ラースロー)
a)ドーツィ(作詞・作曲):つばめ
b)ドーツィ(作詞・作曲):恋人を探して
c)シャーンドル(作曲)フュレディ(作詞):夢見るようなティサ河畔
�Dベルキ:センティルマイの旋律による変奏曲(リーダー:ベルキ・ラースロー2世)
�Eハチャトウリャン:剣の舞(リーダー:レンドヴァイ・チョーチ・ヨージェフ)
�Fリスト:ハンガリー狂詩曲第15番「ラーコーツィ行進曲」(リーダー:ベルキ・ラースロー)
�Gコダーイ:喜歌劇「ハーリ・ヤーノシュ」間奏曲(リーダー:オラー・イェネ―)
�Hロージャヴェルジ:祝典曲と稲妻チャールダ―シュ(リーダー:レンドヴァイ・チョーチ・ヨージェフ)
�Iベルキ:踊りのためのチャールダ―シュ(リーダー:ソモラ・バール)
�J大衆歌曲メドレー(歌:メリシュ・ジョルジ、リーダー:ボロシュ・ラヨシュ)
a)フラーテル(作曲)ツォーベル(作詞):100本のろうそく
b)シモンフィ(作詞・作曲):あぁ!この宿屋は何て高いんだ!
c)作者不詳:この娘は井戸に水を汲みにいく
�Kディニク:ホラ・スタカート(リーダー:ボロシュ・ラヨシュ)
�L作者不詳:演奏会用ブリッシュ イ長調(リーダー:ベルキ・ラースロー)
100人のジプシーオーケストラ
地震および津波、水害により被害にあわれた方へお見舞い申し上げますとともに、亡くなられた方のご冥福と復興をお祈りいたします。同時に救助及び原発の被害を食い止めようと必死になられているすべての方に、感謝申し上げます。
このブログは「にほんブログ村」に参加しています。
にほんブログ村
にほんブログ村
にほんブログ村
にほんブログ村