神奈川県立図書館所蔵CDのコーナー、今回はヴィヴァルディのピッコロ協奏曲を収録したアルバムを取り上げます。
とは言え、実はピッコロ協奏曲は初めてご紹介するのではないんです。以前、リコーダー協奏曲を取り上げた時に、すでに既出なんです。
今月のお買いもの:ヴィヴァルディ リコーダー協奏曲集
https://yaplog.jp/yk6974/archive/527
東京の図書館から〜小金井市立図書館〜:ヴィヴァルディのリコーダー協奏曲集を図書館でも借りてきてみた
https://yaplog.jp/yk6974/archive/1811
ソプラニーナ・リコーダーで演奏されるものが、今回のピッコロ協奏曲なんです。そう、現代に置いてはリコーダー協奏曲がリコーダーではなくなぜかフルートで演奏されるように、ソプラニーナ・リコーダー協奏曲はピッコロというわけなんです。
ピッコロ
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%94%E3%83%83%E3%82%B3%E3%83%AD
とは言え、です。そもそも、バロックに置いてフルート協奏曲と言うのはリコーダー協奏曲の事ですから、私はモダンであってもリコーダーで吹くべき、という立場です。けれども、現代の演奏家からすれば、フルートでも十分技術的に吹けてしまいますし、ピッチも合う事から、フルートで「便宜上」代用してきた、と言うわけです。
そのため、今回テーマに「?」を付けたんです。ヴィヴァルディはピッコロ協奏曲とは作曲していません。あくまでもリコーダーなので「フルート協奏曲」として作曲しています。決してトラヴェルソ(現代のフルート)協奏曲として作曲していないんです。
なぜ私がその差にこだわるかと言えば、運指をする上に置いて、微妙な差があるから、です。聴いている私達はあまり気が付きませんが、演奏する側からすれば、縦と横ではかなり違います。使う筋肉が微妙に違うんです。それはバロック時代の、かなり音が動き回る協奏曲に置いて、本来は決定的に異なることなんです。だからこそ、縦と横であれば、旋律線が異なるのは当然のことなのです。
けれども、現代のフルート奏者は難なくその困難を乗り越えてしまいます。ですから、現代においてはフルート、或はピッコロで吹くことはなんら問題ない、と言うことになりますが、なら、もっとすごい演奏がリコーダーなら聴けるかも?って思いませんか?だから私は、現代においてもリコーダーであるべきだ、と言うんです。
実際、この演奏でもピッコロを巧みに使っているのは素晴らしく、古典派のルールであるリフレインは弱くとしつつも生命力溢れる演奏を実現しているのは素晴らしいと思います。まあ、バロックなので古典派みたいにやらなくてもいいんですが、ヴィヴァルディの作品が如何に先進的だったのかを如実に語る演奏でもあると思います。それでも、リコーダーとモダンオケだったらどうなるのか?と言うのは、私の頭の中に常にあります。
そもそも、フルートは金管楽器です。ピッコロはそこまで言えない部分もありますので、この演奏でも結構違和感ないんですが。けれどもリコーダーは木管楽器なのです。その響きは微妙に異なります。現代ではそういった問題もあるんだと思っておいた方がいいと思います。ですから、バロックの「フルート協奏曲」をモダンで聴く場合、あくまでも現代アレンジと割り切って楽しむほうがいいと思います。
この演奏はピッコロですが、演奏時間からすれば他のフルート協奏曲も入れてしまっていいはずなのですが、あえてピッコロだけを収録しています。それは楽器の違いもあると思いますが、そもそもフルートはリコーダーとは違うという意識が、演奏者や編集者にあったとすれば、納得する部分が多々あります。ピッコロならまだ、半分木管楽器です。だからこそ、ピッコロ協奏曲だけにする・・・・・これは合理的だと思います。
とは言え、やはりできれば現代のソプラニーナ・リコーダーでの演奏にチャレンジしてほしいところではあります。本当にモダンオケだと無理なのか?実際に試してみないとなあって常に思います。特に、木製ではなく、思い切ってプロ用のプラスティック製を使って。それでも、やはりピッコロのほうがピッチに合うのであれば、今後もピッコロでの演奏が続くのだと思いますが・・・・・ここは、国内レーベルに期待・・・・・できないか。
やはり、本場で動きがあるのを待つしかないようです。
聴いている音源
アントニオ・ヴィヴァルディ作曲
協奏曲ハ長調F.�Y-4 RV433 P.79
協奏曲イ短調F.�Y-9 RV445 P.83
協奏曲ハ短調F.�Y-11 RV441 P.440
協奏曲ハ長調F.�Y-5 RV444 P.78
ハンス・ヴォルフガング・デュンシェーデ(ピッコロ)
フィルハーモニア・クァルテット・ベルリン
ヴォルフガング・ギュトラー(コントラバス)
元井美幸(チェンバロ)
地震および津波、水害により被害にあわれた方へお見舞い申し上げますとともに、亡くなられた方のご冥福と復興をお祈りいたします。同時に救助及び原発の被害を食い止めようと必死になられているすべての方に、感謝申し上げます。
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