東京の図書館からのコーナー、小金井市立図書館のライブラリを御紹介していますが、フォーレのピアノ作品全集を特集しています。今回は第3集「舟唄」を取り上げます。
舟唄は、13曲作曲されています。ピアノ作品で舟唄と言った場合、フォーレのものがすっと出てくるというピアノ愛好家やピアノ作品が好きな聴衆は多いのではないでしょうか。
とは言え、舟唄は優れた作品はメンデルスゾーンが「無言歌集」の中で書いています。そういう音楽史を経たうえで、フォーレはまとめて、しかもライフワークとして書いたのでした。
舟歌 (フォーレ)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%88%9F%E6%AD%8C_(%E3%83%95%E3%82%A9%E3%83%BC%E3%83%AC)
是非ウィキだけではなく、ピティナも参考にしてほしいと思います。今回はCDとその演奏がテーマなので一つ一つには触れませんが、是非とも1曲ずつを参考にしてほしいと思います。
舟唄は、この第3集だけでまとまっているため、実は一つ一つの演奏時間は短いので、小さな作品だと言えますが、それでも一つ一つに作品番号が付いているくらい、フォーレの音楽の中で大きな意味を持っているジャンルです。
舟唄は、そのリズムが特徴的ですが、旋律的にも水面を表わしていたり、印象派の中でも写実的であったりもします。ロマン派以降、音楽を絵画と連携させて表現する運動が始まりますが、このフォーレもその一人であり、当時の絵画の印象派からも影響を受けている作品ともなっています。特にフォーレの作品は水面の表現が素晴らしく、頭の中でついその水面をゆくゴンドラを想像してしまいます。
まあ、日本人にとっては、演歌の中で「渡し」をゆく渡し船のような景色を、舟唄は表現していると考えれば受け取りやすいって思います。まさに舟唄と似た作品が「矢切の渡し」であるわけです。リズムが似ているのにびっくりする筈です。その矢切の渡しをクラシック音楽で自由に表現してみたら、こんな感じかなって思います。「矢切の渡し」は男女の愛がテーマなので、歌詞でさらにもう一つの世界が表現されていますが、このフォーレの舟唄では、作品ごとに水面に関する世界と、それ以外が描かれています。その違いを楽しむのも、フォーレの舟唄の魅力の一つでしょう。
ユボーは、そんな作品をまさにノリノリで演奏しています。美しい風景を、印象派的に、音楽で切り取る・・・・・そんな作品たちを、まずユボーの中でじっくり味わったうえで、ピアノの前に座り、パフォーマンスしている、そんな感じです。
どれに一番力を入れるとかではなく、すべての作品をとても愛しているのが、演奏から伝わってきます。慈しみ、味わっているその姿を、是非とも聴衆と分かち合いたい・・・・・そうユボーに言われているかのようです。私もしっかり分かち合っています。
そんな分かち合いをユボーとできるなんて、とても幸せな演奏だと思います。
聴いている音源
ガブリエル・フォーレ作曲
舟歌
�@第1番イ短調作品26
�A第2番ト長調作品41
�B第3番変ト長調作品42
�C第4番変イ長調作品44
�D第5番嬰ヘ短調作品66
�E第6番変ホ長調作品70
�F第7番ニ短調作品90
�G第8番変ニ長調作品96
�H第9番イ短調作品101
�I第10番イ短調作品104-2
�J第11番ト短調作品105
�K第12番変ホ長調作品106
�L第13番ハ長調作品116
ジャン・ユボー(ピアノ)
地震および津波により被害にあわれた方へお見舞い申し上げますとともに、亡くなられた方のご冥福をお祈りいたします。同時に原発の被害を食い止めようと必死になられているすべての方に、感謝申し上げます。
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