かんちゃん 音楽のある日常

yaplogから移ってきました。日々音楽を聴いて思うことを書き綴っていきます。音楽評論、想い、商品としての音源、コンサート評、などなど。

コンサート雑感:東京・春・音楽祭2020 ベルリン・フィルメンバーによる室内楽を聴いて

コンサート雑感、今回は令和2(2020)年3月15日に聴きました、東京・春・音楽祭2020における、ベルリン・フィルメンバーによる室内楽のコンサートを取り上げます。

これも実はネット配信で、まさにストリーミングのみのリアルな体験となりました。そしてこのコンサートに関しては、FBにおいてネット鑑賞会という形で鑑賞するということになりました。

前々から、mixiだけでなく、フェイスブックでも鑑賞会をやりたいと思っていました。ただ、FBは実名主義なので、かなり配慮が必要なSNSでもあります。そういう点から、mixiと同じようにやるのはずっと見送ってきました。

今回、次々にコンサートが中止となり、行けない人が数多く出るという事態に直面し、自分の開催の仕方をかなり考えています。ちょうど、プロオケである東響さんはニコ動で配信を始めました。これが先週取り上げた第40回モーツァルトマチネだったわけです。

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それは実は、私がmixiでずっとやっている、ネット鑑賞会、ひいてはその先達である、亡きさんよう氏がはじめられた同時鑑賞会のスタイルでもあるのです。動画ではなく音源を聴くだけですが、それをニコ動のようにチャットのように書き込んでいくスタイルは、じつはニコ動が発祥ではなく、mixiの同時鑑賞会が発祥なのです。

そういった点もあり、ならばフェイスブックでやってしまおう!ということで、第1回FBネット鑑賞会として聴いたのがこの東京・春・音楽祭2020だったのです。

ヴァイオリン、ヴィオラ、そしてチェロはベルリン・フィルのメンバー。ピアノはベルリン・フィルゆかりのピアニストによる演奏は、熱いものがこみあげてくる、素晴らしいものでした。さすがベルリン・フィルだと思います。当日のプログラムは以下の通りです。

モーツァルト:ピアノ四重奏曲 第1番 ト短調 K.478
フォーレ:ピアノ四重奏曲 第1番 ハ短調 op.15
ドヴォルザーク:ピアノ四重奏曲 第2番 変ホ長調 op.87

まずはモーツァルトモーツァルト短調は彼の内面が反映されている作品ですが、その深い精神が見事に花開く演奏でした。アインザッツは強めで、しかし美しく生命力あふれるもの。

フォーレ短調。冒頭ピアノがわめくわめく!もちろん芸術的にですが、そのわめきで思わず私は泣きそうになりました・・・・・弦もそれにつれてヒートアップ!フォーレの作品が持つ秘めたエネルギーが全開となっていました。

そして、ドヴォルザーク長調ですが決して軽薄ではなくむしろ泥臭いくらいの作品が持つ生命讃歌が存分に歌われていたのはあっぱれ!こういった演奏をプロで聴きたい!という典型でした。

こういったアンサンブルのすばらしさの積み重ねこそ、ベルリン・フィルの重厚かつ豊潤なサウンドを支えているんだなと思います。もちろん、ベルリン・フィル自体の演奏も素晴らしいのですが、そのコアの部分に触れることができたのは本当に幸せでした。そしてこの公演を無料配信する音楽祭事務局のセンスの良さ!これは高評価です。来年はぜひともホールへ足を運びたいと思わせるのに十分です。

ということになると、東京・春・音楽祭も来年以降、ネット配信用のチケット販売を視野に入れるべきだと思います。毎年無料というわけにはいかないはずです。いっそ、一つの収入源として、「ネット配信チケット」を販売するという決断をした方がいいように思います。そうすれば、なかなか遠くて行けない人も、ネットで見て、聴くことができます。もちろん、本来はホールへ足を運ぶことが最もいいのですが、遠方の人はそれがままなりません。ネットを使い聴いてもらうということもまた、一つの選択肢として考えていい時期に来ていると思います。今回のこのコンサートは日本のクラシック公演のセンスが決して悪くないことを証明しています。十分収入として上がると私は思います。

 


聴いたコンサート
東京・春・音楽祭220 ベルリン・フィルメンバーによる室内楽
ヴォルフガング・アマデウスモーツァルト作曲
ピアノ四重奏曲第1番ト短調K.478
ガブリエル・フォーレ作曲
ピアノ四重奏曲第1番ハ短調作品15
アントニン・ドヴォルザーク作曲
ピアノ四重奏曲第2番変ホ長調作品87
ガイ・ブラウンシュタイン(ヴァイオリン)
アミハイ・グロスヴィオラ
オラフ・マニンガー(チェロ)
オハッド・ベン=アリ(ピアノ)

令和2(2020)年3月15日、東京台東、東京文化会館小ホール

地震および津波、水害により被害にあわれた方へお見舞い申し上げますとともに、亡くなられた方のご冥福と復興をお祈りいたします。同時に救助及び原発の被害を食い止めようと必死になられているすべての方に、感謝申し上げます。