かんちゃん 音楽のある日常

yaplogから移ってきました。日々音楽を聴いて思うことを書き綴っていきます。音楽評論、想い、商品としての音源、コンサート評、などなど。

今月のお買いもの:フィールド ノクターン全集

今月のお買いもの、平成29年5月に購入したものを御紹介しています。今回はe-onkyoで購入しました、ハイレゾのフィールド、ノクターン全集です。

フィールドについては、まさにこのブログでノクターンを取り上げています。

今月のお買いもの:フィールド ピアノ作品集第1集
http://yaplog.jp/yk6974/archive/1301

其れ以前には、ピアノ協奏曲を取り上げたのでした。

今月のお買いもの:フィールド ピアノ協奏曲第1番・第3番
http://yaplog.jp/yk6974/archive/1272

実は、二つとももっと聴きたいなと思ったフィールドの作曲したジャンルなのですが、どちらもナクソスでもなかなか棚になかったりしたのですね。

そしたら、e-onkyoでステッファーニを見つけた時、一緒に見つけたのがこのフィールドだったのです。しかも、ノクターンが全曲入っていると言う・・・・・・

これはもう買うっきゃないっしょ!と言うことで、珍しく衝動買いしたのがこの音楽ファイルです。1500円。まあ、本当はハイレゾであればこれくらいかもう少し高いくらいが値段は適正だとは思うんですけどね。だって、ケースはないし、解説書もない。それで3000円とかとるなよって思います。2000円がいいとこですね。

是非とも、ハイレゾを出しているレーベルの方は、考えてほしいのです。「付加価値」とは何か、と。勿論、ハイレゾ自身が聴衆にとっては付加価値の高いものではあります、CDに比べれば、或はmp3に比べれば。でも、DLが購入の本格的な形態へと移行すれば、ハイレゾが当たり前になります。mp3と比べてくださいと言っても、その高付加価値が当たり前になれば、別に付加価値をつける必要があります。それが解説書だと私は思っています。

そのために値段が高いのであれば、納得ですが、今の現状は音質が素晴らしいとはいえ私は不満ですね。PC取り込み組用に解説書を別途つけるとか、これからは考えるほうがいいかと思います。

さて、この全集は幾つかに分かれているのではなく、一つにまとまっています。フィールドは18曲ノクターンを書きましたが、そのジャンルの特性故に、演奏時間が短い作品が多く、CDであれば1枚に収まってしまいます。

ジョン・フィールド
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B8%E3%83%A7%E3%83%B3%E3%83%BB%E3%83%95%E3%82%A3%E3%83%BC%E3%83%AB%E3%83%89

そもそも、このファイルも初めはCDとして売り出されたものです。

http://www.universal-music.co.jp/elizabeth-joy-roe/news/field/

ですから、当然まとまりとしてもCD1枚分のデータ量になります。ナクソスはそれにもかかわらず全曲収録せず、あえてピアノ・ソナタを入れたと言えるでしょう。だからこそ、「ピアノ作品集」になるわけですね。こういった違いを楽しむのも、クラシック音楽の楽しみだと言えるでしょう。え、でもそれは他のジャンルを差別して特別扱いにしていないかって?

そうでもないです。だって、例えばJpopも新たに収録するのではなく、記念盤としてA・B面を集めたアルバムを発売することがありますよね?あれと一緒なんです、このようなアルバムは。クラシックではそれを「全集」とか「○○集」として発売するだけなんです。

しかも、新たに演奏することもある。それはとてもスリリングです。以前の演奏とどう違うのか、楽しいでしょ?それもJpopなどでも普通にあることです。例えば、ある人気曲をアルバムに入れるとなった時、シングルとは違ったリミックスをすることがあります。それと一緒なんです。クラシックは常に、違うリミックスを入れていると考えれば、とても楽しいはずなんです。

その視点でこの演奏を聴いてみますと、ジョイ・ロウは決して感情に流されず、構成を考えながら、若干引き気味で、冷静に弾いています。ノクターンと言えば、フィールドが元祖ではありますが断然ショパンが有名なため、ショパンを意識して弾くピアニストもいます。ナクソスのフリスがそれでした。それはそれで素晴らしい演奏ですし、魂を揺さぶられたのも確かです。ですが、このジョイ・ロウはそれを肯定した上で、あえて冷静に弾いているなと思うんです。それはこのアルバムが「ノクターン全集」であるということと無関係ではないでしょう。

そこで、ウィキで失礼しますが、フィールドのノクターンの項目を見てみましょう。

夜想曲
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B8%E3%83%A7%E3%83%B3%E3%83%BB%E3%83%95%E3%82%A3%E3%83%BC%E3%83%AB%E3%83%89#.E5.A4.9C.E6.83.B3.E6.9B.B2

第18番に「真昼」という曲があるのに、気が付かれましたか?このアルバムでは第12番になっていますが、この作品はもともとはノクターンとして作曲はされていないとされており、後から出版者の都合でノクターンになったと言われています。また、ロマンスとして作曲された作品もあり、じつはショパン程はっきりとノクターンとして残っているものは確定していないのが実情です。

となれば、演奏するほうからすれば、基本二つのスタンスになります。全部をノクターンという解釈で演奏するか、あるいは必ずしもノクターンではないとして演奏するか、です。ジョイ・ロウは後者の解釈なんですね。その結果は、幻想的かつ気品を保つものとして表れています。時代の変革に際し、フィールドが試行錯誤している様子すら、私たちの目に浮かぶかのような演奏は、実にアカデミックである上に、自らの信念を受け取ることができる素晴らしいものだと思います。

私は信念の人なので、このような演奏はとても好きです。解釈というのはある意味信念なんです。だからこそ、例えばコーホーさんの第九も、私とは美意識が違うにも関わらず、唸りますし、感動も覚えるのです。

今月のお買いもの:宇野功芳が振る「第九」
http://yaplog.jp/yk6974/archive/897

勿論、賛美まではしません。基本、私の美意識とは違うので。でも、唸る訳なんです、その解釈と、演奏効果に。このジョイ・ロウの演奏もその傾向にあるものだと言えますし、コーホーさんの第九よりはよほど受け入れ可能ですし、むしろ積極的に受けれられるものだと言えます。

このファイルもflacであるだけに、残響が美しく聴こえます。柔らかいその残響はタッチの柔らかさだと言えますが、そもそも残響でそれを聴きとることができると言う点こそ、flacならではだと思います。




聴いているハイレゾ
フィールド ノクターン全集
エリザベス・ジョイ・ロウ(ピアノ)

地震および津波により被害にあわれた方へお見舞い申し上げますとともに、亡くなられた方のご冥福をお祈りいたします。同時に原発の被害を食い止めようと必死になられているすべての方に、感謝申し上げます。




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